皆様こんにちは！御茶ノ水本店 ベースフロア担当 ウスイでございます！
最高気温は30度を超えていますが、すでに秋の陽気を感じている今日この頃。私は天候不良による低気圧でダウン寸前ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか！
さて今回ご紹介するのはこちら、いわゆるプレイヤーズコンディションのちょっと珍しい一本です！
FENDER USA / 1981 Precision Bass Cherry Sunburst
¥298,000
インターナショナルカラー、「チェリー・サンバースト」に身を包んだプレシジョンベースです！
さて、「インターナショナルカラー」とはなんぞや？と思った方もいるかと思いますが、こちらは1981年、USA製のみ限定で展開されたカラーリングです。他には「Morocco Red」「Maui Blue」「Monaco Yellow」「Capri Orange」「Sahara Taupe」「Arctic White」「Cathey Ebony」の合計7色を展開しており、さらに「Cherry Sunburst」「Sienna Sunburst」が追加されました。特に前半ご紹介した7色は「セブンスカラー」と呼ばれ、マニアの中では今でも人気を博しています。現行品の中では「Arctic White」カラーがベース、ギター両方で展開されていますので、目にされている方も多いのではないでしょうか。2022年にTraditionalシリーズの限定モデルとして発売されたのも記憶に新しいですね。
今回入荷したのはCherry Sunburstカラー…なのですが、商品として販売するにあたってかなり難航しました。というのもSienna SunburstとCherry Sunburst、色味がほぼ変わらないので判別にかなり苦労したんですね…笑。比較対象となるような現物も在庫しておらず、最終的にはパソコンに映る画像を吟味し、シエナならもう少し茶色みがかっているのではないかという結論に達しました。
それでは本機の詳細に移りましょう！
ヘッドに記されたシリアルは「S887633」。頭文字の「S」は当時「セブンティース」の意味を持っており、この部分だけ見れば1978年製とも言えそうです。しかしながら当初「1978年製」の意味を持っていたこの表記は1978年以降も継続して使用されており、この部分だけで年式を特定することは難しいのが現状。またネックには年式を特定できるようなスタンプや表記は確認できませんでした。
ヘッドとネックポケットには同じシリアルが確認できます。（ポケットはシールですが…）
ネック裏にはスタンプなし。接着部には2017年まで活躍した伝説的ネック職人「H.GUSTELUM」のスタンプが確認できます。
次は電装系です！
ピックアップは年代通りグレイボビン。スポンジが固着しておりデイトは確認できませんでしたが、交換の形跡はなくオリジナルかと思われます。
ポットデイトはボリューム側が「1378106」、トーン側が「1378734」。ボリューム側は交換の形跡もなくオリジナルと判断いたしましたが、トーンポットは同じCTS製の87年製のものに交換されています。総合するとこちらも基は1981年製と言えそうです。またコンデンサーも交換されており、ルックスから推察するにドイツ拠点を置くERO社製「F1773」と思われます。
どちらもスポンジ固着によりデイトは確認できず…。
少し画質が粗いですが、左がVolポット（1378106）、中央がToneポット（1378734）です。コンデンサは海外でも評価の高いモデルのようです。
またリフレット、リナット及びそれに伴う指板修正が施されており、指板Rが9.5に近いなだらかな形状になっております。また指板修正に伴いオーバーラッカーがボディ、ネック裏に施されていますね。これらのおかげでプレイコンディションはバツグンです！
トラスロッドは締める側に約半周程度の余力を残しており、年代を考えれば十分と言えるでしょう。
サウンドは非常にクリアなミドルが特徴。若干硬さを感じる膨らみ方ですが、オーバーラッカーのおかげでしょうか。これからまだまだ育つような感触があります。アタック感もほどよく強く、レスポンスも速さ、質共に優秀。アッシュを採用されているとは思えない軽量さ（4.24kg）も相まって、良い意味で70年代を感じないまさに優良物件といえる個体でしょう。しかしながら当然ローが出ないなんてこともなく、程よいバランスを感じられるサウンドです。
今回は以上になります。ヴィンテージ品の高騰が止まらない昨今、お手頃価格で変える70ｓや80ｓに興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか？
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