新入社員中垣のジャズ道場 No.3

イシバシ楽器スタッフブログをお読みの皆様、こんにちは!梅田店エレキフロアの中垣です。すっかり夏ですね。家のギターの湿度管理が大変な季節がやってきました。私は家に部屋干し用の除湿乾燥機を部屋の調湿のために導入しているので雨の日などは特に回しっぱにしていますが、あっという間にタンクが満杯になるのでびっくりしてしまいます…。

さて、店頭でこんなにギターを取り扱っておきながら第1回、第2回とギターが全く登場しないアルバムを紹介してきましたが、今回こそはジャズギターの名盤をご紹介します!

アルバム紹介その3 『The Incredible Jazz Guitar of
Wes Montgomery』

今回はジャズギターの開祖的な存在であるWes Montgomeryのアルバム、通称「インクレディブル」をご紹介します。名前の通り、まさに “Incredible” =信じられない ジャズギターを聴くことができる一枚です!このアルバムを紹介する前に彼が活躍する時代の情報を…

そもそも…ロックというジャンルの中では王道中の王道を征くギターという楽器ですが、実はジャズの歴史の中でギターが活躍するのは比較的新しい時代になります。その理由としてはギターが出せる音量が管楽器やドラム、ピアノなどの古典的な楽器と比較して極端に小さいことが挙げられます。そのため古いジャズギターでは単音弾きは音量的に困難だったため「四つ切り」と呼ばれるコードを四分音符でジャッジャッと演奏していくスタイルが基本でした。ジャズにおけるギターとは、即ち伴奏専門の楽器だったわけです。(ちなみに、ジャズギターで太い弦を張る慣習があるのは元は生音で大音量を出すためであったと言われています。)

しかしアンプ、そしてエレキギターという画期的な技術が開発されたことによりギターはドラムや管楽器に負けない大迫力の単音を出すことができるようになったのです。そんな時代にリード楽器としてのジャズギターの道を切り開いたギタリストの一人が今回ご紹介するウェス・モンゴメリーです。

それではアルバムの紹介へと参りましょう。アルバムに収録されている楽曲は全8曲。

A面
Airegin
D-Natural Blues
Polka Dots and Moonbeams
Four on Six

B面
West Coast Blues
In Your Own Sweet Way
Mister Walker
Gone With the Wind

アメリカの古いポピュラーミュージックやウェスによるオリジナル曲、また他のジャズマン作曲の楽曲を収録しています。先日(2026年5月25日)亡くなった伝説的なテナー・サックス奏者、ソニー・ロリンズの楽曲を一曲目に収録しているのも時事的に特筆すべき点ですね。

アルバム全体を通してウェスのブルース感満載のプレイが楽しめる一枚です。ウェスのプレイの良さは歌心に溢れているところで、フレーズごとに息継ぎをするような間があります。それが管楽器のようでありブルースシンガーのようでもあり「ジャズギターって速弾きがすごいんでしょ?」的なイメージを持ったまま聴くとその歌心のカッコよさにかなり驚かされ、シビれます!ジャズを始めたばかりの私はそんな感想を抱きました。

また、彼のソロは展開がわかりやすいこともおすすめポイントの一つです。単音で呟くようなフレーズからソロが始まり、オクターブ奏法を駆使した重厚なメロディーを奏で、最後にはコードプレイングで盛り上げ切る!そんな三段落とし的なプレイがウェスの定石になっていますが、これが単純ながらなんとも痛快。自然とソロに引き込まれるような感覚があります。ちなみにオクターブ奏法はウェスの代名詞的な奏法で、メロディーを弾くときに1オクターブ違いで低音と高音両方鳴らすプレイングです。ロックで多用されるパワーコードにもよく似ていて、メロディーに特有の重厚感を与えることができるのが特徴です。

おすすめはA面4曲目の「Four on Six」。ギタリストらしいシンプルで渋いリフで始まり、ソロでは三段落としが炸裂しウェスの歌心に圧倒されます…。ブログ執筆にあたり改めて聴き直してみましたがやはりアツい演奏だなあと思います。短いドラムソロの後にリフに戻るクールさはまさにギターヒーロー!プレイ面でも楽曲面でも楽しめますね。この曲はウェスのオリジナルであり、また彼を象徴する一曲でもあります。パット・マルティーノや渡辺香津美、リー・リトナーなどの後の時代のジャズギタリストたちが取り上げて演奏しているテイクもあり、ウェスの影響力の大きさが伺えます。(余談ですが私も大学時代、部内のライブや個人的な活動でやったライブなどでこの曲を幾度となく取り上げてきました。とってもいい曲です。)

このアルバムではA面3曲目の「Polka Dots and Moonbeams」、B面2曲目の「In Your Own Sweet Way」のバラードが収録されているのも聴きどころです。スローなテンポの中で自由に歌い上げるウェスのプレイに引き込まれてしまいます。収録されている楽曲それぞれに個性があってそれぞれを引き立てあっているのもこのアルバムを聴きやすい名盤に仕上げているポイントですね。

個人的にかなり好きなアルバムなのでつい私情が入った文章になってしまいましたが、この一枚なしにジャズギターは語れないくらいの名盤ですので御堪忍ください!ジャズギターを全く聴いたことのない方、フュージョンは聴くけどトラッドなジャズは聴かないなあという方に特にオススメです。ジャズギターの雰囲気を味わっていただけると思います。ただし!イシバシ楽器は楽器店ですのでこのアルバムを取り扱ってはいません…。各CDショップやサブスク等でアクセスできる思いますので、ぜひそちらで聴いてみていただいて、感想はぜひ梅田店の中垣まで!店頭にてお待ちしておりますv^^

(おまけ)オススメ機材紹介のコーナー!!

今回はイシバシ楽器の強みである豊富な中古商材の中からオススメの一本を紹介いたします。(注:中古商品は一点ものでございますので本ブログに掲載されていても販売完了となってしまう場合がございます。あらかじめご了承ください。)

【中古】Epiphone / EMPEROR-J Vintage Sunburst 1999年製

今回紹介するのは日本製Epiphoneの高級フルアコ、EMPEROR-J。Gibson L-5をもとに作られた一本で、まさに王道ジャズギター。なにも弄らずサッとアンプに繋いだだけでザ・ジャズサウンドを奏でることができます。サウンドキャラクターはジャズギターらしく中音域が特に豊かであることは勿論、フルアコらしいアコースティックライクな明るい響きも持ち合わせている印象です。弾いているとフレーズが湧いてくる!そんな一本です。また、特筆すべきはその装飾。ポインテッド・エンドと呼ばれる形状のネックエンドや、豪華な見た目が目を引くゴールドパーツ、ヘッドや指板の高級感あふれるインレイなど高級志向の装飾が施された一本です。

ゴールドパーツやポインテッドエンドがかっこいい…!

Vineインレイもかっこいい…!

ブロックインレイはもはや神秘性すら感じます…。

実は、今回取り上げたウェス・モンゴメリーはGibson L-5の使い手として有名です。ウェスに憧れるならぜひL-5を、と言いたいところですが、現行品では製造されておらず、中古品でも100万円を超える価格で取引されており、なかなか手が届きにくいのが現状です。一方Epiphone EMPEROR-Jなら、L-5の見た目と王道ジャズトーンを現実的な価格で手に入れることができます。プロ仕様のサウンドとルックスをぜひ!

店頭は勿論、当店オンラインショップからのご購入も可能でございます。詳細リンクはこちら↓




これからジャズギターを始めてみたい、というお客様!!ぜひ梅田店中垣までお越しください!お客様のお好きなスタイルなどお伺いしながらおすすめの一本を選ばせていただきます。店頭にてお待ちしております!!

この記事を書いたひと…

エレキ担当 中垣 塁登(なかがき るいと)
2003年生まれ 神戸出身
高校入学を機にギターをはじめる。
大学生のときにジャズにのめり込み、挙句に留年…。
2026年春からイシバシ楽器に入社、梅田店にて勤務中!

店舗情報

イシバシ楽器梅田店

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