ことベースに関してはわずか1年ほどの短命なモデルでした…
2018-11-17 ソリッドエレキギターでムスタング以来、約15年ぶりの純粋な新製品であるリード・シリーズが登場したのが1979年のこと。それに続いて、1981年にリリースされたバレット(ブレット)シリーズは、ミュージックマスター後継のステューデントモデルにあたる位置付けと考えられます。同時期、1982年にヴィンテージ・シリーズが発売されたり、1983年には対となるスタンダード・シリーズが登場したりと、ラインナップの大幅な改編が進む中でBullet Seriesはまもなく1983年に生産終了となりました。その背景では1982年にフェンダージャパンが設立され、スクワイヤブランドの台頭もあり…。1985年にFender社がCBS傘下を離れる直前の激動の時代でした。

Bulletは、後にビル・シュルツの体制になってからフェンダーカスタムショップの責任者を務めることになるジョン・ペイジがR&D部門でデザインに携わっております。
ギターは、初期がシングルカッタウェイ・デザインでしたが、まもなくダブルカッタウェイ・デザインへと切り替わりました。(いずれも25 1/2インチ・ロングスケール)
Fender USA / 1982年製 Bullet H-1 White
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2シングルコイルやワンハムバッカー仕様のH1では、一体型のブリッジ/ピックガードが特徴。ウォルナットのスカンクストライプ付きメイプルネック・シャーラーF-keyチューナーが確認できます。Bulletのワンストリングスガイドは通常1982年までのスペックです。

Fender USA / 1983年製 Bullet Deluxe S-3 White
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スリーシングルコイル仕様のS3モデルにはデラックスの冠が付き、ブリッジとピックガードが分離、従来のストラトより弦間ピッチが狭いです。よく見るとスカンクストライプはメイプル。ロトマチックチューナーになっている個体は少ないようですが、2ストリングスガイドの1983年スペックです。

Fender USA / 1982年製 Bullet Bass B-34 White
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ベースは当時ショートスケール版も発売されましたが、こちらは34インチ・ロングスケール(20フレット仕様)のB34モデル。テレキャスターベースのようなヘッド形状や、ムスタングベースに似たスプリットコイルピックアップが特徴的でしょう。ムスタングベースのそれとは磁極が逆になっているようです。

製品としては全くの別物ですが、Bullet(弾丸)という名前は、現在でもSquierブランドで入門機種のシリーズ名に引き継がれています。
特に発売が後追いになったベースに関してはわずか1年ほどの短命なモデルでした。目まぐるしい時代の変容、フェンダーの歴史を表象する特別な楽器たちです。