中古管楽器における「クセ」の金管楽器編です
2015-04-26 今回は中古管楽器における「クセ」の金管楽器編です。音抜けや抵抗感など前回お話した木管楽器と共通する事柄もありますが、トランペットやホルン、トロンボーンなど独自の現象について説明しましょう。

やはり金管楽器も使い込むことによって音質や操作性に様々な変化が起きてきます、例えばトランペットで言うとピストンや抜き差し管などの駆動部は、ある程度使って馴染んだ時が最良のパフォーマンスを発揮する時期なので、うまく使い込んで「慣らし」を終えた楽器を選ぶのも一つのポイントであると思います。また、ピストンのスピルやツバ抜きのネジなどの小さなパーツでさえも音に影響を与えるといわれています、それらが管体と共に経年変化を起こすことによって独特の「クセ」を作り出します。
さらに使い込んだ楽器になると音抜けしきった状態、ジャズプレイヤーなどに好まれるいわゆる「枯れ」の時期に入って行きます。音の輝きや透明感といったものを求められるクラシック音楽の世界ではあまり好まれませんので、オーケストラの映像を見るとみんなピカピカの楽器を使っていますね、この辺のことは自分の感性にあったものを選ぶことが大事だと思います。
ホルンやテナーバストロンボーンなどのロータリーバルブを装備した楽器も同様で、ロータリーはピストンのように簡単に取り出せないため、お手入れ等による磨耗はやや少ないですが、やはりそれなりの経年変化は起きてきます。磨耗したロータリーの楽器とそうでない楽器とでは操作性はもちろん、鳴り方も違ってきます。

あともう一つ、ヘコみと溶接部についてお話しておきます。
金管楽器にヘコみは付き物なのですが、特にベル部分は修理の仕方によっては音質を大きく左右します。ヘコみの場所や大きさによっては溶接を外して修正するため、ハンマーの跡や焦げ跡が残っている楽器を見かけることが良くあります。
ヘコみは通常デントロッドを当ててハンマーで叩くので、その周辺は金属が薄くなります。そのため音質が痩せる(軽くなる)事もあるので、大きな跡が残っている楽器は注意が必要です。
また、溶接し直している場合はちゃんと正しい位置になっているか、息もれがないかをチェックすることも必要です。
管楽器の世界ではこのような事をひっくるめて「クセ」と言う場合がありますので、「楽器のクセ」を気にされる方は、楽器を選ぶ際にまず、じっくり見て吹いて選ぶことが大事だと思います。
おじいちゃんリペアマンKでした。
※今回もイメージ画像が女性のイラストですが男性です。お詫び申し上げます。