バンドレンリード吹き比べます。*クラシック編*

見た目、厚み、吹奏感まで徹底比較します!

2020-09-30 梅田店 管楽器担当の須谷でございます!

今回初めてのブログ更新ということで、
不慣れな点もございますがよろしくお願い致します!



さて突然ですが、まずこちらの写真をご覧ください。



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当店管楽器フロアの一角、管楽器の演奏に必要な小物のコーナーです。
そして今回の主役もここにいます。


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それはこの赤く塗った部分、ずばり木管楽器のリードです!!


とにかく種類がたっくさんあります。


初めての方はまず、「こんなに種類あってどれを買えばいいの?」
と絶対に思われるはずです。
もしくは、「いつも同じのばかり使ってるけど…他のって何が違うの?」
という方もきっといらっしゃるはず。



そんな方にぜひお届けしたい!今回のテーマはこちらです!




バンドレンリード、徹底比較!!



今回はリードの定番ブランド、バンドレンのリードから
アルトサックス用のリードを種類ごとに比較していきます!
今回はクラシック編と題して、主にクラシックや吹奏楽などにおすすめとされる
トラディショナルV12V21に絞ってご紹介していきます。



実を申しますとわたくし、元々はサックス吹きではございません…ですが!!
だからこその感じ方もある!!ある意味初心者目線での感想をお届けできる!!と信じて!!
後半は吹き比べなども行っていきますのでぜひお付き合い頂ければと思います!



それではまずリードの種類のお話です!


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バンドレンからは沢山の種類のリードが発売されていますが、
その違いは削り方の違い
どの部分に厚みを持たせているのか、どの部分が薄くなっているのか、素材の弾力性などによっても振動の仕方が変わってきます。




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まずリードにはファイルドカットアンファイルドカットと呼ばれる
大きく分けて2種類のカット方法があります。

リードの加工部分の根元は基本的にU字型にカットされていますが、
そのU字部分のまわりの表皮が一本線を入れるように削られているのがファイルドカット削られていないのがアンファイルドカット です。


音色の特徴としては、ファイルドカットは明るめで立ち上がりの良い音になるのに対して、
アンファイルドカットは表皮を残している分程よい抵抗感で、落ち着いたダークな音色になるとされています。
その為、一般的にファイルドカットクラシックや吹奏楽向き
アンファイルドカットジャズ向きと言われています。



そしてその2種類に分けられたうえで、厚みの残し方など削り方の違いで種類が分かれていきます。
メーカーさんのホームページにカットの違いがわかりやすく説明された図があったので
まずはそちらをお借りして比較してみます。




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図では弓形の角度が急なほど中心部が厚く、そのサイドが薄くなっていることを表しています。


トラディショナルは今回比較する3種類の中で、一番弓形の角度はゆるやかですね。
また、先端も他のリードと比べると薄めに作られています。
通称・青箱と呼ばれ親しまれる超定番モデルです。(どうみても紺色だけど…というツッコミもお約束)


V12はトラディショナルよりも中心部がグッと厚めになっていますね。メーカーサイト曰く「特別な形状のケーンを選別して製造している」との事でちょっとスペシャルな感じ…
先端もトラディショナルより厚めで、リードの振動面がより広くなっています。
さらに厚みが増したことで長持ちするようにもなっているとか。嬉しい!!




そしてV21。先程アンファイルドカットはジャズ向きとお話ししましたが、
V21はクラシック向けでありながらアンファイルドカットなのが特徴です。
リード自体が根元にいくほど狭くなる円錐型になっています。
アンファイルドカットといっても表皮の削り方はほぼ直線に近く、
U字型に削られたJAVAなどのその他のアンファイルドカットリードとも少し差は出てくるかもしれませんね。





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それでは、いざ現品で比べていきます。今回硬さは全て2 1/2で比べていきます。
「厚みの残し方が違うといっても流石に触った程度じゃ分からないか…」
正直そう思っていたんですが、触ってみてびっくり。
V12とV21は図でもわかる通り削り方の差はそこまで大きくありませんが
この2種類とトラディショナルを比べてみると、根元の方に厚みが残してあるのが結構分かります。




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ついでに裏面もチェック。「Vandoren」のロゴと番手表記の間に
何も書いていないのがトラディショナル、それ以外は全て種類が表記されています。
「今使っているのと同じものを買い足したいけどこれ何の何番だっけ!?」という時も、裏面を見れば一目でわかるというわけですね!





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ここぞとばかりにバンドレンのクロスを敷いてみましたが見にくかったですね…



お待たせしました!ここからはレッツ吹き比べ!!



マウスピースはSELMERのS80 C*(私物のためあまりキレイではありませんゴメンナサイ)
リガチャーもセルマーのもの、楽器本体は現行のYAMAHA / YAS-62を使っていきます。
(今回1種類につき1枚ずつ試奏を行ったので、ややリードの個体差が感想に出ているかもしれませんがご了承下さいませ…)




それではトラディショナルから順に結果発表!



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トラディショナルは今回の3種類の中では一番明るい音色に感じました。
反応も良いので軽く吹いても鳴りやすい!
店頭でも初めての方にはこちらをオススメしていますが
やはり最初はこれで間違いなし!という安定感があります。




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V12は3種類のなかでは一番まろやかなでまとまった音色で
バリバリ吹奏楽一筋で育ってきた須谷にはこちらが一番好みでした!
ですが芯に厚みが残してある分、トラディショナルの2 1/2に慣れた方だと少ししんどく感じてしまうかもしれません。




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V21は削り方としてはV12に近いのですが、今回吹いた感想としてはどちらかというと
音色はトラディショナルに近く感じました。
しかし、より深みや奥行きを感じる印象で、音色に伸びがあると感じました。





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3種類を吹き比べてみた感想ですが、どれが良い!悪い!ではなくそれぞれに色があります
今回は全て硬さは2 1/2にて比較を行いましたが、例えば同じトラディショナルであっても
硬さが変われば振動しやすさや、必要な吹き込み量が変わるのはもちろんのこと、
適度に硬さがあると思い切り吹き込んでも広がりすぎずにまとまった音色が鳴ってくれるので印象はかなり変わってくると感じます。


もちろん同じリードでも合わせて使うマウスピース、リガチャー、セッティング…
その組み合わせや相性でも音色はどんどん変化していきます。

あまりにも奥が深すぎる!!

深すぎて、初心者の方は特に頭を抱えてしまわれるかもしれませんが
同じく初心者の私の比較でも違いや好みは現れてきたので
少しでもリード選びの参考となれば嬉しく思います。





また次の機会には今回比較しなかったジャズ向けリードなどの比較もしてみたいと思います!
お楽しみに!

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それでは

皆様の相棒と呼べるリードが見つかりますように!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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