シンセサイザー自体がモノフォニック仕様のものが多く、まだ開発途上だった1977年、ローランドはGR-500/GS-500という画期的なギター・シンセサイザーを世に放ち、世間をあっと言わせた。その後、多くの楽器メーカーがギター・シンセという新たなジャンルに挑戦するものの、ローランドの完成度に到達できずに散っていき、いつしか「ギター・シンセ=GR」と連想してしまうほど、圧倒的な定着ぶりを見せることになる。

これまでローランドはおおよそ3~5年周期でGRモデルをリリースしてきた。右はGRモデルにおいて画期的であったスペックをまとめた年表である。

1977年 ローランド社初のギター・シンセサイザーGR-500と、ギター・コントローラーGS-500を発売。モノフォニック仕様。GR-700
1980年GR-300よりポリフォニック仕様(和音弾き可)へグレードアップ。GR-300
1986年初代ギター・シンセサイザー用ピックアップ、GK-1を発売。24ピン仕様。GK-1
1989年ラック型のGR-50より、ついにデジタル音源を搭載。
13ピン仕様のGKピックアップ、GK-2が発売。
GR-50+GK-2
1992年GRの筐体がフロア・ペダル・タイプに戻る(GR-1発売)。GR-1
1995年V-Guitar System、VG-8を発売。モデリングという新境地へ挑む。VG-8
2000年エクスプレッション・ペダルを備えたGR-33をリリース。GR-33
2004年コンパクト・ボディで、エフェクター感覚で使えるGR-20を発売。GR-20
2011年 先代機種より約7年振りとなる新モデル、GR-55を発売。GR-55

ROLAND GR-55のサウンドを動画でチェック

動画内で紹介している主な機能

【EZ-Edit機能】

選んだパッチから簡単に好みの音を作ることが可能な機能。[EZ-Edit]ボタンを押すと、左右上下の軸をグラフ(EZ-Edit画面)が表示される。左軸が[MILD](まろやかで周囲の音と混ざりやすい音)、右軸が[BRIGHT](輪郭のはっきりした目立つ音)、上軸が[WET](残響(リバーブ/ディレイ)が豊かな音)、下軸が[DRY](残響(リバーブ/ディレイ)が少ない音)となっている。これを[▲▼▲▼](カーソル・ボタン)を押して、グリッド(格子)内のカーソルを移動させて、音色を調整。

【USBオーディオ・プレイヤー】

本体左側面に備わっているUSBメモリー端子に、USBメモリーを刺すことにより、その中に収録されているオーディオ・データ(WAV、AIFF)を再生し、それをカラオケにしながら、演奏することが可能。[AUDIO PLAYER]ボタンを押すと、AUDIO PLAYER画面が表示され、音源の再生/停止などはフット・スイッチによりコントロール可能。

【フレーズ・ループ機能】】

最大20秒までの演奏内容を録音し、それに合わせて別の演奏を重ねて録音〔オーバー・ダビング〕する、サウンド・オン・サウンドによる演奏が行える機能。

スペック

●音源:PCM=2トーン、モデリング=1トーン  ●トーン:PCM=910種類、モデリング=23種類(ギター・モード)、17種類(ベース・モード)  ●エフェクト:MFX(マルチ・エフェクト)=20種類、AMP(プリアンプ)=42種類、MOD(モジュレーション)=14種類、DELAY(ディレイ)=7種類、REVERB(リバーブ)=5種類、CHORUS(コーラス)=4種類、EQ(イコライザー):1種類  ●パッチ・メモリー:ギター・モード(プリセット=270+ユーザー=297)、ベース・モード(プリセット=90+ユーザー=297)  ●AD変換:24ビット(GKピックアップ)、24ビット+AF方式(ノーマル・ピックアップ) ※AF方式(Adaptive Focus method)ADコンバーターやDAコンバーターのS/Nを飛躍的に向上させるローランド/ボス独自の方式です。  ●DA変換:24ビット ●サンプリング周波数:44.1kHz ●規定出力レベル:OUTPUT端子=-10dBu、GUITAR OUT端子=-10dBu ●出力インピーダンス:OUTPUT端子=2kΩ、GUITAR OUT端子=2kΩ ●USBメモリー・オーディオ・プレーヤー:再生可能フォーマット=WAV、AIFF ●ディスプレイ:グラフィックLCD 240×64ドット ●接続端子:GK IN端子(13ピンDINタイプ)、GUITAR OUT端子(標準タイプ)、OUTPUT L/MONO、R端子(標準タイプ)、PHONES端子(ステレオ標準タイプ)、MIDI IN、OUT端子(5ピンDINタイプ)、USB COMPUTER端子(USB 2.0 Hi-Speed USB-MIDIおよびUSB-AUDIO対応)、USB MEMORY端子(USB2.0 Hi-Speed USB-MEMORY対応)、DC IN端子 ●電源:DC9V ●消費電流:700mA ●付属品:ACアダプター、取扱説明書、保証書、ローランド ユーザー登録カード、ディバイデッド・ピックアップ(GK-3)(GK付属モデルのみ)、GKケーブル(5m)(GK付属モデルのみ) ●別売品:ディバイデッド・ピックアップ:GK-3(ギター用)、GK-3B(ベース用)、GKケーブル:GKC-5(5m)、GKC-10(10m)、MIDIフット・コントローラー:FC-300、ユニット・セレクター:US-20 ●外形寸法:405mm(W) ×244 mm(D) ×78 mm(H)  ●質量:3.3 kg


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写真
今回発売となったGR-55は上記年表のとおり、約7年振りに登場した新モデルである。1月13~16日にかけて開催されたNAMMショーにおいて初披露目となり、日本での発売が1月28日からということなので、本記事が掲載される頃には、全国のイシバシ楽器店舗に並んでいる状態にある。

これまで以上に長いスパンを空けてリリースされただけに、どれだけグレードアップしたのか、スペックが気になるところであろう。サウンドのみならずインターフェースに至るまで、さまざまなところまでアップデートが果たされている中で、注目したいスペックがずばり……“充実した音源”と“ピッキングへの反応速度”である。

充実した音源

写真GR-55はギター・シンセ用のPCM音色として、ピアノやオルガン、ストリングス、シンセ・リードなど、900種類を超えるサウンドを内蔵。これらのシンセ音色を2系統に振り分け、それらを同時発音することが可能となっている。簡単に言うと、これまでのギター・シンセにはシンセサイザーが1台分しか入っていないところ、GR-55は2台分入っており、しかもそれらを一緒に鳴らすことができるのである。これにより、今まで以上に多彩で分厚いサウンドを構築することが可能となった。

写真さらにGR-55の最大のミソは、COSMギター・モデリング……すなわちVG Systemの搭載である。VGシリーズと言えば、アンプやエフェクターだけでなく、ギター本体のサウンドをエレクトリック/アコースティックの両方を跨いでモデリング可能で、さらに12弦ギターや変則チューニングまでも再現可能という画期的なディバイス。GRシリーズと同様、VGシリーズもGKディバイデッド・ピックアップを用いるディバイスのため、これまではGRとVGの両方を使いたい場合、US-20 Unit Selectorを使うという手段しかなかったが、今回のGR-55では両方とも入っているところが嬉しいところだ。

ギター・シンセのサウンドは2系統発音可能と前述したが、これにCOSMギター・モデリング(VG)を加えて、合計3種類の音をブレンドすることもできるという。さらに搭載されているエフェクターについてもGTクラスのものが入っているという、なんとも贅沢な内容。音色作りの幅は相当に広く、ライヴやレコーディングなどで重宝すること間違いないであろう。

ピッキングに高速に追従

写真ギター・シンセの場合、GKピックアップから得られた信号を元に、音程やピッキングの強さなどを分析して、それをいったんMIDI信号に変換し、そのMIDI信号を使ってシンセサイザー音源を鳴らすという仕組みとなっている。その音程を検出するにあたり、最低2波長分の音を分析しなければならないという原理のため、2波長分の時間だけ発音にわずかな遅れが生じてしまう。しかしGR-55では、音程検出をするのに新規開発のアルゴリズムを採用。これにより正確かつ、高速なトラッキングを実現している。さらに、ギター・シンセ用PCM音色と共に、COSMギター・モデリングの音色も重ねられることを前述したが、そのCOSMギター・モデリングの方はレイテンシー(遅延時間)フリーのため、これをミックスすることで聴感上のレイテンシーを完全になくすことができる。今回、動画でデモ演奏をしてくれたギタリストの山口和也氏によれば“ピッキング・レスポンスへの追従性は素晴らしい。エフェクター感覚で使える”とのコメントを頂いた。

写真ギター・モード時に270種、ベース・モード時に90種のプリセット・パッチを内蔵。[LEAD][RHYTHM][OTHER]という3つのボタンに振り分けられたサウンド・スタイル・ボタンにより、それぞれのプリセット・サウンドを呼び出すことができる。また、USB-MIDIやUSB-Audioへ対応しているため、MIDIレコーディングあるいはダイレクトにDAWでオーディオ・レコーディングすることも可能だ。この他、EZ-Edit機能やUSBオーディオ・プレイヤー、フレーズ・ループ機能などは、動画内で説明しているので、そちらを参考していただきたい。


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