VINTAGE SHOWCASE #case2 Early Buffet Crampon inD【女子】
2016-09-27 はーーー秋だわ。とぼんやり感じ始めていた今日この頃、
本日突然の猛暑に襲われひとり大混乱、どうも渋谷WEST杉崎です。
※秋だし久々にヴィンテージのブログなので
おとなしめのテンションで書いてみようと思います※
そんなこんなでようやく2回目のVINTAGE SHOWCASE!!
(長らく魔法シリーズにお付き合い頂き、ありがとうございましたまたいつか)
なんと渋谷WESTに見たことのない謎のクランポンのサックスが入荷しました。

???アルトサックス??????
違うんです!!!

買取でお持ち込み頂いたのですが、
スタッフ全員大混乱致しました。
取調べを致しましたところ、なんとD管!!!
素材はニッケルぽいですが、当時はニッケルと銀であまり大きく区別されていなかったかもしれません。
1881年製(約135年前)の個体で、Early Buffet Cramponと呼ばれているモデルだそうです。
サクソフォンは1846年にアドルフサックスによって初めて作られました。
20年後の1866年にビュッフェ・クランポンがサックスの製造を開始し、
このEarly Buffet Cramponが誕生したと思われます。

現在の大手サックスメーカーはSELMERが有名どころかと思いますが、
セルマー・パリ社が創業されたのが1885年、最初のセルマーサックス「モデル22」が完成されたのが1922年。
お気づきでしょうか。。。
SELMERよりもBuffet Cramponが先にサックスを作っていたんです!
この楽器が作られた1800年代はいわゆるロマン派の時代になりますが、
大規模な管弦曲が増え始め、不協和音を使った曲がちょっとしたブーム(?)になり、
そして管楽器をもっと使おうよ!!と作曲家たちがこぞって楽器法の開発に勤しんだことが特徴かと思います。
(全ての特徴を語ったらきりがないのでこんな感じでお許しを。。)
管楽器をもっと使おう運動があったこと、新しい和声が多く使われ始めたことなどで
さらなる音楽の発展・楽器の発展を見据えてビュッフェはこの楽器を作ったのでしょうか。
なぜそれがあえてD管だったのかは分かりかねますが、謎が多いところもまたロマン。。
前置きが長くなりましたが、ざっと取調べ結果をここで発表させて頂きます。
クラリネットで有名なビュッフェ、クラっぽい構造がたくさん使われていました。
まず左手主鍵列にはB♭キィとフロントキィがありません。

最低音はBで、通常のサックスよりLowキィがひとつ少ないです。
ベルがなんか短足というか。。かわいい。。。

今で言うテーブルキィはとってもクラリネットのレバーっぽい。。。

Low C#キィはU字管の内側に隠れるようにいます。照れ屋さん。。。///

サイドキィは現行のモデルはレバーとキィが連動して動くのが一般的かと思いますが、
これはびゅーーーんヾ(゚Д゚)ノ゙と1つのパーツになっています!

パームキィ等レバーで操作するキィは管体に高めの台座?のようなものがついていて、
そこにレバーを当てることで開きを決めているみたいです。

Low C、Low E♭はキィガードにぼわんとしたコルクが付いていて、
そこにキィがあたることで開きが決まるようです。


でも右手主鍵列のバランスや開きのとり方は今の設計と変わらない。。

ネックも曲がり方がすっごーく浅いです。

そして!!最高にCOOOOL!!なのが!!!
オクターブキィ!!!

もろレジスターキィっぽいーーーー!!!
しかも2つあるーーーー!!!!!(興奮)
恐らく仕組み的なのはいまのサックスと同じで、
第一オクターブキィ、第二オクターブキィ的な分かれ方だと思います。
なので、オクターブを押したソの指までは左側のオクターブレバーを操作して、
ラの指から右側のオクターブレバーを操作します。多分。杉崎の取調べ結果なので間違ってたらすみません。
ざっとですがこんな感じです。マウスピースはアルト用で対応ができました。
ピッチはまさかのA=457Hzのハイパーハイピッチ。
この楽器は、正直今の音楽を演奏しようと思ってもなんか違うというか操作性など考えても無理な楽器だと思います。
音色も今の楽器と同じように吹いてもなんのいい音もしません。
現に杉崎が吹いてもぴぇ???(@゚ー゚@)って感じのあほみたいな音でしたが、音を知ってる方はめちゃめちゃいい音出してました。
これだ!!!!!!って感じでした。
古い音楽を演奏する方や、
音楽家(決してプロという訳ではありません)の方が持つべき楽器なんだと思います。
(個人の感想なので悪しからず。。汗)
尚、これだけ書いておいて最後にこんなこと言うのは悪意があるように思われるかもしれませんが、
販売は行っておらず、渋谷WESTでの展示のみとさせて頂いております。
だって博物館級の楽器なんですもん。。。(上目遣い)
もちろんは試奏はOK(>▽<)bですが、未調整の状態となりますのでご了承下さい。
杉崎がシリーズ化させようとしているVINTAGE SHOWCASEいかがでしたでしょうか。
今夜もご静聴ありがとうございました。。。