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2022.11.01
Vol.11 FIND! 特別編 Fender Jazzmaster 徹底解剖!!
今回は特別編として、近年絶大な人気を誇り、各方面のアーティストがこぞって使用している Fender Jazzmaster (フェンダー ジャズマスター)を、イシバシ楽器随一のジャズマスター・フリーク である池袋店の居波マネージャーが 店長・和田 と共に深掘り解説します!
FIND! 特別編 Fender Jazzmaster 徹底解剖! 数奇な歴史と使いこなし方を語る!
今回登場するアイテムの紹介
Fender
1964年製 JAZZMASTER Candy Apple Red
Fender
1966年製 JAZZMASTER Sunburst
Fender
Hot Rod DeVille 212 IV
Electro Harmonix
Rams Head Big Muff Pi
Fender
Mustang Fully-Adjustable Guitar Bridge Chrome
Montreux
Buzz Stop Bar
Mastery Bridge
M2 Jazzmaster Bridge Metric
ギター・マガジン 2016年8月号 Kindle版
Fender Jazzmaster
はじめに
ジャズマスターは1958年・夏に初登場。
フェンダー初のローズウッド指板仕様、幅広のシングルコイルピックアップ、プリセット回路など、これまでにない特徴を持つギターとして、当初は最上位機種として発売されました。
今回は池袋店・居波マネージャーの個人所有の1964年製ジャズマスターを手に、いろいろとお話ししていきます。
Jazzmasterの年代ごとの特徴を解説
1958年の登場時は、アノダイズドピックガード、セミラージヘッドにはスパゲティロゴが入り、指板はスラブ張り(ネックとの接着面がまっすぐ)のローズウッドが特徴。1959年には赤べっ甲のピックガードに変わり、1961年ころからはカスタムカラーが数多く登場します。
1962年からは指板がラウンド張り(ネックとの接着面がカーブしている)に。
1964年はロゴがトランジションロゴに変わったり、Lシリアルの登場など、緩やかな仕様の変化が面白い年。1964年型プリCBS(会社をCBSに売却する前の仕様を持つ)最後の年で、現在のヴィンテージ市場でも人気が高く、価格も高騰しています。
1965年からはポジションマークの素材がクレイからパーロイドに、ネックサイドにバインディングが入り、ヘッドはラージヘッドに代わります。
1966年後期以降はポジションマークはブロックインレイに、CBSロゴや黒ピックガードなど、変化はさらに緩やかになっていきます。
1970年代は仕様の変化も生産数自体も少なくなり、1980年頃にはひっそりと生産が終了します。
世界の音楽シーンとJazzmasterの関係性
1950年代まで、ジャズプレイヤーにはギブソン、エピフォンのフルアコがよく使われていました。フェンダーはそこに目を付けて、ジャズ向けのギターを開発することを決めました。1958年にジャズプレイヤーに向けて満を持してJazzmasterを発売しますが、ジャズとは別のサーフミュージックシーンなどで人気を博します。
1965年、ブリティッシュ・インヴェイジョンと言われる音楽の波がアメリカを席捲、サーフミュージックで使われていたジャズマスターの人気も、ビートルズなどのイギリスの音楽の陰に隠れてしまいます。
1970年代はハードロックの台頭でストラトキャスターがもてはやされ、ジャズマスターのジャの字も出てこないほど人気が落ち込みますが、火は消えることなく小さいながらも燃え続け、70年代後半にはニューウェイヴのアーティストがジャズマスターを使い始めて、90年代に繋がっていきます。
このころのアンダーグラウンドのアーティストはお金がなく、70~80年代に人気が落ちて価格が下がっていたジャズマスターをこぞって使い始めます。1990年代はグランジやオルタナ系のアーティストの多くが使うことでジャズマスターの認知度が上がり、その人気を爆発させました。
Jazzmaster弱点・弦落ち対策
近年の、細い弦を張ってかき鳴らすような弾き方をするジャズマスタープレイヤーの悩みとして、「弦落ち」が挙げられます。どのような対策があるのでしょうか。
一番簡単な解決法は「ムスタング・ブリッジ」への交換。これはブリッジをポンと替えるだけでOK。
弦をバーにくぐらせてテンションを稼ぐ「バズストップ・バー」や、よりしっかり弦を支える「マスタリー・ブリッジ」など、便利なアイテムを紹介しています。
その他Jazzmasterの特徴的な機能
エフェクターのなかった時代、手元でサウンドを手軽に変えることのできる「プリセット回路」が搭載されたジャズマスターですが、近年はテクノロジーの発展でサウンド作りの幅が広がったため、現行モデルにはプリセット回路がないものもあります。
やさしいビブラートがかかる「フローティング・トレモロ」も独自機能の一つ。まだ激しいアーミングをしていなかった時代、ギブソンのギターについていたビグスビーに似たトレモロを付けてほしいというユーザーの声を反映した仕様でした。
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