マウスピースのリフェイスについて
2015-01-03 サックスプレイヤーなら一度は耳にした事がある言葉「リフェイス」
リフェイスとは工場出荷された後に調整されたものを総称して言います。
単純にリフェイスといっても、有名リフェイサーが行ったものから一般の方が行ったものまで言いますので、評価も大きく異なります。
工場出荷状態の所謂オリジナルが良いと言われますが、マウスピースのコンディション次第といった部分が最も重要です。
特にVintageマウスピースはオリジナルの見極めが難しく、使用頻度が少ないマウスピース意外は「思われる」ものが多いです。使用頻度が多いマウスピースですとリードとの摩擦によりマウスピースが削れてきますので、意図的なリフェイスか使用により削れたかを判断しにくいものも多数存在します。
(摩擦で削れているオリジナル自体、本来の性能は発揮できませんが・・・)
Vintageマウスピースはその希少性から高値で取引されておりますが、知識がなく購入してしまいますと後で大変な思いをする事がございますので、解らない事があったら一度聞いてみるのも良いと思います。
オリジナルコンディションといってもVintageマウスピース(特にラバー)はコンディションが良いものは非常に少ないです。オリジナルコンディションといってもティップからバッフルにかけて境目があいまいなものや、フェイシングバランスが崩れていたり・・・
そこで「リフェイス」の威力が発揮されるわけです。国内でも有数のリフェイサーがおります。
※下記に挙げた方々はそのごく一部です。
・Gottsuさん
・Yanagisawa島田さん(一般の受付はしておりません)
・大堀サックス研究所さん(リフェイスは受け付けていないと思います)
・M-TECさん
・石森さん(リフェイスは受け付けてないと思います)
・宮武さん
皆さんは国内でも有名なリフェイサー(マウスピース製造者)ですが、その他にもプレイヤーや、リペアマンなどにもリフェイスをしている方がいらっしゃいます。
そしてリフェイスは各リフェイサーにより工程が異なったり、考え方が異なりますので、興味がある方は一度お問い合わせ下さい。
※大堀さんや島田さん、石森さんは通常リフェイスを受けてないと思いますのでご了承下さい。素晴らしいリフェイサー(マウスピース職人)として名前を挙げさせて頂きました。
リフェイスの大まかな作業は、
●テーブル調整
●フェイシングバランス調整
●ティップ、バッフル調整
が主な調整です。
あとはオープニングサイズ変更、バッフル加工、チェンバーサイズ変更なども行ってくれるリフェイサーもいらっしゃいます。
そしてチェンバー内を調整する事によって音色をコントロールしますが、これは長年の経験が必要な作業です。
もし自分のマウスピースをリフェイスしてもらいたい場合、一番確実なのは、リフェイスしてもらいたい方がリフェイスものや製造しているマウスピースを試してみる事です。
ネット情報や巷の情報は参考程度にしておくのがベストです。
プレイスタイル、技術、楽器、ジャンルが違えば感じ方も当然違います。
自分で試してみて、好感触ならリフェイスをお願いしても遅くはありません。
リフェイスしたら元には戻りませんので、「リフェイスしないほうが良かった・・・」とならない為にも・・・ただバランスが崩れているマウスピースはリフェイスによって蘇る事が多いです。
では具体的に基本的なリフェイスをみてみましょう。
リフェイスする前と後ではどのくらい違うのか・・・
当店試奏用マウスピースをリフェイスしてみました。
まずはティップ・・・バッフルと一体感がありますね。

これはこれで吹き込んだ(押し込んだ)時、艶がでますが息が弱いと艶はでません。
そして当然音の輪郭がぼやけます。
そしてフェイシングバランス・・・ごらんの通り悪いですね・・・

この状態だと吹き心地も悪く、コントロールしにくい状態です。
このマウスピースを当店にてリフェイスしてみました。

ティップはこんな状態。抵抗感が無くなり粒立ち、レスポンスも良くなりました。
倍音が豊かになった反面、艶やかな部分は犠牲になりました。
(時間の都合でバッフルは仕上げておりませんが、本来は調整します)

フェイシング・・・均等に揃えました。吹き心地の違和感も無く均等に振動してくれます。
写真用にリフェイスしただけですので仕上げてはおりませんが、先に紹介したリフェイサーならしっかり仕上げてくれます!!(上手に!)
非常にざっくりとした説明になってしまいましたが、僅かに手を入れるだけで感触は結構異なってしまいますので、やった事がない方はいじらないほうが良いと思います。
自分でチャレンジしてみたい方はもう絶対使わないマウスピースで試して下さい。
最初は100%失敗する覚悟が必要です。というより失敗します(笑)
リフェイスで蘇るマウスピース、オリジナルよりも鳴ってくれる事も多いですが、自分のスタイルに合わない事もあります。正解はないですが、興味がある方や現在マウスピースに不満がある方は是非ご相談下さい。