この一枚を聞け![THE DARK SIDE OF THE MOON / PINK FLOYD]


 2006年6月に創刊してから14年、ISHIBASHI MAIL MAGAZINEも今月号で200号を迎えることが出来ました。皆様に感謝でございます! ありがとうございます!! そして今月からも独断と偏見で、このコーナーを書き続けて行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします

 そして今月紹介するアルバムは全世界で最も売れたPINK FLOYDの名盤「THE DARK SIDE OF THE MOON(邦題:狂気)」です。このコーナーは基本、同じアーティストは二度紹介しないと決めていたのですが、節目節目に自身の好きなア―ティストを再登場させております。ご勘弁を!

 1972年初頭に行われたPINK FLOYDのツアーで、この「THE DARK SIDE OF THE MOON」の原曲となる組曲がテストで演奏されていたことは“フロイドあるある”であり、この年の6月より約半年少しでこのアルバムを完成させております。たったこれだけの期間で、これだけの大作を作り上げる事ができたアーティスト・パワーは恐ろしいモノでもあります。現在ではデスクトップでアマチュアの方でも簡単に出来るような多重録音を、チャンネル数の少ないアナログ・レコーダーでオーバーダビングを重ね作り上げた事がさらに驚きであります。

 またこのアルバムは、この時代アーティストの間でにわかに流行り始めていた“コンセプト・アルバム”のはしりであり、全世界で最も売れ続けている“コンセプト・アルバム”なのです。あまり聞きなれない方もいるかもしれませんが、一つのテーマを中心に曲や詩を描いていく作品で、クラシックのように曲が繋がっているのが特徴でもあります。ちなみにこのアルバムのコンセプトは「人間の内面に潜む暗黒面」です。なんかスターウォーズっぽいですね(笑)。

 そしてこのアルバムに“捨て曲”は一曲もありません。鼓動の音から始り、2曲目の“Breathe”ではデイブ・ギルモアのクリーン・ギターサウンドに酔いしれ、3曲目ではシンセで走り回る音を再現し、4曲目の名曲“Time”ではいきなりの時計音に驚かされ、間奏でギルモアのギターがさらに炸裂します。5曲目の“The Great Gig in the Sky”では圧巻の女性コーラスの歌いまわしで、前半のクライマックスを迎えます。

 後半はレジのキャッシャー音で始まり、ロジャー・ウォータースの銘ベース・フレーズで曲明けする“Money”。7曲目の“Us and Them”は再結成後にも演奏されていたメッセージ色が濃い歌詞で、曲後半部で大きな盛り上がりを見せる曲です。そして8曲目からラストの“Eclipse”まで気の抜けないクライマックス曲の応酬です!! この頃にはきっとスピーカーを見つめながら音に聞き入っていると思います(笑)

 私の中ではこの「THE DARK SIDE OF THE MOON」と次作「WISH YOU WERE HERE」と「ANMALS」の3作こそがPINK FLOYDなのであります。この3枚は自分で言うのもなんですが、有りえないほど聞き込んでおります。「THE DARK SIDE OF THE MOON」にいたっては家にCDやアナログ盤も含めると何枚あるか数えた事もないほど存在します(笑)!

 現在ではCDを買って聞くと言う文化は衰退していると思います。でもあえてCDやアナログ盤でこのアルバムを聴いてほしいのです。魅力が沢山、いろんなところに隠されています。無理という方はサブスクでも何でも良いので是非、体感してください。いま、“家にこもって何かをする”には、もってこいの作品です!!

 「この一枚を聞け!」は創刊号から唯一存在するこのコーナーですが、次の節目の号にはきっと私は立ち会えないと思いますので、どうしても200号はこのアルバムと決めていました。メルマガなんて今の時代にあっていないのかもしれません。ただ、こんな部分も残しておくのも大切だと思っている自分です。まだまだ続きますのでもう少しお付き合いください

 また今、大変な時です。「おうちにいよう」を合言葉に、今もう一度このアルバムをじっくり聞くとします。ガンバレ日本! そしてとにかくこの一枚を聞け!!

【プレビュー】
■ VoL.42 ANIMALS / PINK FLOYD
■ VoL.100 WISH YOU WERE HERE / PINK FLOYD