どこまでがヴィンテージなのか??

(おいら)のジャパンヴィンテージ列伝!

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よくヴィンテージ、ヴィンテージ、って言いますけど、どこからどこまで、何年頃までがヴィンテージと呼べるんでしょうね。

ちょっとここらで考察してみましょう。

一番分かりやすいのは天下のMartinGibsonでしょう!
まずはそこいらから見ていきましょう。

【Martin】
おおよそ70年代までを一般的にヴィンテージと呼んでいます。
特にヴィンテージ最終年代の70年代はGroverペグブルーケース、これにお米があれば食卓は万全!という鉄板コレクションです。
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※こちらは過去当店にて扱ったD-45 1979年製です。コンプリートです。

本国でも人気でしょうが、特に日本ではこの年代の物を昭和フォークブームに歴代の著名アーティストが使用していた事で憧れが強い方が多いです。
60年代以前は値が張るというのもありますが、予算があっても70年代の良個体を求めるのは十分にありでしょう。

そして最近では80年代初頭にもスポットが当たってきています。
昔から言われていますが、この時代はアコギ絶不況に突入、王者Martinとて例外なくリストラ、生産規模縮小が止むを得ない状況でした。
反面、残ったのは熟練工と少数しか生産しないので良材のみ使える、というメリットと言われています。
どこまで真実か、誇張されている面もあると思いますが、確かに80年代前半の個体は外れなく良い物が多いと思います。

しかし、
それとヴィンテージか否か?は分けて考えたいと思う今日この頃。
厳しく見てMartinの80年代はヴィンテージから外しましょう。
最近ではセミヴィンテージやら言っちゃってますが、商売的には売りたいのでそれも分からんでもないですが、、、たしかに、ただ中古!というにはもったいないですが、、、


【Gibson】
おおよそ60年代までを一般的にヴィンテージと呼んでいます。
Martinに反して70年代は暗黒の時代やらなにやら怪しげにマイナス評価される事しばしば。
Gibsonヴィンテージと言えばやはりラウンドショルダーのJ-45!ですからスクエアショルダーになって時点でヴィンテージが終焉を迎えた、いうのは一般的な理解でよいと思います。
70年代も姿は違えどまだまだヴィンテージテイストは感じますけどね、
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※こちらは当店で2度目の扱いになるJ-45 1959年製です。一番脂ののった超人気個体。このボロボロ感が堪らん、、、

Gisbonでケースと言えばブラウンケースです。
しかし極端に希少になるのとブルーケース程万人が拘っている訳でもなさそうです。
50年代のシロモノですし、これも国内アーティストが60~70年代のモデルを使っている事が多い事からも自然なながれでしょう。もちろんついてりゃそれにこした事ありませんが、

Gibsonは細かなディティールというよりは年代毎の大枠での外観、ですかね。
スモールガードかラージガードか、そしてアジャスタブルサドルか。
そもそもHummingbirdやDOVEは60年代からしか存在しないですから。


【その他アメリカンブランド等】
上記二大巨頭が定説の指標になっているのは明らかですが、ブランドによって様相は少々変わってきます。

たとえば現在一番人気のTaylor
1974年創業ですからそもそもヴィンテージという概念がありません。
ブランドポリシー的にも常に前へ前へ、という姿勢ですから後ろを振り返ってはいられません。
それでも最初期工房があったLemon Grove物は希少価値がありますし、その後のSntee Factory時代頃まではラッカー仕上げでよりナチュラルアコースティックな作り込みでした。
極希にこの時代の物を見るとプライベートで使えるウッディなオーラを纏う物があります。
特に最初期の物はヴィンテージと言わなくともオールドテイラーと呼ばれたりして、米国コレクターサイトなどでマニアックに盛況です。

同じようにCollings
これなんかもっと若く、80年代の個人製作レベルなんてまず出ません。一度ネットで検索ヒットして興奮しました!
で、93年頃までのラッカー仕様、特にそれ以前の3桁シリアル物は相変わらず人気です。
でも90年代です。
Collingsはオールドとも言わないですね。

カナダに飛びますがLarrivee
70年代の初期物は十分ヴィンテージの素養があるでしょう。
しかもMartin、Gibsonに比べ圧倒的に玉数が少ない!ある意味探すのは至難の業!
当時物はかのリンダマンザ―女史も組み込んでいたりと夢がある逸話が詰まっています。

Guild
幾度もの買収が繰り返されながら現在に至る老舗ブランド。
かつてはMartin、Gibsonと並んで御三家とも呼ばれた人気ブランドです。
こちらは70年代を中心に物によっては80年代でもヴィンテージのカテゴリーに入れてもよいと思います。
理由としては年代によって極端な仕様変更がない事が挙げられます。
Gibsonなんて見た目がコロコロ変わりますから、、、


さぁ、そして我らがジャパヴィンはいかに?!
【ジャパンヴィンテージ】
そもそも舶来物に真っ向から勝負できるアコースティックギターと呼べるオフィシャルは、YAMAHA FG-180で異論ないでしょう。
これが1966年。
それからフォークブームが到来し雨後の筍の如く様々なブランドが乱立します。
その中でも高品質で現在に受け継がれる物はYAMAHAをはじめとしたごく一部のブランドに絞られますが、完成形~隆盛期を迎えるのがだいたい1970年代中盤から1980年代です。
むしろ1980年代に入ったほうが各社競って高級ラインを製造し出したと思います。
そういう意味ではジャパンヴィンテージに限っては1980年代は完全にヴィンテージ扱い、一部カスタム物、ハカランダ物などレアな物なら90年代初頭も含む勢いだと思います。
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※画像は当店で扱ったYAMAHA L-31 1976年製 いいっすよ―

Martin、Gibsonの範疇から考えるとジャパンヴィンテージはヴィンテージとは言い難い時代かも知れません。
逆に雨後の筍系の物を70年代だからと言ってなんでもかんでもヴィンテージと言ってしまうのも乱暴かと思います。

このように実際、ブランド、あるいはブランド群によって、一言にヴィンテージと言っても20年程の幅がある訳です。
ちなみに100年単位になってくるとアンティークと呼びます。
これに該当するは老舗Martin、Gibson、オリジナルが無くなっているかつてのブランドだったりに限られますね。

希少価値、という面ではオールドテイラーは以前から注目しているアイテムです。
Taylor社の研修でもゆくゆくBobが引退したらBobのサイン入りが当たり前の現行ギターがどうなるのか?なんて話もありました。
実際Builders Editionのサインは既にAndy Powersですから。

何に価値を置くか、良しとするかは千差万別でよいと思いますが、その時に何でもかんでもヴィンテージに結び付ける必要はないんじゃないか?誤解を与えてしまうと感じる今日この頃な訳です。
素晴らしい中古は中古でいいじゃないですか。

で、なぜ今回は実際のギター紹介じゃなかったかって?
それは、ジャパヴィンが全く入ってこなpiiii——–


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