「”景色”と”感情”」

みんな元気かい？

かなり寒くなってきたけど風邪なんかひいていないかい？オレは風邪もバッチリ治って、なんか今心身共とても絶好調だぜ！風邪ひいてから完全復活まではなんだかんだ2週間はかかったかなぁ。やはりバランス良い食事と運動と睡眠だね。肝に銘じて2009年も駆け抜けよう！2009年も忙しそうだぜ！レッツ残高照会！

さぁ、コラムも今年最後の回になったね。前回はツアーのことを振り返ってみた。今回はCD。というかレコード。それも初めて買ったロックのアルバムのことなどを振り返ってみよう。

おっとその前に皆さんにお礼を言わないと。今年、ANTHEMは「BLACK EMPIRE」というアルバムをリリースしました。『CDが売れない』と言われる時代にビクターさんの熱い気持ちとイシバシさんをはじめ、ANTHEMを支えてくれる親愛なるサポーターのおかげで渾身のニューアルバム「BLACK EMPIRE」はセールス的にも好成績をあげることができました！バンドとレコード会社とファンとの信頼関係がなせる業なのでしょう。本当にありがとうございました！

先日TVで某有名アーティストが言っていました。「CD（レコード）とはただ単にその『音楽』だけではなくCDを購入したときの”景色”や”感情”等すべて含めたものがCD（レコード）である。」だって。オレはTVの前で深くうなづいてしまいました。と同時に「アルバム」という響きがとても素敵に感じました。

オレも自分で買ったアルバムは今でも手にしたときの”景色”や”感情”をよく覚えているし、そのアルバムを聴くときまたは思い出すときは必ずその”景色”や”感情”が一緒に思い浮かびます。

今回はそのアルバムの話をさせてね。（長い前ふりだぁ）

初めてロックのアルバムを買ったのは今から約30年前に遡るけど中学2年生の頃だったんだ。STRAPSの2nd 「シークレット　ダメージ」というアルバムです。お小遣いをポケットに入れてオレは愛車ブリジストンのダイアモンドにまたがり土曜日の夕暮れ時、つつじヶ丘駅前の忠実屋の中にある新星堂に買いに行った。

なにしろ生まれて初めて聴くロックのアルバム！たとえようのない緊張と興奮とで心臓が張り裂けそうになりながら自宅の居間に置いてあるステレオのターンテーブルにレコードを乗せた。針を落としてから音楽が始まるまでのほんの数秒間「あぁ　これから　オレはどこに連れていかれるのだろう・・・」とまるで催眠術をかけられる前の気分。（かけられたことなどないですが）

生まれて初めて体験するロック。正直、何がなんだかわからないままオレは刺激的な音の渦に飲み込まれていったのだ。LPジャケットを握り締めながら。

このアルバムを思い出すときは、そんなドキドキした感情だけでなく、自宅のステレオの置いてあった居間のレイアウトや、来る日も来る日も同じアルバムを聴いているオレを不思議そうに見る家族の顔やあの時の空気も30年経った今でも明確に覚えているよ。

その1年後　次の3枚目のアルバム「愛のプリズナー」がリリースされた。もちろん買わないわけがない。が、悲しいかな中学生。そんなすぐにアルバムを買うお金はない（涙）。当然お小遣いも貯めなくてはいけないので中学の修学旅行のお土産代を使わずに残しておいて、オレは修学旅行から帰ると同時に愛車にまたがり、府中のイトーヨーカ堂まで”青春ドラマよろしく中野浩一級”の猛スピードで買いに行ったなぁ・・・あんなに速くチャリンコをこぐことはもう二度とできないだろう。（黄昏るポイントが違う）

その日、快晴だったということだけではなく、念願叶い欲しかったレコードを手に入れたという達成感や、これから大好きなバンドの音楽が毎日聴ける！という幸せな気持ちだったのであの日、府中第二中学校の坂本英三くんが見上げた空は格別に青かったのだ。今でもあの府中の青い空を思い出すよ。

その日、オレは何度も何度も聴いた。大好きな音楽だった。もちろんそれから来る日も来る日もそれこそ擦り切れるくらい聴きまくった。オレはこのSTRAPSと共に思春期を過ごしたんだなぁ。(笑）あのつつじヶ丘の夕暮れや、府中の青い空は一生忘れることはないだろう・・・なんて書いてたら急に聴きたくなったのでSTRAPSの2ndを聴こう。

1枚目「貴婦人たちの午後」、2枚目「シークレットダメージ」、4枚目「炎の衝撃」は持っているのだけど、一番大好きだった3枚目「愛のプリズナー」がなかなか入手できなくて・・・前回の「ミチノ吸入液」に続く皆様の情報を心よりお待ちいたしております。

と話が長くなってしまいましたがANTHEMの「BLACK EMPIRE」を購入してくれた皆がこのCDを手にした時の”景色”や”感情”が皆さんの心に焼き付いてくれてたらアーティストとしてこの上ない幸せだよ。

ありがとうございました！明日も残高照会しようぜ！

坂本英三

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