YAMAHA 『PACIFICA Professional』『PACIFICA Standard Plus』は、理想のサウンドを追求するギタリストのために 、これまでのPACIFICAシリーズをさらに進化させ、新たに設計されたモデルです。
『PACIFICA Professional』《予約販売中》
『PACIFICA Standard Plus』《好評販売中》
YAMAHA 『PACIFICA Professional』『PACIFICA Standard Plus』は、理想のサウンドを追求するギタリストのために 、これまでのPACIFICAシリーズをさらに進化させ、新たに設計されたモデルです。
『PACIFICA Professional』《予約販売中》
『PACIFICA Standard Plus』《好評販売中》
1990年代に産声を上げたPACIFICA(パシフィカ)。当初1989年にロサンゼルスに設立されたR&D(研究開発)拠点「Yamaha Guitar Develoment(現在はYGG=Yamaha Guitar Group/Custom Shop)」でデザインされたPACIFICAシリーズ第1号「PACIFICA 912」が原点。
トラディショナルなデザインにヤマハの独自性を盛り込み、その完成度の高さと、あらゆるジャンルに対応できる汎用性の高さから、発売以来国内外の名だたるプレイヤーが使用し、憧れのギターブランドの一つとなったPACIFICA。
30年以上デザインを変更せず、現在ではヤマハボルトオンギターのスタンダード機種として、エントリーユーザーから、プロまで多くのファンを持つPACIFICAシリーズに、待望の日本製が復活。その名も「パシフィカ プロフェッショナル」シリーズ。そしてProfessionalシリーズのコンセプトを正統に受け継いだインドネシア自社工場生産される「パシフィカ スタンダードプラス」シリーズが2024年新たに誕生。PACIFICAの新たな歴史が幕を開けます。
モデル | Professional | Standard Plus | ||
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PACP12 ローズウッド指板モデル | PACP12M メイプル指板モデル | PACS+12 ローズウッド指板モデル | PACS+12M メイプル指板モデル |
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ボディ | アルダー | |||
ネック | メイプルカスタムティンテッドサテンフィニッシュ | メイプルナチュラルスムースサテンフィニッシュ | ||
指板 | ローズウッド | メイプル | ローズウッド | メイプル |
指板アール | 254.0-355.6㎜ コンパウンドラジアス | 350㎜ | ||
フレット | ステンレス製 ミディアム | |||
ブリッジ | Gotoh 510T FE-1 | |||
スケール | 648.0㎜ | |||
ネックピックアップ | Reflectone HS7n Single Coil | |||
センターピックアップ | Reflectone HS7m Single Coil | |||
リアピックアップ | Reflectone HH7b Humbucker | |||
ピックアップスイッチ | 5ポジションセレクタースイッチ | |||
コントロール | マスターボリューム、マスタートーン(プッシュ・プル コイルスプリット) | |||
フィニッシュ | グロス仕上げ | |||
カラー | SB(スパークルブルー) DTB(デザートバースト) SWH(シェルホワイト) BM(ブラックメタリック) | SB(スパークルブルー) BBB(ビーチブルーバースト) BM(ブラックメタリック) | SB(スパークルブルー) ASP(アッシュピンク) SWH(シェルホワイト) BL(ブラック) | SB(スパークルブルー) SWH(シェルホワイト) BL(ブラック) |
生産国 | 日本製 | インドネシア製 | ||
I.R.A処理 | 〇 | ― | ||
付属品 | ハードケース | ギグバッグ |
発売当初より、スタジオミュージシャンの使用率も高かったPACIFICA。過去の上位機種にはAshボディ、Dimarzioピックアップ、Rockin Magic-ProIII ブリッジ、Warmoth社製ネックを採用するなど、その時代を表すかのようなコンポーネントギターのイメージが強くあり、テクニカル系のイメージも強かったのではないでしょうか。
今回発表された「PACIFICA Professional」「PACIFICA Standard Plus」は、改めて現代の音楽性にマッチするサウンドと演奏性を追求し、他メーカーに見られるVintageへの傾倒ではなく、「現代のプレーヤー」「モダンなサウンドを求めるプレーヤー」が満足できるギターに仕上がっている点がポイントです。
現行モデルのシャープな造形デザインを元に、よりギター抱えた際に違和感なくフィットするようバックコンターを深く、またトップコンター(肘が当たる部分)を直線的なコンターから、丸みをもたせたコンターボディにすることで腕の当たり=フィット感を高めています。またエッジが腕に当たっても痛くならない絶妙なボディRは、実際地味な改良ですが高く評価できるポイントで、ボーカル/ギターで使用するプレーヤーにも是非オススメしたいところです。
日米間の多くのプレーヤーの意見を取り入れ、リードからバッキングまで幅広いスタイルに対応できるSlim C シェイプのネックシェイプを採用。ローズ指板、メイプル指板の2種類から選べる選択肢の幅もGOOD。
現行品は41.0㎜のナット幅を採用していますが、今回の「Professional」「Standard Plus」には42mmのTUSQナットを採用。指板側面のロールオフ加工精度も高く絶妙な握り込みやすさがあり、ローコード、パワーコード、リード全てにストレスがなく、高い演奏性を実現しています。
また新しくデザインしたネックヒールも、ハイフレットへのアクセスを容易にしています。一段落とし込んだヤマハらしいヒールデザインも健在。
Professionalシリーズにはコンパウンドラディアス※を採用し、モダンな演奏性に応える仕様もPACIFICAならではといえます。
※コンパウンドラディアスとは、ローポジションでは丸く、ハイポジションに行くに連れてフラット寄りになる精度の高い円錐形指板加工。ハイポジションでのチョーキング音詰まりを防ぐ効果もあり、弦高を低めにセットする方にもおススメな仕様。
最近のヤマハは、Revstarシリーズにあるように、上位機種においても自社製ピックに拘り、独自性を出しているように感じます。今回の「Professional」「Standard Plus」も同様に、他社にはない、またVintageに拘らないピックアップを搭載して来たことに感銘すら覚えます。その名も「Reflectone」。プロオーディオの名機を数多く世に送り出してきたあのRupert Neve氏 が興したRupert Neve Design社とコラボし、ヤマハが自社開発&製造を行ったピックアップなのです。
アルニコVマグネットを使用し、ターン数、巻き上げ方法、ポールピースの高さを1から研究・開発することで、低域の力強さと、「きらびやか」な高域を併せ持つ、非常にバランスの良いピックアップとなっています。ピッキング強弱とボリューム、トーンコントロールにより、手元で多彩なトーンを送り出すことも可能。ポッティング処理もされており、非常に有能なピックアップだといえます。
ヤマハ独自の音響解析や3Dモデリングを活用した設計プロセス「アコースティック・デザイン」を用いた測定・分析・モデリングにより、クリアでパワフルに鳴るボディデザインを実現しました。最近では2022年に発表されたREVSTARシリーズでこの「アコースティック・デザイン」音響解析を行い、大胆なチェンバーボディを採用したことが記憶に新しいと思います。
今回の「Professional」「Standard Plus」に採用された「アコースティック・デザイン」は、ボディとネックの「連成振動強化」による中域の強調、及び低域の振動周波数を調整によるタイトでクリアな低音を再現するため、下記の加工が施されています。
[1]ボディへの「スリット」加工
[2]ヘッドとネックの「長詰め」(そのためにトラスロッドをホイール式に変更し、調整口をネックエンドに設けた)
[3]コントロールキャビティ切削デザイン改良(NCルーターによる切削)を施工。
また「Professional」シリーズには、I.R.A. (イニシャル・レスポンス・アクセラレーション)が施行されています。
I.R.A.(イニシャル・レスポンス・アクセラレーション)とは、完成品のギターに対してそのギター固有の振動を与えることで塗装-木部間などにあるストレスを解消する技術です。この処理を施すことで、ギターは弾き込まれたのと同じような状態になるのです。
今回新たに採用された筆記体の新PACIFICAロゴ。一見旧来の筆記体ロゴ(現行品ではPACIFICA1611MSに採用)に似ていますが、新たに「Professional」「Standard Plus」のみに新ロゴを採用するあたりから、今回のシリーズに対する意気込みが伺えます。
マシンヘッドは信頼のGOTOH製SG381 マグナムロック、ブリッジには弦間ピッチ10.8mmの高精度GOTOH製510シリーズの2点支持ブリッジを採用しなめらかなアーミングが可能に。またリアP.U.が「ボディ直付」になることで、タイトな出力に一役買っています。
ピックガードが今回一番目を引く変更点といえます。旧来・現行品はピックガードがセレクターSW部分までありましたが、今回はボディ直付けになっており、その分ピックガードが鋭角にカットされています。ピックガードの色はボディカラーによって使い分けられておりますが、基本はべっ甲柄は4PLY/その他3PLY構造となっています。
その他にもアッセンブルドされたパーツについても、抜かりはありません。ハイパスフィルターを擁したボリュームポットは抜群のヌケの良さがあります。もちろんコイルタップ搭載。
※因みに日本製、インドネシア製にそれぞれ異なるポット、スイッチ、コンデンサーが使用されています。
高い次元でマルチに使えるハイエンドギター。
日本製らしい、かっちりとした作り込みが特徴。サウンドバランスをトータルに考えて組み上げられたことが弾いていてわかります。それぐらい良くできています。コンパウンドラディアス指板や、Rupert Neve Design社とコラボした高品質のピックアップなど、美味しい要素満載ですが、とにかく出音がキレイで濁りの無いサウンドに仕上がっています。弦のテンションも丁度よい。なので低音弦の発音も良好。「アコースティックデザイン」とI.R.A.効果も相まってなのでしょうか、出力が他のギターと比較しても大きい印象があり、ボリューム、トーンの効き(カーブ)も滑らかなため、細かい音色設定が可能。エフェクターのノリも良く、ボリューム・トーンで音色を作り込むことが可能なため、スタジオ・ミュージシャンの要望にも応えられるまさにプロフッショナルなギターであり、価格以上の価値があるギターといえます。
コストパフォーマンス最強のスタンダードパシフィカ
ヤマハ・インドネシア自社工場で生産された、コストパフォーマンスに優れたシリーズ。Professionalと同様のパーツ、アコースティックデザインが施されたボディなど、廉価版と捉えてほしくない、それくらい完成度の高いギターです。現行の100/200/300/600シリーズと別コンセプトのギターであることは、デザイン、使用されているパーツからも分かる通り、実際の演奏感・サウンドは別物です。とにかくしっかり作り込まれており、現行モデルの不安要素が払拭されていると感じます。他ブランドの同価格帯のギターと比較した場合、完成度の高さは頭一つ出ているといえます。