カート・コバーンゆかりのヴィンテージ・アコースティックをご紹介！【Vintage】
2016-01-18 ニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーン。好き嫌いはあれど、1990年代以降に楽器を弾いたりバンドを組んだりされた方であれば、何らかの形で聴いてきたり影響を受けてきた方が大多数を占めるのではないでしょうか？
現在イシバシ楽器渋谷店アコースティックフロアには、そんなカート・コバーンゆかりのヴィンテージ・アコースティックが偶然3本揃っていますので、まとめて紹介させて頂きます。
まずビジュアル的に最も知られており目立っていたものの、逆にカート本人は気に入っていなかった(と言われている)こちらのモデル。
1959年製 Martin D-18Eです。
MTVアンプラグド出演時に、BOSS DS-2を繋いでの起用で有名ですね。
ディアルモンドPU(カート本人のものはバルトリーニのPUを追加でマウント)を2機マウントしたラダー・ブレース仕様。1959年前後のほぼ1年間しか生産されなかったレア・ギターです。
流石にノンPUのノーマルD-18と比較すると生音は幾分控えめですが、対抗馬と言えるGibson J-160Eと比較するとより倍音成分がしっかり出たアコースティックギターらしい鳴りなのはMartinらしいポイントです。
渋谷店の個体はさらに強烈なダブル・ガード仕様。ピックガード自体は後付けと思われますが、雰囲気はオリジナルに似せてよく作られています。コレクター性の高さもさることながら、是非ステージでアバンギャルドに活躍させて頂きたい1本です。
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続いては同じくステージでの起用が目立ったこちらのモデル。
1957年前後製のビキニ・ロゴ仕様のEpiphone FT-79 Natural！
資料によってはカート本人の使用機(Nixon Now.ステッカーが貼られている個体)は’61年製のTexanとしているものもありますが、写真等から判断するに’58年以前の、Epiphoneオリジナルシェイプ時代(=Texanネームとなる以前)のFT-79で間違いないと思われます(ヘッドのデザイン等から総合的に判断すると、カート本人のものは渋谷店の個体より前の時期のものと思われます)。
Gibson製ラウンドショルダー・ドレッドノートボディのTexan時代とは全く異なるフラットトップ、アーチバック構造のボディにより、鳴り方はウォームなニュアンスは持ちつつもどちらかと言うと戦前よりEpiphoneが得意としてきたアーチトップギターに近いキャラクターを感じさせます。
本人よろしくがしがしと弾き語りに使ってもカッコ良いですし、意外にブルーズやジャズなどにもハマりそうなキャラクターです。
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最後に所謂「ドンズバ」ではありませんが、こちらのモデル。
1963年製、ハカランダ指板＆ブリッジ仕様のMartin D-18！
カート本人の愛器としてはメアリー・ルー・ロードからプレゼントされ、「Nevermind」のレコーディングとツアーで使用された1953年製のD-18が有名ですが、渋谷店の個体はその10年後輩と言えます。
前述のD-18EやFT-79といい、エレキでの派手なセレクトとステージングとは裏腹に、アコースティックでは意外に渋好みだった(？)事が伺えます。比較的ほっこりしつつも抜けの良いサウンドが好みだったのでしょうか？
渋谷店の’63年製の個体も長年熟成されたマホガニーらしいフォーキーなキャラクターながら、硬質な抜けのよさもしっかりと持ち合わせており、歌モノの中でも主張しすぎず、引っ込みすぎずでしっかりと支えてくれそうな印象です。
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・・・余談ですが、カート本人が愛用した’53年製のD-18は現在ナザレスのMartin本社内のミュージアムに寄贈され、展示されています。筆者はMartinファクトリーを訪問した際に実物を見ることができましたが、楽器としてのコンディションはお世辞にも良いとはいえない状態でした。しかしながら製造されて半世紀以上経ち、カートだけでなく歴代オーナーによって付けられた弾き傷やクラックを見ているとなんともいえないロマンを感じさせる1本だったのを覚えています。
上記の3本もそんなロマン溢れるヴィンテージ。是非あなたの手で歴史を紡いでみては如何でしょうか？
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