Pick Up Vintage!~1974 Jazz Bass Sunburst~

皆様こんにちは!イシバシ楽器 御茶ノ水本店 ベースフロア担当のウスイでございます!
グッと気温が下がり、一気に冬の冷気が押し寄せてきておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて本題です!今回ご紹介するのはこちら!

Fender USA / 1974 Jazz Bass Sunburst

1974年製のジャズベースでございます!ブロックバインディング仕様のメイプル指板、CBSロゴ、ブラックピックガードといかにも70sという風貌の一本ですね!

1枚め:プレイアビリティ抜群のフィンガーボード。3F,5Fのポジションマークに亀裂がありますが現状演奏に問題は有りません。
2枚め:70sではよく見られるブラックピックガード。後ほど裏側もお見せします。
3枚め:CBS(モダン)ロゴ。金縁×太い黒表記が唆りますね…!

1970年代は1960年代に比べて大きく仕様変更された跡が散見される年代です。先述したブロックインレイ、バインディングは時期にズレはありますがどちらも1966年から、金色で縁取られたブラックカラーが特徴的なCBSロゴ(モダンロゴとも呼ばれますね)は諸説ありますが1968年頃から、ブラックピックガードは1974年頃からそれぞれ採用されたと言われています。

PG裏の画像です。PGの跡までしっかりと確認できますね。

また一見しただけでは判別が難しい箇所として、塗装、ペグ、ピックアップ間の距離などが挙げられます。
塗装は1968年頃からボディ塗装の下地及びネック裏の塗装がポリエステルに変更。下地がポリエステル塗装になっているものは今で言う「トップラッカー」であり、Fenderの現行モデル(Heritage、American VintageⅡ等)にも採用されています。
ペグは1966年頃に丸型のパドルペグへと移行になりましたが、1968年頃にまたクローバー型のペグへ再度変更となりました。しかしながらパドルペグへ変更になる前のクローバーペグに比べると、若干凹凸の少ないモデルへと変更になっています。
ピックアップは1969年頃、リアッピックアップの位置が約10mm程度ブリッジ寄りに移動されました。
上記の変更を店頭で比較できればよかったのですが、生憎執筆時点で店頭に1960年代のジャズベースの在庫がなく、何とももどかしい気持ちでいっぱいです(笑)。

1枚め:PUの距離が大体100mm程度離れていますね。60年代は90mm程度ということでしょうか。
2枚め:凹凸が少ないクローバーペグ。…ですがこちらは後述しますが交換済み。

また個人的にこの年代で好みなポイントは⇩こちら!ジョイントプレート裏のナイロン製クッションです!
こういったクッションが採用され始めるのは1973年頃から。一度マイクロティルト(3点留め)ジョイントの採用にあたり途絶えましたが、4点留めのジョイントに戻ってからは復活。その後1980年頃まで採用されていましたが、元々クッションが付いている個体、付いていない個体あったりと記録が曖昧。80年前半には完全に姿を消し、今となっては諸説あり、といったところへ落ち着いています。
こちらの有用性、必要性に関しては賛否両論といったところ。公式が明言している文献等は見つかりませんでしたが、「木材の保護」が主目的のようです。「音が良くなる」といった効果もあるようですが、「良い音」の基準も人それぞれですし、クッションの厚さやプレート本体の厚さも起因するようで、明言しかねる箇所ですね。
私自身遥か昔に試したことがありますが、その際は「確かに言われてみれば音が違う…かも…?」といった程度でした。もしかしたら別ブランドのものを試しにつけてみたりすればまた印象が変わるのかな…?という疑問は残りますが、個人的な結論としては(木材の保護のために)クッションを挟んでおく方が良さそうだなあ…。程度に考えております。
当時のFenderは量産期真っ只中。そんな中で木材保護の観点にのみ焦点を当てた(と思われる)改良ということで、個人的なこの時期一番のお気に入りポイントです。

プレート本体には特徴的な「F」マーク。
クッションには「011100 2」という表記。使用された金型の違いによって「1」「2」と分類されていたようです。

さて本個体ですが、重量や杢目からボディ材をアルダーと推察しています。1974年頃からナチュラルフィニッシュだけでなく他のカラーでもアッシュ材を採用した個体が登場する年代ですが、こちらは過渡期らしいアルダー×メイプルの個体というわけですね。総重量は3.95kgとこの年代にしては珍しく4kgを切っており、取り回しは抜群です。

ネックポケット、ネックヒールの画像です。
ネックポケットにはシムが見られますが、デイト等の記載はありません。

トップラッカーで塗装されたこの時期らしい全体的に赤みの強いサンバースト。オリジナルフィニッシュと思われますが、所々にタッチアップらしき痕跡(⇩画像1枚め)が見受けられます。またボディバックにも正体不明の付着物(⇩画像2枚め)が見られます。ケースにラッカーが反応してしまったのか、はたまた他の原因があるのか、真相は闇の中です…。

パーツ類は先述の通りペグ、そしてブリッジが交換済み。且つリフレット、リナットが施されていますが電装系に交換点の痕跡は見られず、フルオリジナルと推察しています。全体的にパーツ交換がされている個体が多い年代であることを考慮すれば、比較的オリジナル度の高い個体であると言えるでしょう。全体的に打痕等キズが多く見受けられますが、交換パーツから鑑みるに長らく大切にプレイされてきた個体であることが伺えます。現状トラスロッド、ネック共に動作問題なく、プレイヤーズコンディションの良個体です。

1,2枚めが両PU。どちらもデイト確認できず。
3枚めはキャビティ内。リアとトーンは共に「137-7405」。フロントは「1377」以降は確認できず。とはいえ交換の様子もなくオリジナルと見ています。

サウンドは70sらしくタイトな印象。しかしながら軽量さも相まって、アッシュ材の個体に比べるとズンとくるロー感よりもバランスよくミドルが鳴ってくれる1本です。メイプル指板らしい綺羅びやかさも持ち合わせており、即戦力となれるヴィンテージと言って差し支えないでしょう。

今回は以上になります。いかがでしたでしょうか?
60年代が中々手の届きにくい価格となってきている昨今、比較的安価にVintageを手に入れられる今がチャンス!
もしこちらで興味を持っていただけたのなら幸いでございます!

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イシバシ楽器御茶ノ水本店

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