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- “あの音色”は入ってる?
UVI Digital SYNSATIONS レビュー“DSX”編 - UVI社より先日発売された“Digital SYNSATIONS”を早速試してみました!
- ▼ Digital SYNSATIONSとは
- UVI社といえば、これまで数多くのサウンドライブラリーを発売してきたフランスのソフトウェア音源メーカー。EmulatorやSynclavier といった時代を作ったハードウェアシンセサイザーをライブラリ化してきたUVI社が今回発売したのが“Digital SYNSATIONS”です。
- Digital SYNSATIONSは“DS90S”“DS1”“DS77”“DSX”という
4つのライブラリで構成されており、 - それぞれ
- 1987年発売 Roland D50
- 1988年発売 KORG M1
- 1989年発売 YAMAHA SY77
- 1989年発売 ENSONIQ VFX
- をサンプリングしたパッケージになっています。
- 4台のシンセを凝縮したライブラリーで容量は約23 GB!
- DS90Sに169音色
- DS1に112音色
- DS77に122音色
- DSXに104音色
- 総計507音色がプリセットされています。
- 使い方はカンタン!付属するUVI社のプラットフォーム“UVI Workstation 2”に読み込めばスタンドアローンまたはAU、VST、RTAS、MASプラグイン音源として使用可能。またMOTUの“Mach Five 3”に読み込むことも可能です。
- 元になったそれぞれのシンセをサンプリングしたライブラリですので、“UVI Workstation 2”上でアンプやフィルター、エフェクター等をエディットできますが、各シンセの音源方式そのものをシミュレートしている訳ではありません。いじれるパラメータはライブラリ共通なんですが、それでも、各ライブラリ画面の見た目の作り込み具合は泣かせますね!
- ※オーサライズ(コピープロテクトの解除)にPACE社iLok USBハードウエアキーが必要です。お持ちでない方は別途ご購入頂き、iLokアカウントの作成が必要となります。
- ▼ DSXレビュー “あの音色”は再現されているのか?
- さて、前置きはこの辺にして、、、
今回はDigital SYNSATIONS の中の“DSX”に注目してレビューしてみます。 - 元になっているのは名機“ENSONIQ VFX”。
89年に初代VFXが発売され、以降、“VFX-SD”、“SD-1”として進化していったモデルで、シンセブラスに代表される、抜けの良い、いかにも当時のアメリカンな音色が特徴的でした。 (画像は今回デモに使用したVFX-SD) - 当時、日本でも第一線で活躍したシンセで、多くの有名ミュージシャンが使ったものですが、その中でも特に小室哲哉氏が89年~91年頃のライブステージで使われていたのは有名。TM NETWORK “CAMP FANKS!! '89”、ソロの“digitalian is eating breakfast TOUR”、リニューアル後の“RHYTHM RED TMN TOUR”でメイン音色の一つとして使われているド派手なシンセブラス“SYMPHONY”がその代表で、VFX自体はステージ上には見えていませんでしたがYAMAHA EOS B200、B500でリモートされており、当時「小室さんといえばこの音」と言える程の定番音色でした。
- (一見、EOSから出ている音のように見えるので、EOSを使えばあの音が出る!と思っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 私はそう思い込んでEOSを買ったのでした。)
- そんなわけで、ENSONIQ VFXの“SYMPHONY”は今も強い存在感を放っています。
- さて、Digital SYNSATIONS DSX の音色を探っていくと、、、
- ありました!“SYMPHONY”に近い音色“Full Stacked”。
- 5/15 追記
- “SYMPHONY”に 「近い」 音色なんですが、、、VFXの音色ライブラリをひとつひとつ調べていったところ、この“Full Stacked”は、VFX / VFX-SD用のROMカートリッジ 「IPC-1」 に入っている音色“ORCHESTRA-3” が原音のようです。比べてみると、かなり似てました。
- ↓VFX実機と比較したデモ動画を作ってみましたので、よろしければご覧下さい。
- ▼ DSX vs VFX 実機比較!
- 今回デモに用意できた機材はENSONIQ VFX-SD。初代VFXにシーケンサーとFDDを搭載し、ドラム波形を追加した機種で、VFXのROM音色をロードして使用。初代VFXと基本的に同じ出音とみなして良いと思います。内臓エフェクトのみを使用し、Steinberg UR824経由でCUBASE 7で収録しています。
- DFXは“UVI Workstation 2”にロードし、デフォルト設定のままVSTプラグインとしてCUBASE 7に立ち上げ、DAWでの加工は行わずに収録しています(最後のフレーズだけEQかけています)。
- 同じMIDIデータをVFX、DSXの順に数パターン再生してみました。デモ用にそれっぽく作ったものですので、フレーズについての評価はご容赦下さい。。。
- VFXの音色“SYMPHONY”はベロシティによる音色変化が少ないのですが、Digital SYNSATIONS DSXの“Full Stacked”はアンプ、フィルターのベロシティセンシティビティが高めになっているので、その差を埋めるため比較用に作成したMIDIデータのベロシティは 120 に固定しています。
- 手弾きする時には、ベロシティセンスは下げめにするのをオススメします。
- さらに、”SYMPHONY”っぽくするためEQを加えるとオリジナルに近づけることができるでしょう。 (動画の最後に“Voxengo CurveEQ ”を適用して試してみました)
- 5/15 追記
- VFX用ROMカートリッジの音色“ORCHESTRA-3”と比較すると、こちらはエディットしなくてもかなり原音に近い感じでした。こちらは改めて後日レポート致します。
- 今回は一つの音色に絞ったレビューでしたが、もちろん音色はまだまだあるので、また改めて試してみます。
- 往年の名機の音色をソフト音源として新たなクリエイティブに使える時代を、めいっぱい楽しみましょう!
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