Ishibashi Mail Magazine

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第11回(2008年6月19日発行)

「音楽と生命」

音楽の根本とは・・・なんて考えたらキリがありませんね。

原始の時代には太鼓などによって、遠く離れた仲間に何かしらの合図として伝達したり、土着の宗教的な意味合いがあったりと、多くは伝達方法として使われていたようです。

僕は音楽の基本は言語ではないもうひとつの伝達方法であると思っています。音によって相手に何かを伝える。むしろ言葉では表現できないものを音にして伝える。

この辺りに音楽の根本的でとても重要な何かが隠されているのかもしれません。特に僕がやっているインストルメンタル:器楽(歌の入らない楽器のみでの音楽)はこの辺りはとても重要です。ジャズなんぞは難しい事をやりすぎて聴いている人が理解不能なスタイルもあり、僕ら自身は反省しなくてはいけない部分が多々あります(笑)。

相手に考えている事、想い、気持ちを音にして伝える・・・そして音でコミュニケーションが取れる。

片方から音が伝わりリスナーとして受け止めるのもよし、お互い、或いは複数の人間が楽器を演奏し、音で会話をするもよし。

音でコミュニケーションを取る。

ネイティブアメリカンの話に「赤ん坊が泣き止まない時には、軽く近くで太鼓をたたいてやるとよい。赤ん坊はその音を母親の体内にいた頃の心臓の音と思い、安心するのだ。」というのがあります。

正にこれは音による最初のコミュニケーションでしょうね。

心臓の鼓動・・・人間は心臓を生きている間に絶えず鼓動させています。

テンポは変わりますが、絶えずビートを出しています。心臓・・・ハート。人はハートのビートを絶えず刻んでいる。生命と音楽の関わりは切っても切り離せないものである証だと思います。

生きている時がすべて・・・

生きているからこそビートが聴こえる。

命あってのビート・・・リズム・・・音楽ですね。

昨今の痛々しい事件の数々・・・被害に遭われた方々の早期御回復、御冥福を心よりお祈りいたします。

杉本篤彦