ジャパンヴィンテージギター解剖!

毎週の更新をしてきました
(おいら)のジャパンヴィンテージ列伝!
何の前触れもなくブッチしてそのままネタ切れフェードアウトか?とあらぬ噂を立てられたとか、そもそも誰も気にしていないとか、、、
今日やります!
(おいら)のジャパンヴィンテージ列伝!

本日のブツは、、、こちら!
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YAMAHA S-51 1980年製
既にネット掲載しておりますのでご存知の方も多いと思いますが、あらためてご紹介と内部を事細かく見ていくことにしましょう!
カタログ表記や普通の商品画像では見えない部分まで掘り下げます!

まずはこのギターの属するSシリーズですが、Lシリーズのラインナップが淘汰され安定期に入った頃にリリースされました。
ヤマハオリジナルセミジャンボボディと銘打って3モデルがリリース。
一番エントリーグレードのS-11でもTop&Back単板というハイスペックで当時定価¥50,000と、全モデルがミドルクラス以上のプレイヤーを想定したラインナップだったことがうかがえます。
このTop&Back単板、Sideは合板というスペックは当時も今もYAMAHAとしては異例のスペックではないかと思います。
過去に2度ほど入荷し実際手にしましたが、非常に良くできたギターで敢えてサイドに合板をもってくることでトップとバックで真っ直ぐ鳴らすことに成功した、マニアライクな逸品ではないかと解釈しています。
また中間に位置するS-21も、これまた素敵なギターで一度手にしたことがありますが、本当にバランスよく、THE ローズウッドというサウンドを紡ぎ出していました。

そんなSシリーズの最高峰はテリー中本さんデザイン、最高級材で固めたボディ布陣、悪い訳がありません。
うん!いいバランスと音です!
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インナーラベルの満足感は最高潮!
ネックエンド周りのアバロンパーフリングも45Styleで堪りませんなぁ。

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古いヤマハはここにシリアルナンバーがスタンプされています。
これが結構消えかかっているものが多く年代特定泣かせなんですね、、、
これは辛うじて読み取れ5桁シリアルの頭0で1980年製と読みました。

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サイドの割れ止めはかなり小刻みに入っている印象です。
片側6か所入っていますがウェスト部に集中しています。

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ブリッジプレートはローズウッド製。
メイプルの硬質な印象と違いメローなサウンド構成の一因となります。

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Xブレーシングはノンスキャロップ。
力強い押し出しはここから奏でられます。

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トップは本当に目の詰まった極上なスプルース。
カタログ表記がえぞ松ではないので使い分けていたんでしょうね。

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ブリッジは比較的薄めで上塗りされています。
出荷時の仕様です。

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ネックはヒールで継いでいます。
これは前回お話した高級ギターは必ず一本棹ではない!という内容です。

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バックブレーシング3番目、4番目はLシリーズなどと似たカマボコ状のしっかりゴツい物で形成されています。
やはりネーミングからもスモールコンパクトではなくダイナミックなサウンドを目指していたことがあらためてうかがえます。


トラスロッドカバーを外しまして、、、
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カバー表面は木製ですね。
良い雰囲気です、これだけでも欲しい、、、
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裏はブラックのプラスチックです。
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ロッド内部はあまり触れられておらず塗装ものっています。
見えない部分まで綺麗に仕上げているのは国産の特徴ですね!

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指板は、これまたボディと同じパリサンドルです。
最高峰グレードですが黒檀ではありません。
ノーマルのローズウッドでもありません。
このあたりもSシリーズならではの拘りを感じます。
どういう意図だったか聞きたいものです。

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そしてコレ!
以前お話したソリッドアバロン
この個体は非常に分かりやすいです。
これ、ホンマ堪りませんなぁ、、、

とまぁ現物を持っている方以外はなかなかじっくり観察できない部分を説明して参りました。
なにかとマイナーなイメージなSシリーズですが、その力は底知れず、人気がなかったというよりは、それ以前にリリースされて大人気を博したLシリーズの存在の、あまりの大きさに静かに幕を閉じたのでは?と個人的には感じています。
また、ハカランダを使用しているモデルでもないのでN-1000のような少数派モデルでも人気となったギターのように後から火が付くこともなく今日に至ります。
しかし個人的には、そのYAMAHAらしくなさが滅茶苦茶好きです!もちろん王道も大好物ですが
いいじゃないですか、この知っている人だけ知っている感

でもそうは言いながら、このSボディは、S-51そのまんまを加川良さんが愛用していたり、南こうせつさんの、かの有名な通称フジザクラはこのボディがベースとなっています。
また笛吹利明さんがライブなどで魅せる、あのツタのようなインレイワークがトップに映えるギターもS-51のプロトタイプです。

こうしてこのギターの良さは各方面にて評価されています。
ぜひその手でお確かめください。

あれっ、今日は結構真面目って

(おいら)のジャパンヴィンテージ列伝!はいつもいたって大真面目です!嘘付けコノヤロー


そしてそして、遂に遂に
(おいら)のジャパンヴィンテージ列伝!スピンオフ企画!
が決定!
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詳細はこちら!


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