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電気ギターはほとんどが電磁ピックアップ方式であるため、 弦の材質は鋼鉄が用いられる。 弦の構造上、単線巻線がある。 単線は炭素剛にニッケル・メッキしたものが使われ、 1〜2または1〜3弦まで使われる。3、4〜6弦までは低音を出すために 弦を太くしなればならない。
つまり、太い弦になれば低い音程が出せるわけである。 しかし単線で太い弦にしようとすると機械抵抗が大きく弾力のない、 振動しにくいものになってしまう。 このため細い芯線(単線)の上に、ステンレス、ニッケル、真鍮、銅などの 線材を巻きつける質量を増し、かつ機械抵抗を下げる方法が取られている。 これが巻線であり、平巻、丸巻、丸平巻の種類がある。 平巻は丸巻に比べ、隣り合った巻線の接触面が大きいため、 高次倍音がのりにくく柔らかな音色になり、サスティンも短い。 しかし運指による巻線表面でのフィンガー・ノイズは出にくい。 逆に丸巻では隣り合った巻線の接触面がほぼ1点となるため高次倍音が出やすく 歯切れの良いサウンドが得られ、出力も大きくサスティンが長くなる。 しかし表面に起伏があるためフィンガー・ノイズが出やすくなる。 この丸巻の特徴を残しながらフィンガー・ノイズを減らしたのが、 表面のみを平面にした丸平巻である。
このように巻線は芯線で張力を保ち、巻線で綿密度を大きくしている。 しかし、チューリング・マシンへの取り付けが悪いと巻線に張力がかかり、 芯線がゆるみ、いわゆる死線状態を引き起こす。 このような現象を防ぐために芯線を六角線材とし、 巻線がしっかりと食い込むように考えられた弦もある。
その他、巻線の場合弦径が太いため、ブリッジ付近では やはり単線に比べ機械抵抗が大きく振動しにくくなる。 このためブリッジ上のみ単線となるように作られた弦があり、 非常に長いサスティンが得られている。
電気ギター用の弦は太さにより分類される。 ヘビー、ミディアムは3弦より、ライト、 ウルトラ・ライトは4弦より巻線となる。
太い弦で同じ周波数を出すためには、 張力を大きくしなければならない事がわかる。 これは、ライト、ウルトラ・ライト・ゲージのように細い弦になるほど、 チョーキングやビブラートが簡単になることを意味している。 しかしコード奏法など、しっかりとしたピッチを要求される場合は、 張力の強いヘビー・ゲージの方が狂いがなく適している。