ヤマハ アルトサックス YAS-62とYAS-82Zの比較

ヤマハ アルトサックス YAS-62とYAS-82Zの比較

2020-07-09 ヤマハ アルトサックス YAS-62とYAS-82Zの比較
プロモデルの愛称で親しまれているYAS-62とカスタムZモデルのYAS-82Zはどのような違いがあるのか比較してみましたので参考にしてください。
価格差は11.5万円ほどあります。

まずは全体の形状です。
YAS-62の全体像です。
このモデルは最近はヤマハのカタログなどで使わなくなりましたがプロモデルラインとしての位置付けで作られたモデルなので高級感のあるルックスになっています。
YAS-82Zとの違いは遠目では殆ど分かりませんがネック、ネックレシーバー、指貝、ロゴの刻印が主に違います。
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YAS-82Zの全体像です。
遠目ではYAS-62との違いが分かりにくいですがネックレシーバーが銀色、ベルの刻印がカスタムZになっているのが見た目の違いでお分かりになったでしょうか?
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YAS-62のネック形状です。
62の刻印が入ったYAS-62専用ネックになっています。
カスタムモデル同等の作りになっていて62刻印の違いで見分けが付く外観です。ネックレシーバーは厚みのあるイエローブラス製(真鍮)になっているので明るいコシのあるサウンドになります。
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YAS-82Zのネック形状です。
現在のモデルにはカスタムV1ネックが採用されいるのでCUSTOM V1の刻印の入ったものになっています。
ネックレシーバーは銀色に見える部分で洋白製(ニッケル、銅、亜鉛の合金)で輪郭のハッキリした立ち上がりの良い音になります。
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YAS-62の上部key形状です。
流線型のフロントFkey、連動式テーブルkey、一体座のkeyポスト、硬質ニードルスプリングと上位モデルに採用するパーツを使用しています。
白く輝く指貝は人工貝(ポリエステル)を使っています。
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YAS-82Zの上部key形状です。
ネックレシーバーが洋白を採用しているのとフロントFkeyにkeyの開きを調節できる可動式パーツが取り付けられているのでこのkeyを使用してのフラジオ音域などのピッチの微調整も好みで出来ます。
白く輝く指貝は白蝶貝を使用しているので長く使用すると角が取れて手に馴染むようになります。
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YAS-62の下部形状です。
HighF#key装備、U字管と2番管のネジ止めU字管補強板、LOW keyガードの開き調整ネジなど上位クラスに装備されるパーツがしっかり取付てあります。
彫刻は花柄の豪華な彫刻が施されています。ベルは2枚取が採用されています。
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YAS-82Zの下部形状です。
YAS-62と同様のパーツが取り付けられています。
ベルは1枚取になっていて高度な加工技術を持った職人さんがハンドハンマーで整形していくので2枚取の機械整形に比べると立ち上がりが良く味わいのある響きになります。
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YAS-62の下部の裏の形状です。
ベル彫刻、装飾されたkeyガード、2点式ベル支柱、可動式サムフックと上位クラスのパーツが採用されています。
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YAS-82Zの下部裏側の形状です。
YAS-62と同内容のパーツですが2点式のベル支柱の形状が円形(楕円)になっていてジャズサックスで人気の高いセルマー、マーク6も円形状なのでジャズに向いたサウンドにはこの形状が合うのかもしれません。
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YAS-62のストラップフック掛け、テーブルkey、タンポ取付状態です。
ストラップフック掛けリングはイエローブラス製が採用されているので明るくナチュラルな響きになります。
タンポの中央にはプラスチックリゾネーターが採用されているのでナチュラルな反射音になります。
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YAS-82Zのストラップフック掛け、テーブルkey、タンポ取付状態です。
ストラップフック掛けリングは洋白製で大き目のサイズが採用されているので輪郭がハッキリしたサウンドになるのと様々なストラップが使用出来ます。
タンポの中央にはメタルリゾネーターが採用されているので倍音がハッキリした輪郭のある反射音になります。タンポの革のグレードもYAS-62に比べ上質な素材を採用しています。
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YAS-62のパームkey、オクターブkeyシステム、ネックとの連結形状です。
現在主流のオクターブkeyシステムを採用しているのでスムーズな動きです。
パームkey(手のひらで操作するkey)も日本人の手に馴染む形、角度で操作しやすい形状です。
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YAS82Zのパームkey、オクターブkeyシステム、ネックとの連結形状です。
YAS-62とほぼ同じパーツと形状ですがオクターブkeyパーツの中のシーソーkeyは洋白が採用されています。
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YAS-62のベル彫刻模様です。
現行モデルは花弁の先が丸い花の彫刻が施されています。
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YAS-82Zのベル彫刻模様です。
現行モデルは花弁の先が尖った花びらの彫刻が施されています。
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YAS-62とYAS-82Zの比較のまとめ

ネックが違う!
YAS-62は62刻印が入ったYAS-62専用ネックになっていてYAS-82Zは現行モデルはオプションでも販売されているV1ネックが装備されています。
YAS-62のネックとYAS-82Zのネックを入れ替えて吹き比べてみると62ネックはあまり癖の無いオールマイティーなサウンドでクラシック、吹奏楽、ジャズと何でもOKな性質に感じます。
V1ネックは鳴りが良く強弱を付けやすい性質を持ったネックに感じます。

フロントFkeyが違う!
YAS-62は現在主流の流線型を採用して押さえやすい形状を採用していますがYAS-82Zはさらにその形状でHighFの開き加減を微調整出来る可動パーツが付けられているのでフラジオ音域の音程等を好みに調整することが出来ます。

ネックレシーバーの材質が違う!
ネックレシーバー、ストラップフック掛けリング、オクターブのシーソーkeyがYAS-62はイエローブラス製なのに対してYAS-82Zは洋白製を採用しています。
洋白の響きは音にツヤや輪郭の明確さを与える素材なので微妙ですがその差が出ます。

ベル加工が違う!
YAS-62はベルの緩やかに膨らむ部分と朝顔のように開く部分の2つのパーツを繋いで作られています。
YAS-82Zは銀杏の葉の縦長の金属を輪に繋いで高い技術を身に着けた職人さんがハンドハンマーで整形して作るので手間暇とコストがかかるので価格にも反映されてきます。音にはこちらの方が味わいのある音になります。

タンポのリゾネーターが違う!
YAS-62はプラスチックリゾネーターを採用しているので癖の無いオーソドックな反射の響きになります。
YAS-82Zはメタルリゾネーターを採用しているので倍音が多く、輪郭のハッキリした反射の響きになります。
これは音の好みの問題でメタルの方が上と言う訳ではなくメーカーがモデルにどういったキャラクター付けをしたいかで決めているようです。タンポの革自体の質はYAS-82Zのタンポの方が上質なものを採用しています。

音が違う!
上記の違いからYAS-62はプロが使用しても十分なクオリティーを持った楽器で癖の無いオールマイティーな楽器でクラシック用のマウスピースを使えばクラシック向きのサウンド、ジャズ向きのマウスピースを使えばジャズ向きの音を出しやすい楽器になっているので色々なジャンルを楽しみたい方にお奨めです。
YAS-82Zはヤマハで付けるモデル名のZはジャズを意味しているのでジャズに向いた味付けがされています。クラシックの歌い方とジャズの歌い方が違うように求める音質、強弱、奏法による音色の違いもクラシックとジャズでは求めるものが違ってきます。
YAS-82Zはジャズの奏法にとても良く合う立ち上がりの良さ、倍音、強弱、音色変化を持っているのでジャズ系を吹きたい方にはこちらがお奨めです。
今回は具体的な違いを比較していませんがYAS-82Zにはモデルバリエーションが多く、ラッカー仕上をしないアンラッカーモデルは柔らかでナチュラルな音、HighF#keyを敢えて付けないモデルはパーツ点数とトーンホールの数が減ることで鳴りが良く、フラジオ音域の当たりも良くなるなどご自分の出したい音に合わせた選択も出来ます。

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