遂に新たなステージへ、、、
2019-07-24 俺(おいら)のジャパンヴィンテージ列伝!本日は新品ですがジャパンモデルという事でご紹介!

SEAGULL by M.Shiozaki SD-60 1937 TA/MR/A02
いまや説明する事も憚られる、日本国内におけるMartin研究家であり屈指のルシアーである塩崎雅亮氏。
氏がギターの設計、ボイシング(Top材のブレーシングの取り付け)を行い、提携工房にて組み上げ、更に別工房にてエイジド加工を施し、再び提携工房にて最終工程を経て完成するという拘りに拘りを貫いた逸品です。
工房スタッフには塩崎氏自ら手ほどきし、ボディの組み込み、ネックのシェイビングまで妥協なく精度を求めています。
実際手にしてみると、工房のクセを一切感じず、まさにSEAGULLの魂がしっかり宿った質感に仕上がっています。

ヴィンテージサウンドを再現する為にコアとなるトップ材とブレーシング材にトリファイド加工を施し、リアルヴィンテージに極めて近い材質感、サウンドを再現。
材質感においてはヴィンテージギターのブレーシング加工処理を行うのと同じ質感をクラフトマンが感じたそうです。
今回のトリファイド加工材は以前からリリースされているノン・エイジドモデルと入手ルートを変え、色味をよりヴィンテージに近く、サウンドも一層向上する事に成功しています。

本モデルはSD-60をベースに、トリファイド加工されたアデュロンダックスプルースをトップに、サイド&バックには60年代のD-28 ハカランダ物と見間違うほどの素晴らしいうねりをもったマダガスカルローズウッドを採用。
30年台がベーススペックとなっていますが、下手なハカランダ材に固執するよりよっぽどマーチンらしい杢です。

サイドエンド付近には美しいサップも確認でき、現代のハカランダとも言われるのが十分頷けます。

ネックグリップは実測44.5mm、太めでがっしりしたグリップ感を堪能でき、ネックが鳴る、イメージをまさに体感できます。
今回ネックには敢えてアジャスタブルロッドを仕込んでおり、経年の微調整を可能にしています。

内部サイド材割れ止めテープやスキャロップドブレーシング、メイプルブリッジプレート、マーチンシェイプ・アングルドナット、ヘリンボーントリムなどなど、ルックス面における細かいディティールも想像以上。
間近で見てもこれが今出来上がった新品とはにわかに信じがたい雰囲気を放っています。
サウンドももちろん期待に十二分に応えます。
トップ材のエイジングトーンだけでなく、統制されたネックバイブレーションが堪りません。
鳴っています、ネック。
トーンを決定づけるマダガスカルローズウッドの、しっかり腰を据えたドン!と轟く音はドレッドノートにぴったりです。
力強いピッキングにギターが絶対に負けない強さを備えています。

今回初導入されたエイジング加工には3段階あり、こちらは中間のA02という仕様。
エイジド加工は塗装全行程完了後に行うのではなく、塗装過程において別工房にて行われます。
その結果、ノン・エイジドモデルより塗膜が薄く仕上がっており、サウンド面でもプラスへはたらきかけます。

サウンドホール上部のピックスクラッチやピックガード周辺の削れ具合は結構なもので、バックのバックル傷やヘッドなどのコツコツ当てたような傷までをも再現する技術は秀逸です。


極めつけはピックガードの際が少しめくれ上がっている様を再現。
そこまでやるか?というところまで突き詰めたスペックがマニア心をくすぐらない訳がありません。

ボディ全体にはウェザーチェックも入れられており、これから暫く経過するとそれらが更に綺麗に浮かび上がってくるよう設計されているそうです。
素晴らしい限りです。
近年海外でも少しずつ流通し出したエイジング加工ヴィンテージスペックギター。
アコースティックギターの世界ではコスト面での折り合いがなかなか難しかったのですが、今回満を持しての登場です。
生産数は極めて少なく、同質材の再利用は難しく感じます。
ぜひこれは、と感じられた際にいち早くお試しください。

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