リペアマンが語る湿気と楽器の関係性
2014-06-12
アジサイが咲き、草木がぐんぐん生長する季節、梅雨。日本には毎年必ず訪れます。
この季節がないと農家の方は死活問題ですし、夏には水不足になってみんな大弱りですね。
今回は木管楽器と湿気の関係ですが、木管楽器に限らずほぼすべての楽器において、残念ながら梅雨は嬉しい季節とは言い難いです。
特に木管楽器は管体自体が木材であったり、キイの中に収めてあるパッドは革やフェルトを使っている為、湿度には過敏です。
この多湿の時期に、いかに楽器を良い状態で保つか!ですが、まずは演奏後には必ずスワブやガーゼで管内の水分をとりましょう。と、これは時期問わずいつでもですよね。
とくにマウスピースに近い閉じているキイは水分が溜まりやすいです。
スワブやガーゼで取りきれない場合は、クリーニングペーパーなどで吸い取ってください。
このとき要注意なのが、ペーパーはキイにはさまった状態で引っ張らないでください。
湿ったペーパーはすぐ破れてしまいます。破れたペーパーがパッドの張り付いたまま乾いて残り、そこから息漏れすることがあります。
木管楽器はジメジメも嫌いですが、乾燥しすぎも嫌いなデリケートな子です。
湿度調整剤は名前の通り、湿度をいつもちょうど良い%で保ってくれる物です。
正直ぱっと見は、効いてるのか効いてないのかわからない・・と思う方もいると思いますが、入れておいた方が良いです!
大きな声では言えませんが、わたくしSも自分の楽器にうっかりカビを育成した事がありまして・・(普段使用してない楽器です!)。ついでに白状しますと同じ楽器で割れも発生させた事もありまして・・・。反省と修理をした後、調整剤を仕込んでおります。
それから数年たちますが、割れもカビも再来しておりません。
皆さん、楽器はデリケートなので予防が大事ですよ?。
以上リペアセンターより反省をこめて。