皆様こんにちは!イシバシ楽器 御茶ノ水本店のフクダです!
PRSギターといえば、美しい杢目を活かしたトップ材や完成度の高いサウンド、そして高い品質管理による安定した仕上がりが魅力のブランドです。その完成度の高さから、プロミュージシャンはもちろん、多くのギタリストに支持されています。
しかし、PRSの魅力は見た目やサウンドだけではありません。実際に手に取ったプレイヤーからは「とにかく弾きやすい」「自然と手に馴染む」といった声も多く聞かれます。
その演奏性を支えている重要な要素が「ネックパターン」と「フレットワイヤー」です。同じPRSであってもモデルごとにネックシェイプやフレットサイズが異なり、握り心地や演奏時のフィーリングに大きな違いが生まれます。
実際に店頭でも、 「PatternとPattern Thinはどう違うの?」 「Silver Skyの635JMネックってどんな弾き心地?」 「フレットサイズによって弾きやすさは変わる?」 といったご質問をいただくことが少なくありません。
そこで今回は、PRS公式資料をもとに現行モデルで採用されているネックパターンの特徴や寸法の違い、さらに演奏性に大きく関わるフレットワイヤーについて詳しく解説していきます。
これからPRSの購入を検討されている方はもちろん、すでにPRSをお持ちの方にも参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください!
PRSの「Pattern」とは何を意味するのか?
現在のPRSでは「Pattern」「Pattern Thin」「Pattern Vintage」などの名称が使われていますが、この「Pattern」という言葉には少し面白い背景があります。
英語のPatternには「型」や「設計図」といった意味がありますが、特に革靴業界では足の形を作るための木型(ラスト)を指す際にも使われます。 職人が木型をもとに履き心地やフィット感を追求するように、PRSもネックシェイプを演奏者との接点として非常に重視しています。
実際にPRSではネックを単なる「太い」「細い」ではなく、それぞれ異なる設計思想を持つパターンとして分類しています。 Custom 24のPattern Thinと、McCarty 594のPattern Vintageでは握り心地が大きく異なり、サウンドや演奏スタイルに合わせて最適化されています。
革靴の世界で木型が履き心地を決定する重要な要素であるように、PRSではネックパターンが演奏性を決定する重要な要素となっています。ネックシェイプの名称に「Pattern」という言葉が採用されているのは、単なる寸法ではなく設計思想そのものを表しているとも言えるでしょう。
PRSネックシェイプ寸法比較表
PRSのネックは「太い・細い」という言葉だけでは表現しきれません。 実際の寸法を比較することで、それぞれのキャラクターが見えてきます。表にまとめてみましたので、ご覧ください!
| ネックシェイプ | 代表モデル | ナット幅 | 1F厚み | 12F厚み | 印象 |
|---|---|---|---|---|---|
| Pattern Thin | Custom 24 / CE 24 | 42.85mm | 21.03mm | 22.60mm | 幅広肉薄ネック |
| Pattern Regular | Bolt-OnモデルやS2シリーズなど | 42.06mm | 21.41mm | 23.39mm | 幅狭肉厚ネック |
| Pattern | Modern Eagle V / Special Semi-Hollow etc | 42.85mm | 22.22mm | 24.20mm | 幅広肉厚ネック |
| Pattern Vintage | McCarty 594シリーズ | 42.85mm | 22.22mm | 24.99mm | PRSのネックパターンで最も太め |
| 635JM | Silver Sky | 41.28mm | 21.03mm | 24.58mm | ヴィンテージ系 |
| DGT | DGT | 42.06mm | 21.41mm | 24.20mm | 太めのグリップ感 |
| Chleo | Chleo | 44.45mm | 18.26mm | 20.64mm | 非常にワイドかつ薄め |
| Dustie Waring | Dustie Waring CE | 42.85mm | 20.62mm | 22.22mm | モダンメタル向け |
| NF 53 | NF 53 | 41.67mm | 22.22mm | 24.58mm | ヴィンテージギターを意識したしっかりめのグリップ |
| Fiore | Fiore | 42.06mm | 21.41mm | 24.58mm | ボルトオンらしい自然な握り心地 |
| Myles Kennedy | Myles Kennedy | 42.06mm | 21.41mm | 23.39mm | Pattern Regularベースの扱いやすい設計 |
・最も薄さを感じる → Pattern Thin
・最も太さを感じる → Patten / Pattern Vintage
・ヴィンテージギターに近い → 635JM
・ブルース~ロック向き → DGT
・モダンなテクニカルプレイ向き → Chleo、Dustie Waring
特にSilver Skyの635JMはナット幅こそ狭めですが、ハイポジションに向かって厚みが増すため、数値以上にしっかりとした握り心地があります。 一方でDGTはPattern Regularに近いナット幅ながら、全体的に厚みを持たせることで力強いグリップ感を実現しています。
近年人気のNF 53は、数値上は太めながら手に馴染みやすく、ヴィンテージスタイルのプレイヤーから高い評価を得ています。 一方でFioreはモダンな演奏性とボルトオンらしい自然なフィーリングを両立したネックシェイプを採用。 またMyles KennedyモデルはPattern Regularに近いバランスの良さが魅力で、ジャンルを問わず扱いやすい印象です。
自分に合ったネックの選び方
- 太めのグリップ感なら「Pattern」
- 握りやすさ重視なら「Pattern Regular」
- 速弾きやテクニカルプレイなら「Pattern Thin」
- ヴィンテージギターが好きなら「Pattern Vintage」
PRSのフレットワイヤーとは?
フレットは弦を押さえる金属部分ですが、実はサイズや形状によって演奏感が大きく変わります。 PRSではニッケルシルバー製フレットを採用し、耐久性・音質・演奏性のバランスを重視しています。
また、多くのCoreモデルではフレット頂点が比較的フラットに整形されており、快適なフィーリングと正確なイントネーションを実現しています。
PRS主要フレットワイヤー比較
| 種類 | 幅 | 高さ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| PRS Standard | 0.104″(約2.64mm) | 0.047″(約1.19mm) | バランス重視の標準仕様 |
| PRS Medium | 0.085″(約2.16mm) | 0.045″(約1.14mm) | やや細身で繊細なフィーリング |
| PRS Jumbo | 0.110″(約2.79mm) | 0.055″(約1.40mm) | チョーキングしやすく存在感がある |
| PRS Vintage | 0.110″(約2.79mm) | 0.050″(約1.27mm) | フラットな頂点を持つヴィンテージフィール |
| PRS SE Standard | 0.104″(約2.64mm) | 0.046″(約1.17mm) | SEシリーズ標準仕様 |
| PRS SE Medium | 0.094″(約2.39mm) | 0.047″(約1.19mm) | SE向けミディアムサイズ |
| PRS SE Jumbo | 0.110″(約2.79mm) | 0.055″(約1.40mm) | 高い演奏性を重視 |
数値を見ると幅の違いは0.2〜0.6mm程度ですが、実際の演奏感は想像以上に変わります。特にJumboフレットは高さがあるためチョーキングやビブラートがしやすく、逆にMediumやVintage系はコードワークとの相性の良さが魅力です。PRSはモデルコンセプトごとに最適なフレットワイヤーを採用しているため、ネックシェイプと合わせて注目してみるのがおすすめです。
フレットワイヤー採用モデル例
| フレットタイプ | 採用モデル例 | 特徴 |
|---|---|---|
| PRS Standard | Custom 24、CE 24など | 最も標準的な仕様 |
| PRS Medium | 一部McCarty系モデル | ヴィンテージライクなタッチ |
| PRS Jumbo | DGTなど | チョーキングしやすい |
| PRS Vintage | McCarty 594シリーズなど | ヴィンテージフィール重視 |
フレットサイズによる違い
- チョーキングやビブラートがしやすい
- 軽いタッチでも音が出しやすい
- 現代的なプレイスタイルに人気
- コードプレイとの相性が良い
- 自然な押弦感
- ジャンルを問わず使いやすい
まとめ
PRSのネックシェイプは単純な「太い」「細い」という違いだけではなく、それぞれのモデルコンセプトやプレイヤーの演奏スタイルに合わせて設計されています。 Pattern Thinのスリムでモダンなフィーリング、Patternの王道とも言える安心感、Pattern Vintageのファットなグリップ感、そしてSilver SkyやDGTに代表されるシグネチャーモデル独自の握り心地など、それぞれに明確な個性があります。
また、フレットワイヤーも演奏性を左右する重要な要素です。 フレットのサイズや形状が変わるだけで、コードプレイ時の押弦感やチョーキングのしやすさ、さらにはプレイヤーが感じる弾き心地そのものにも大きな違いが生まれます。
PRSが多くのプレイヤーから高い評価を受けている理由のひとつは、こうした細かな仕様まで徹底的に作り込まれている点にあります。 サウンドやルックスだけでなく、「手に触れる部分」へのこだわりこそがPRSらしさと言えるでしょう。
もしPRS選びで迷った際は、ぜひネックシェイプやフレットサイズにも注目してみてください。 スペック表ではわずかな数値の違いでも、実際に手に取ると想像以上に大きな差として感じられることがあります。 きっとご自身のプレイスタイルにぴったり合う1本が見つかるはずです。
PRSはモデルごとの個性が非常に明確なブランドです。特にネックシェイプはカタログスペックだけでは伝わりにくい部分でもあります。気になるモデルがありましたら、ぜひ実際に握り比べていただき、自分の手に最も自然に馴染むPRSを見つけてみてください。サウンドだけでなく弾き心地にも目を向けることで、より長く付き合える最高の1本に出会えるはずです。
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