「大正生まれ」の戦前モデル 1921年製 Martin O-18をご紹介!
2015-07-14 日本では古くから、食器などを筆頭に使い込んだ道具を「味がある」とする独自の美的意識があり、その物が培った個性を「良い」モノとして情緒を楽しむ日本人特有の文化であると言えます。その昔安土桃山時代の目利きである名茶人たちは、割れてしまい破片を繋ぎ合わせて修理した高名な器の様を「わび」と評し、その器がもつ「良さ」を損なうものとせず「味がある」器としてより重宝されていたと言われております。
日本的でとてもロマンあふれるセンスですが、今回ご紹介したい楽器もまた同じように深い「味のある」ギターと言えるでしょう。

【Vintage】Martin マーチン /1921年製 O-18 /【S/N 15928】
販売価格 698,000円 (税込)
日本はまだ大正時代である1921年製、ロゴがヘッド裏の刻印されたバックスタンプ時期のプリウォーマーチギター「0-18」です。

本機は12フレットジョイントボディとスロテッドヘッドの組み合わは当時の定番のスタイル。
トップにアディロンダック・スプルース、サイド・バックにマホガニーを、それぞれボディ材に使用したマーチンを代表する18スペックの小振りな「0スタイル」モデルです。

ナイロンギターと同様のスロテッドヘッドは、1934年に14フレットジョイントモデル「D-18&D-28」が発表されるまで、マーチンギターの定番スタイル。
本機の魅力を語るうえで一番ピックアップしたい特徴としては、トップ材のアディロンダック・スプルースでしょうか。
本機のアディロンダック・スプルースは今現在流通している同木材とは異なり、「導管」の間隔が狭く、木目が引き締まったこの当時特有の木材。
引き締まった木目の印象どおりレスポンスの良い、より明るいウッドトーンが特徴の良材と言えます。

経年変化で全体的に退色しているが、きめ細かい木調に淡いベアクロー杢が出ており絶妙に「味のある」ルックスです。
音質はオールドギターらしい乾いたサウンドキャラクターながら、ソフトタッチでも確かな音量がボディ全体に響いてくれており、また12Fジョイントのボディの持つのふくよかな低音もこのギターの魅力でしょう。
長年使い込まれてきた本機のボディには、多くのクラック修正痕が散見する使用感のある状態で、ボディの両サイドには大きなクラック&傷のリペア痕が存在します。


ボディサイドの散見するクラック修正痕。古いギターの持つ歴史を感じさせてくれます。
落下など大きな衝撃があったのでしょうか、裂傷した箇所は今も見て判別できるほどですが、丈夫に修正されており良好な状態を保たれております。

パーツの交換箇所、ブリッジやフィンガーボードの修正などもあり、「コレクターコンディション」とは言い難い状態ではありますが、このギターが楽器としての状態を保っている最大の理由は「音の良い」素晴らしいギターとである事に他無いかと思います。
多くの困難(傷)を負いながら、生まれてから90年以上経った現在は当店に居てくれているのかと思うと、感慨深いモノがありますね。
まだまだ何十年先にも弾きたくなるロマン溢れる風情、そんな「味のある」ギターです。

また現在渋谷店では「MARTIN PREMIUM SELECTION」を開催中!2015年リミテッドモデルなど今しか見られない希少モデルも多数展示!今回ご紹介したギター以外にも、国内では僅少なカスタムショップモデルなどを多数取り揃えております。

さらに期間中本商品をお買い上げの場合、ショッピングローンが36回払いまで無金利のキャンペーンを実施中!!
お問い合わせはイシバシ楽器渋谷店アコースティックギターフロアまで
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