―材は選べても賽の目は選べない―
2019-06-22 俺(おいら)のMartin探訪記(3)―材は選べても賽の目は選べない―続いて材選定です。

マーティン社スタッフが続々と選定材を運び込んできます。

これらは、各楽器店が日本で予めカスタムオーダーの見積もりを取っていたものの木材を、木目、色味などからチョイスさせて頂けるサービスです。

これはトップに使うシトカスプルースです。
グレードはノーマルの28グレード。
皆が節があって敬遠していた材ですが、そこにサウンドホールを採ればいけるんでないかい?って事でチョイス。

ベテランルシアーも登場!
判断に迷う時はアドバイスをもらいます。

タップトーンを聴く、と言っても叩き方があるようで、彼と同じようにうまく叩けません。
もっと言うと、叩けたところでどの音が良いか判断できません!正直
“これはブーミーに響いてくれるよ”
“Oh!It’s very Nice!”
とか言う彼の言葉を受け取って他もチョイス。

選んだ材には間違わないようにオーダーNo.を手書きしてもらいます。
他に選んだ材はコレ!

ハーフパンツで仕事、いいなぁ―アメリカン!

木目の位置に拘る材はそれぞれのボディサイズに対してトレースしてもらいます。
昔使った分度器の大きいヤツみたいな素材です、分かるかな?

マーティン社スタッフ内でもそれぞれ仕分け作業など大忙し
初日はここでTime Up!
残りは2日目に持ち越されました
ー翌日ー

さぁ、いよいよ本命定番のインディアンローズウッドです。
グレードが分かれているのですが、見た目だけでは下位グレードの方が良さそうに見えるのもあったりで、正直素人の私にはさっぱり分かりません。

という訳で、見よう見まねで即席で仕込んだ選定技術で、、、

木目が特徴的な材は、この赤いボトルのホワイトガソリンをかけてあげると仕上がりのイメージがしやすい!との事で適時かけます。
が、全っ然分からん!
勘と無い経験(汗)を頼りに選定します!

木目が綺麗な物をナチュラルグロスフィニッシュ物に使うのが常套手段ですが、悩んだ結果、左のインディアンローズウッドにしてはエキゾチックな杢の物をチョイス!
これ、色味も木目によってビミョーに違っているので出来上がりが楽しみです。
もう一つの右側はBlackカラー塗り潰し物にチョイス!
なんとも贅沢な、勿体ない、逆じゃね?とかご意見あるかと思いますが、しならせるとやや硬いこの材を鳴りの良い黒ギターを作る為に欲しかったんです。
まぁ、いいじゃないですか、
俺のギターはベタ塗りのブラックで木目が見えないけど、中から覗くとかなりいい目をしてるんだZe!
って、ひとつ薀蓄が語れますよ!
これも出来上がりをお楽しみに!
で、選んだ材は漏れなく記念ショット!


さぇ、続いてマホガニーです。
益々分かりません!笑
が、少しずつ硬さが違ったり、ちょっとした杢のインパクトだったり、分かってきたつもりになってきました!

この頃になると、予めトレースされた鉛筆線を勝手に消して、裏表を好みで逆にしたり、やりたい放題です。

トレース位置をちょっと上下するだけで顔が違って見えそうです。
で、選んだ材がこちら ↓


当店では今回選定しませんでしたが、ココボロやマダガスカルロースウッドは、同じ面積の板でも全然重みが違いました!
ボディ全体での重みの違いは感じ取ったことはありますが、裏板レベルでこれだけ違うと、そりゃトーンキャラクター全然違うわ!と思いました。

2日目午前中をフルに使って、ようやく材選定が全て終了しました。
またまた、マーティン社内にてケータリング。
今日は自分で具材を挟んでいくバーガーです。
この頃には連日のアメリカンなヘビー級の食事と時差で参っている方も増えてきますが、
私は時差ボケは物凄いながらも、食欲だけはアメリカに来たんだからバーガーがっつり最高!って感じです。
残りの時間許す限り、ミュージアムや工場見学となります。
―つづくー