サックス編
2015-05-31
今回はサックスの音質や操作性を左右する重要なパーツ=タンポ(パッド)についてお話したいと思います。
まず、現在、主なサックスで採用されているタンポについてです、タンポのメーカーは大きく分けるとイタリアのピゾーニ(L.PISONI)、フランスのシャヌー(MARTIN CHANU)、ヤマハと中国などの各管楽器メーカー製のものに分類できると思います。
上級モデルに採用されることの多いピゾーニとシャヌーはSELMERのサックスに採用されている(現在はピゾーニのみ)事でも知られています。
左からピゾーニ、シャヌー、ヤマハ、その他
サックスのタンポの構造は基本的に台紙と呼ばれる丸い紙に、中綿となるフェルト、これを包み込みこむように皮が張られ、プラスチックや金属のリゾネーター(ブースター)と呼ばれる円盤状の板でそれらを止められています(稀に例外もありますが)。
現在のタンポは皮の部分に耐腐食性を高める為、防水加工がしてあるものが主流ですが、1980年中ごろまでは防水加工はされておらず、耐久性や性能に差がありました。(SELMERのSA-80 SERIE-2から防水タンポが採用されそれから主流になりました)
実はこの防水加工があの[べたつき]の原因でもあるのですが、、、
左:防水加工無し、右:有り
また、音質を左右すると言われるリゾネーターですが、金属製の物でもニッケル、ブラス、銀など色々な金属が使われている物もあります。
余談ですがビンテージサックスでは、皮の色が白くリベット止めの物(CONN NEW WONDER)や、フルートのようにネジ止めのもの、リゾネーターに模様のある物なども有りました。
次回はこのタンポの交換時期についてお話しようと思います。
おじいちゃんリペアマンKでした