REFERENCE36 基本仕様:アンティークゴールドラッカー仕上げ 彫刻模様あり、HIGH F♯キィ付き、サムレスト=プラスティック、サムフック=ブラス製、特製ハードケース付き、付属マウスピースは未定。
1936年当時を偲ばせる!?濃い色合いで光沢のあるラッカーから 華やかな音色を想像させるが、意外に太くかつ柔らかいそしてやや乾いた感のある響き方をするテナーである。
それぞれのキィの大きさがシリーズ2によく似ていて 手の小さ目の人でも操作しやすくなっている、キィアクションも反応が良く 音の立ち上がりが早く低音域も出しやすい。
また、フロントFキィのキィトップ部に指貝が配されていてルックス的に○、しかし今の楽器のキィに慣れている人は操作し辛いかもしれない、それと
キィが全体的にやや丸みをおびていて指ざわりが良い。
シリーズ3よりさらに軽量化されたネックは、吹き込む時の抵抗感が少なくスムーズに息が入って行く そのせいか高音域から低音域までバランスよく鳴り、ムラが少ない。

余分な装飾や補強が排除されたネック
そして 何より特筆すべきは音程で、アルトのシリーズ3のようなダブルC♯キィシステムを装備していないのにC♯の音程が良くなっており
また、それ以外の音も同様に向上している、これにより初心者でも楽に音程が取れるだろう。

軽量化されスマートな感じのボディ
また、今回これらのモデルの為に復活し採用されたプラスチック リゾネーターのタンポも音色に柔らか味をプラスする役割を担っている(現在
セルマー純正プラスチック リゾネータータンポは製造されていない)
では実際バランスアクションと比べてどうだ?と言うと素材や工法など時代的なギャップがあって同じモデルを復刻するのはまず不可能であろうし、音程やキィアクションなど退行させても意味が無い。(できればHIGH
F♯キィは付けて欲しくなかったが、、、)
リファレンス36はネックやボディに溶接する装飾部品や台座プレートなど極力減らし オールド楽器特有の自然な響きを得られるように作られている、昔の楽器と今の楽器の良い部分を併せ持っているサックスといったところだろうか。
今回試奏にはオットーリンク メタルを使ったがオールドセルマーのソリスト ラバーあたりも雰囲気的に良いかもしれない。 |