1957年製 Epiphone FT-79【Vintage】
2015-05-24 今年1月に新宿店担当・濱田が毎晩の脂っこい肉料理やスパイシーな寿司に耐え(笑)アメリカにて買い付けてきたヴィンテージが、続々と修理・調整から上がり、新宿店アコースティックフロアに入荷しております。****************************************************************

本日はそんな中から一際個性が光る逸品をご紹介致します。
↑の写真を見ても、1本「おや?」と目を惹く不思議な魅力を放つ逸品。

1957年製 Epiphone FT-79です!
Epiphoneと言えば、今でこそ”Gibsonの廉価グレードを受け持つブランド”というイメージがありますが、実は第二次大戦前からの歴史を持つ由緒正しき名門メーカーです。
家族経営の楽器工房からスタートし、1928年に創業者の息子の名前に肖り「Epiphone」のブランド名にて本格的に増産体制に入ります。戦前に於いてはBlackstone、Broadway、Triumphなどのアーチトップ・ギターで名を馳せ、特に当時のジャズ・ギタリストに愛されてきました。
しかしながら戦後の1950年代に入り経営が悪化。ついには1957年にGibsonに買収され、その後60年代に入るとGibsonのカラマズー工場にてGibsonとボディやシリアルナンバーなどを共用しながらの生産体制となります。
FT-79もその例外ではなく、60年代に入ると”Texan”の名称が与えられ、ボディはGibson J-45と同様のドレッドノートタイプへとモデルチェンジ。ポール・マッカートニーがナチュラルフィニッシュの64年製を愛器とした事で有名になります。
一方、こちらの57年製は丁度Gibsonによる買収直前の、ニューヨーク・エピフォン末期に製造された1本。ボディは16インチ幅のメイプルサイド&アーチバックの、まるでアーチトップギターを思わせる仕様となっています。
こちらのタイプのFT-79を愛器とした著名なミュージシャンとしては、ジミ・ヘンドリクスが自宅用として所有・愛用していたとする写真や文献が見られる他、カート・コバーンが「Nixon Now.」ステッカーを貼った個体をステージで愛用した事で知られています。
余談ですが・・・カート・コバーン愛用のアコースティックとしては、50年代製のMartin D-18や、MTVアンプラグドでのMartin D-18E(本人はあまり気に入っていなかったという説が有力ですが)など、意外に渋いセレクト(?)である事が知られています。
基本的にあまり煌びやかで派手なトーンは好まず、ザクザクとウッディかつ無骨な鳴りなものが好みだったのか・・・とも推測できますが、本人がどう感じていたのか、実際の所は不明です(笑)
というわけで濱田がまた弾いてみました。
さて、新宿店の店頭の57年製ですが、やはりこの個体も無骨にザクザクと刻むような枯れたトーンが特徴的なキャラクターです。ギターボーカルやリードギタリストの方が歌モノの曲で弾き倒すと最高にカッコ良いと思いますが、前述のようにアーチトップギターのような跳ね返りの良い特性も持ち合わせていますので、意外に渋いブルースやジャズ等で使って頂いても面白いかと思います。
今回は濱田がもういっちょ弾いてみました。
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決して器用で万人向けのギターではないかもしれませんが、ここぞ!という場面で最高にハマる実力を持つヴィンテージ・ギア。そんな相棒をお求めのギタリスト/シンガーの皆様、是非、お試し下さい!
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