
過去イシバシ楽器 心斎橋店に届いた歴史を彩った数々のギターを紹介する新シリーズ
【レジェンダリーな俺たち】
今回は、先日盛り上げるだけ盛り上げて、間に違うネタをぶっ込んでもったいぶったモデルです。
The Kasuga BG-100


一部の生粋のジャパヴィンファンくらいしか響きませんが(汗)Artwoodと並び誇り高き素晴らしい見事なレジェンドです。
筆者は「お気に入りのジャパヴィンは?」と聞かれれば、いつも真っ先にこの2大ブランドを挙げています。
これで騙さ、、、いや、もとい、共感頂きジャパヴィンの虜になった方々も数知れず、、、



数あるジャパンヴィンテージの中でも1、2を争う玄人好みなブランド「The Kasuga」。
ブルーグラスに特化した、というよりそこだけを追求したストイックな方向性は、当時もてはやされた貝ギラギラモノとも見た目だけの杢でもない、本格派プレイヤー志向の数少ない本物だったと言えます。
ニス仕上げという、おそらく当時流行らなかった仕上げは今となっては希少でしっかり狙いを定めた仕様であると振り返られるでしょう。
「良いギター」と「売れるギター」は違う、という典型例ですね。
他に変わる物が無いだけに供給量に対して需要が大きく、なかなか入荷しません。
このシリーズは他にもBG-80、BG-120、BG-150が一般に知られていますが、どれをとっても本当に気持ちいいです。
直ぐの購入に踏み切れない方も、在庫を見つけたらとにかく触れて知っておいて頂きたい逸品です。


ネックはガッシリと作られており、少ないながら見てきた個体では元起き、腰折れは全て皆無、惚れ惚れする出来栄えです。
個人ユーザーさんのブログを見ても「雑貨屋のJUNKコーナーに刺さっていた」とか、ネット社会でない時代に掘り出し物に出会えた方の羨ましいコメントを見受けます。
当時はこのなんてこと無い変哲もないルックスではビジネスとし成功を収めなかったのが皮肉です。
採算を度外視して職人が競い合って造ったのがこのシリーズとも言われております。
この後ヘッドロゴをバナー状の物に変え短期間ながら生産は続きますが、やはりG社様のこのロゴがカッコいいですね!
でもバナーヘッドの物がBG-8やらBG-10やらという別名で見かけ「こっちが先?」と思う事もしばしば、真相は不明です。
また、よくある話ですが、そもそもの絶対数が少ないので000タイプの珍しいモデルやモデル名/シリアル刻印無しなどの試作機?とまことしやかに囁かれる個体が散見するのも時代に想いを馳せるところ。
とにかくゴールはないでしょう。
どれもが素晴らしく、どれもがオンリーワンな価値をもつギター、それが「The Kasuga」
その名を知らなかった方はぜひ気に留めておいて下さい。