猛暑注意報!本当にあった暑さによる管楽器のトラブルあれこれ
2015-07-25
お暑う御座います。楽器の調子はどうですか?
人間だけでなく楽器にとってもこの連日の猛暑は危険なものがあります。
今回は今まで私自身が見てきた暑さによる様々な楽器のトラブルをお話します。
以前、楽器をケースに入れたまま暑い場所に置いておくと油脂類が抜けてしまうということをお話しましたが、詳しく説明すると、まず金管、木管問わず様々な箇所にオイルやグリスが入れてあるのですが、これらが暑さによってさらさらになり、楽器に付着したりケース内に流れ出てしまう現象が起こります。
こうなるとキィノイズが発生したり、抜き差し管やチューニングスライドの動作を悪くすることがあります。
さらに怖いのは、この状態で放置しておくとサビが出て完全に固着して分解できなくなり、修理するときに溶接を外すなどの大手術となって修理代が張ってしまいます。
また、日本の夏の暑さは湿気とセットになっているので、この「サビ」にも注意が必要です。
サックスやクラリネット、オーボエなどでキィのバネに鋼バネが使われている物は、サビやすいので注意が必要です。
キィメカの奥はホコリがたまりやすく、たまったホコリが湿気をため、バネをサビやすくします。
それと同様に、「カビ」「臭い」などのトラブルもこの時期よく起こります。毎日のメンテナンスを怠らないでください。
さらに一部のメーカーのケースで起こったことですが、内張り布の接着剤の成分が気化したためか、楽器表面にそれが付着し全体がベタベタになるというトラブルも起きています。
特にカラーラッカー仕上げの楽器は、表面がやわらかい物が多く熱に弱いので要注意です。
(焼付け塗装してあるクリアラッカー、ゴールドラッカー、またメッキは大丈夫です)
楽器の保管場所は部屋の中でもなるべく涼しい所へ、車の中や物置なんてもってのほかです。
もし異変に気づいたら早めにお店に持っていきましょう。
夏バテがひどいおじいちゃんリペアマンKでした。
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