*管楽器コラム第20回目* サックスのキィを固定するコルクのはさみ方。
2016-03-03
今回はお客様からリクエスいただきました、楽器の輸送時に行っているキィの固定の仕方についてご説明したいと思います。
サックスの場合、キィが大きくまた重さもあるので、輸送中の振動でキィがばたつくとキィバランスが狂ったり、タンポの位置がズレたりすることがあります。
そのため工場出荷時にはキィの下などにコルクやウレタンなどをはさんでキィを固定してあります。
普段の持ち運びにはまず必要ありませんが、宅配便等で輸送するときに知っていると便利かもしれません。
<用意するもの>
ピンセット
カッターまたはカミソリの刃
ドライバー(キィガードネジに合ったもの)
各種コルク→素材を売っているお店でなるべく厚手の合成コルク(ぶつぶつのやつ)を買ってくると良いと思います。
要はオープンキィ全てを閉じた状態にすればよいので、まずは下のキィ(低音キィ)から順にやっていきます。
アルトやテナーなど低音キィガードのあるものは、キィカップ中心部またはアームとキィガードの間にブロック状に切ったコルクを挟みます(フェルトの部分は避ける)。
ストレートのソプラノのようにキィガードのない物は、キィの足部分と管体の間に三角型のものを挟みます。
右手のキィは三角形のコルクをF、E、Dキィ足の下にピンセットを使って挟みます、この時足コルクとその下にフェルトが貼ってある場合はそれらを避けるようにします、コルクやフェルトがつぶれてしまうとキィガタの原因になります。ここは難しい作業なので裏キィガードを外してやると、やりやすいと思います。
次に中央のGキィは上からこんな具合に、構造上この方法ではさめないときはこういう方法もあります(本体オクターブキィとGキィ連絡アームの間に)。
左手キィはB、Aキィ下に、ただし、キィコルクが足全面に貼ってある場合は、このようなやり方もあります。
ソプラノなどはキィの間がつまっておりコルクをキィ足部分に入れにくいので、こんな感じで、、、
なお、注意点としてコルクを外すときにありがちなのですが、ピンセットの先端で楽器にキズをつけてしまう事ありますので、慎重に作業してください。
このようなキィ固定を簡単にできる「パッドホルダー」「キィクランプ」といった商品も出ていますので、チェックしてみてはいかがでしょうか?
そうそう、固定に使うコルクは管楽器フロアーでたぶんもらえると思います、やさしい店員のおねいさん、おにいさんはきっとくれると思います、「コルクちょうだい」と言ってみてください。
※店舗によってはストックが無い場合がございますのでご注意くださいませ。
おじいちゃんリペアマンKでした。REPAIRS