1972年製Telecaster Thinline【vintage】
2017-04-28 いつも石橋楽器新宿店をご利用頂きましてありがとうございます。新宿店の長谷川です。
今回もヴィンテージFender、Telecaster Thinlineをご紹介します。
まず簡単にThinlineがなぜ生まれたかと言いますと
毎回恒例!?
レオ・フェンダーはボディの軽量化を図る為にいろいろ試行錯誤していたようです。
軽量化をする為にはやはりボディに穴をあけるという手法が手っ取り早かったのでしょう。
初めはピックガードに隠れていた部分のみ、くり抜いていたようです。
しかし良い結果は得られず、結果としてボディの中心部は木を残し、ボディの左右のウイング部に当たるところを大幅にくり抜き裏から蓋をする構造を採用します。
軽量化に成功したと同時に偶然の産物とでも言うのでしょうか、当初レオ・フェンダーは目的としていなかったようですがホロウボディ構造となったことで独特のエアー感のあるサウンドが特徴となっております。

Thinline自体は1968年に登場しFenderとしては初のマホガニー材が使用されたモデルでもあります。Gibsonの影響はやはり大きかったのではないでしょうか。fホールもついてますしね。
ちなみにこちらは1972年製のちょうどマイナーチェンジがされ、アッシュボディへと変更となりPUはワイドレンジハムバッカーを2基搭載した仕様となった直後の年代となっております。
1972年というとFender/Japan Exclusiveなどでリイシューされているモデルの原型となりますね。
うーん感慨深い!

そして、ここでも登場しましたワイドレンジハムバッカー。
前回書きましたブログに詳細を書いておりますのでここでは割愛させていただきます(笑)
もちろん本機に搭載されているのはオリジナルです。
前回のブログはこちらのリンクへ
コントロールは1Vol、1Toneに3Wayブレードスイッチの往年のTLらしさを受け継いだシンプルなスタイル。
ネックはワンピースメイプルとなっております。

また、fホールが開いていると気になるのがハウリングですよね。
もちろん通常のソリッドのテレと比べるとハウリングしやすくはあるのですが、PUをマウントしているボディ中央部はくり抜いていない点と、あくまでもソリッドギターの軽量化をするためにボディをくり抜いたすなわちチェンバー構造に近いわけです。
Gibson系のセミアコと比べるとハウリングはしにくいと言えるでしょう。

ジョイントは3点止めにマイクロティルト搭載の70sならではの仕様。


ヘッドは見慣れたシェイプ。
2ストリングガイドでペグはFキーとなります。
しかしなぜシンラインが独特のサウンドと言われるのか…
それはギターの構造に他ならないでしょう。
ボルトオンジョイントに、アッシュ・ホロウボディ、メイプルネック&指板。
上記のマテリアルからFenderらしい歯切れの良さを生み出し、
生鳴りの良いボディ構造で倍音を含んだメロウなトーンが特徴的となっており、
やはりクリーンサウンドは美しいの一言。
しかし歪みサウンドもこなせる高いポテンシャルとクラシカルなルックスは日本でも高い人気となっており、有名なポップ・ロックバンドやインディー・ロック界隈でも使用者が多い印象を受けます。
是非Fenderのヴィンテージギター好きの方は一度ご試奏してみては如何でしょうか。
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