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ジョージ吾妻・インタビュー

Text by Kazuo Sumida 1/20

ジョージ吾妻氏

ジョージ吾妻氏
日本エレクトロ・ハーモニックス、キラー・ギターズの代表にして、5Xのギタリストでもあり、還暦すぎてもOVER KILLのTシャツが似合う、日本のメタル界には欠かせぬ時代の生き証人でもあり、ミュージシャンならではの視点で、世界各国から楽器の銘品を国内に紹介しつづけている。

日本エレクトロ・ハーモニックス取り扱い商品一覧
http://www.electroharmonix.co.jp/

5X情報
次回ライブ予定:5/16 横浜7th Avenue
オフィシャルHP:www.5xweb.com

――まずはジョージさんの簡単なプロフィールを聞きたいんですが、どのあたりから聞けばいいですかね?みなさん、音楽業界に入ったあたりから聞いているんですが?

どっから?(笑) 俺の場合、どっかに就職したとか、業界に入ったとかないいんでね(笑)

――じゃ、5Xか、この会社で働くようになったあたりからお聞きすればいいですかね?

まあ、そうだな、1982年、いや83年くらいかな、まだ5Xやっていて、まあよくあるバンドの不仲っていうかさ、一瞬不和が生じて、「ああこれはもうだめかな?」という時があって、解散というわけでもなく、自然消滅っていうか、みんなバラバラになった。だから解散コンサートっていうのはやってないんだよ。そういう雰囲気でもなかったしね。それで、そうだな俺はその頃、もう並行してエレハモもやっていたんだよ。78年くらいだったかな、その頃、最初は神田の神保町でやっていて、それから薬王寺のマンションに移って、それで今のとこにきたんだな(※現在は新宿区原町)まあ、その5Xの活動がなくなった頃がちょうど薬王寺にいた頃かな、それからこっちに移ってきて、その頃は、もうほとんどバンド活動もやってなかったかな。

――ということは、5Xはずっと継続しているってことですよね? 今も、メンバー変わってやっておられますし(笑)

わはは(笑) そうだな、正式な解散表明とかもしてないし、当時は、いつのまにかバラバラになったって感じかな。

――では、今の話しと時期もかさなっていると思うんですが、LOUDNESSとの出会いをお聞きしたいんですが、最初に会ったのっていつですか?一緒にライヴとかもされていましたよね?

浅草でさ、LOUDNESSのライヴがあるんで見ないか? って正雄ちゃんに誘われてさ(※デビュー当時、所属事務所ビーイングの初代マネージャー、ディレクターとして、また3期、4期は事務所社長としてもバンドを支えたN島氏)

――伝説の浅草公会堂のデビューライヴですか?

いや、浅草であったことは確かと思うんだけど、METAL FANTASYとかいうイベントだったかな? お前、どこだったか覚えてない?

――いや、一緒にやられたのは知っていますけど、まだ大阪で中坊だったもんで(笑)

ああそうか、まあ、とにかく浅草で見たのが始めてで、それまでのLAZYの事は全く知らなかったんだ。それから一緒に渋公だったかで2マンもやったし、イベントの時はY&Tとかも出ていたかな。。。それから「THUNDER IN THE EAST」につながるわけ。ああ、その前にダニーを紹介したりしたな(セカンド、サードアルバムのエンジニアを務めた、ダニー・マクレンド氏)

――そこから、がっつりレコーディングにはりついたのが「THUNDER IN THE EAST」ということですね。どうでしたか実際のレコーディング現場は、メンバーからも色々聞いていますが。。。

そうだな楽しかったし、苦しくもあったよ。とにかく長かったね。とにかくマックス・ノーマンが延ばしに延ばしていたからね(笑)

――ずうっとロスだったんですか?

ずうっとロスだよ。あの映画で有名な“SOUND CITY”さ。

――えっ? じゃエレハモはどうしていたんですか?

いや、その頃はエレハモ調子悪くて、ちょうど沈んでいったころだから(笑) その頃、NYの本社は倒産しているからね。売る物が入らなくなっていたんだよ。

――なるほど、それでロシア製が出てきたんですか?

いや、その前にいったん中国人の手に渡って、そのあとロシアだったな。まあ、ちょうどそんな過渡期で、時間もちょうど空いていたし、長期間ずっと海外にいれたんだな。

――そうですよね。ロッキンFやヤンギで、ジョージさんが一緒に映っている記事を読んでいましたよ。

そうらしいな。でも俺それはみてないんだわ(笑) まあ、でもタッカンのギターを最初に聴いた時には衝撃を受けたね。こいつは全然違うなと思ったね。それまでにもチャーさんとか、高中さんとか、まあ鈴木茂さんとか芸風は違うけど、俺のまわりにも凄いギタリストがいっぱいいて、一緒に演奏したり、飲んだりつるんだりしていたんで、凄いギタリストのプレイがどんなもんか、肌でも感じていたんだけど、全く違った次元のプレイヤーが出てきたなと思ったね。

写真――そうでしたか、で、次のアルバム「SHADOWS OF WAR」もマックスでしたよね? それもジョージさんずっと一緒に行っていたんですか?

そうだよ。ていうか、あれは東京でやっていたからね。なんだっけ? 六本木のほら?

そうそうSEDICだな。(今の六本木ヒルズあたりにあった、当時、日本で一番料金も高かったという高級スタジオ)

――そうでしたか、その次の「HURRICANE EYES」もずっと一緒に?

そうだよ。あれも東京でやっていたからね。いや、行ったり来たりだったかな。

――それから「ON THE PROWL」ですね。マイクと。自分もずっといましたし。じゃあ、やっぱりべったりレコーディングについたのは「THUNDER IN THE EAST」なんですね。

そうだな、THUNDER、SHADOWそれから、SOLDIERはどこでやったんだっけ?

――あれは、後半から自分も参加していますけど、アメリカでやっていて途中でVOCALが変わって、最後の方、東京でもマックスが作業していた気がします。

あと、ライヴのなんかもやったな。誰だっけあのマックスと一緒にやっていたエンジニアの。

――ビル・フリーシュですね。

そうそうビル、あいつがやったライヴ盤かなんかもあったじゃない? あれ目黒のパイオニアだったかな、ずっと一緒にやっていたな。

――前後しちゃうかもしれませんけど、レコーディングでいうと、その後、さっきの「ON THE PROWL」があって、べったりだったのはその辺までですかね?

いや、あるよ例の三枚。

――あっ、通称インド三部作。そういえばジョージさんのホームグラウンド、サンフランシスコでやっていましたもんね。

そうそうインドね(笑) ダニーも復活していたし。シスコっていうかヘイワードだな。

――その後、オリジナル・メンバーにもどってからは、レコーディングへの係わりはあんまりですよね。

そうだな。レコーディングのやり方自体が、変わっちゃったからな(笑)

――そうですね。で、ジョージさんといえば、今年のNAMMで動画インタビューにもなっていたHUSHとの出会いがあると思うんですが、あれも「THUNDER IN THE EAST」の頃ですよね?

そうだよ。日本でライヴがあるっていうんで「これ試してみて」みたいな話しがあって、タッカンが持って帰ってきて、セットアップして試してみたら結構凄くて、本国にコンタクトしてみたら、そこから荒井貿易と取り合いになったんだな。

――へえ、荒井貿易さんも眼のつけどころがいいですね。

そうなんだよ。N川だな(笑) その後、結局あいつもエレハモに来るんだけどねぇ。

――まあ、その後、色々ありましたね(笑)

あったね(笑) まあ、そのおかげで、タッカンが見つけたHUSHでは、いい思いもさせてもらいましたよ。

――当時といえば、HUSHとはセットで、改造AMPも流行っていましたけど、ホゼとかもジョージさんが仲介してあげたんですか?

いや、あれは違うな。リー・ジャクソンのからだな。

――そうでしたか、その後、リー・ジャクソンは、METALTRONIX(※現在はディスコン)ていうブランドで、エレハモでも代理店していましたもんね。

そうだな。あれもタッカンには使ってもらっていたし、よく歪むメタル用のマーシャルってかんじかな。

――その後、レコーディングだけでなく、海外公演とか一緒に行っていますよね?

そうだな2011年のアメリカ・ツアーとか、けっこうな規模で、その前の2006年、樋口が一緒にいった最後のヨーロッパのフェスも行ったよ。その前の三部作の時も、柴田と本間の時も、ヨーロッパとか行ったな。もがいていましたよ。結構フェスとかも出たしね。その頃から考えると、もう十数年、あながち海外で露出がないわけじゃないんだけどな、海外のやつらが言うみたいには(笑)

――そうですね。継続してやりつづけられてなかったのが、そう思われても仕方ないのかも。

そうだな。間は確かに空いちゃっているしな。地理的にも、色々難しい面はあるわな。

――アジアとかも行っていましたよね?

行きましたね。インドネシアのジャズ・フェスティバルですかね。あれけっこう大きいんで、2年連続行ったね。あと、マレーシアも凄かったね。あれは盛り上がった。
確か、前もマレーシア行っているんだよな、THUNDERの前くらいだったかな。いや、待てよ? ベセラになってからだったかな。俺は行ってないけど。

――それ89年のシンガポールですね。自分も行きましたけど、最初マレーシアも日程組まれていたんだけど、当時は長髪が入国できないとかで中止になって、シンガポールも同じような感じだったんで、みんな機内でヘアバンド渡されて、髪もなでつけて、うしろで結わえた長髪は襟の中にしまって入国しましたよ(笑) 6,000人の動員で二日間やりましたよ。今は、カジノやら、ハードロックホテルのできている、セントーサ島の噴水ショ―をバックにね。

そうか、シンガポールだったか。シンガポールは最後に行った時、あまり盛り上がらなかった感想だけどな。

――今のシンガポールは、ロックはなかなか厳しいでしょうね。人口総数といい、住んでいる金持ち達の芸風といいねぇ。インドネシアや、マレーシアからも来てもらわないと。

そうだよなあ。ヴィジュアル系は人気あるみたいだったけど。。。

――アジアは、男前や、可愛い顔が人気なんで、J系やらK-POPは人気ですが、V系はライヴの動員となるとそんな入ってはいませんよ。ワンオクくらいじゃないですか、日本のアーティストで動員あったのは。

そうなんだ。

――そうですね。では、この辺で、LOUDNESSで一番印象に残っている思い出とか、大変だったエピソードとか、みなさんに聞いているんですけど、ジョージさん色々ありすぎてですよね?(笑)

そうだな。想い出ってなんなんでしょうね(笑) まあ、一番大きいといえば、やはりタッカンとキラー・ギターを作った事だろうな。

――キラーっていつできたんでしたっけ?

86年か、87年だったかな。その頃に立ち上げて、俺と、A木と晃で、アキラ、Akillerみたいな語呂合わせでキラーになったんだよ。

――もう30年近くなりますね?

でも、立ち上げた頃はごちゃごちゃで色々大変だったんだよ。ESPとも色々もめて、最後はいい落とし所がみつかって、ESPさんとは、今もいいお付き合いさせてもらっているけど、本当、S谷さんのおかげだな(※BIG BOSSことESP創始者のS谷氏)。S谷さんがいなければギターメーカーとしては、存在してなかっただろうね。

――エレハモの取り扱い製品といい、キラーといい、ジョージさんと高崎さんの楽器の関係性は深いですね。

そうだな楽器に関しては、タッカンとはつながりが深いな。

――では、そのあたり、高崎氏が使っている機材の話しを、ジョージさんにもお聞きしたいんですが、キラー・ギターは本人も各所で話しているしいいですかねぇ。

そうだな。その辺は、鈴木の方が詳しく知っているから、そっちに聞いてくれる?(笑) まあ、いい楽器であることは間違いないよ。

――じゃ、ギター本体に関しては、鈴木さんに登場していただく回にお聞きするとします。

ここ何年かでエポック・メイキングだったのは、あのでかいラック・システムから、ペダルに変わったってのが衝撃だったかな。25Uくらいのでかいのあったじゃない? ペダルにして軽量化をはかったわけでもなく、みんながそうなっていったから、タッカンだけじゃなく世の中のトレンドだったのかな。決してラック・システムが悪いわけじゃなかったんだけどね。今の時代も、全然通用するはずなんだよね。

写真――そうですね。最近、テックさんとかとも話していると、足元までのケーブルの引き回しとか、ノイズの問題とかも考えると、高音質求めるなら、またあっちに戻るのかな? という思いもありますね。本人も、プリ+パワーのセパレートなシステムですし。

まあ、あそこまで大きなシステムは今はいらないと思うけどね。昔はアナログだったから、ディレイも2台必要になってきたり、たくさんユニット入れていたからね。

――そうですね。ここらでジョージさんのところで扱っている機材の件も、聞いていきたいんですけど、今は、足元のボードに入ってないですけど、レコーディングで使ったペダルで、あのシタールのやつとか。

Ravishね(※注1)シタールの音が出せるやつね。

――ジョージさんも使うんですか?

いや、俺は使わないよ。自分の曲では使える箇所がないからね(笑)

――ちょいちょい雑誌の機材紹介とかでは、若いバンドの子でも使っていますよね?

そうなんだよ結構人気あるね。あれとPOG(※注2)は、皆さんよく使っているよね。音も太くなるし人気なんじゃないかな。

――あと、レコーディングではRTG(※注3)っていうのも使ったんで、本人はインタビューとかでも喋っていますよ。

RTGなんか使っている? まあ、あれは唯一自分で音を発するエフェクターだからね。

――本人に「面白そうだから借りてきてくれる?」って言われて、スタジオで開けてみたら、インプットもないし、どうやって使うのかな?って、2人で始め悩みましたもん(笑) あと、コーラス、フェイザー系のスモール・クローン(※注4)、スモール・ストーン(※注5)もオリジナルから、ナノ・シリーズまで、色々使っていますね。

そうだな。そうそうRTGといえばさ、ランダム・トーン・ジェネレーターの略なんだけど、実際は全然ランダムじゃないっていうのを、正雄ちゃんが発見してさ。あいつも拘るから、一番最初に買ったんだけど「ジョージ、これランダムじゃねえよ」って言うから、「ウソだろ?」って色々試してみて、スピード早くして聴いてみたら、どっかで元に戻る規則性があったよ。まあそういうのも含めて、面白い機材ではあるよな(笑)

――あとは、先日、楽器フェアでもロジャー・メイヤーも来ていたんで、パワーアンプの話しもいいですか?あれも長く使っていますよね。

あれは長いすね。ありがたいとしかいいようがないけど。先日もロジャーに「もう一回RM6550(※注6)作れないのか?」と言ったんだけど、なかなか首を縦に振らないねぇ。相当大変らしい、今あれ作るのにパーツ集めるだけでも。みたいなね。

――厳選しすぎた結果ですか。。。

そうだな、MADE IN UKだったり、自分で組み込みだったり拘っているからね。

――もう25年位前から、本人は気に入って使っていますよね?

ま、海外とかは持って行けないんで、現地でマーシャルやら、VHTやら、違うのを借りたり色々やったけどね。

――今は、プリだけ持って行って、マーシャルに突っ込んで上手く行ってまいす。まあ、普通にストックのマーシャルのヘッドでも何でも、高崎晃のが音出せるんで、大丈夫だと思いますけどね。

そうなんだよ。だけど自分の機材でやる安心感っていうのも、ミュージシャンにはあるからね。同じような音は出ても、やっぱり同じようには表現できないっていうかね。

――なるほど。さすが、ジョージさん。だからジョージさんも、赤いマーシャルのキャビを、ベンツに無理やり積み込んででも、御自分のライヴには運ぶわけですね(笑)

ははは(笑)そうなんですよ。あれ面白いよな。あれLAZYの頃に使っていたのかな?タッカンに最近借りているんだけどさ、あれでしか出ない音があるんだよ。モコッとした音でね。

――そうですか、本人のキャビも、ユニット替えても「やっぱりこのキャビでないと」って、最近は特に言っていますもんね。

やっぱりさ、キャビの音色っていうのもあるね。俺が思うには、やっぱり木なのかなぁ。スピーカーももちろんあると思うけど、半分以上は木もあるよね。

――あとは、RM製品だとAXIS FAZZ(※注7)は前から好きですよね。こないだの楽器フェアでも、ソロ用にTCシリーズ(※注8)のをボードに組み込んでいったんですけど、ソロで踏んでいましたよ。

あそうだったの?マーくんもRM58(※注9)気にいってくれているしね。ロジャーも年齢的にあと何年続けられるのは分からないけど、頑張って欲しいよね。(※現在69歳)

――ロジャーのところは工場があって、組み込む作業員が何人もいるってかんじでもないんですよね?

そうだよ。ほとんどあいつと、あと奥さんが少し手伝っているくらいで。

――イギリスってそうなんですかね? ピート・コ―二ッシュのとこも、奥さんと二人でそんなかんじですよね?

そうだな。あんまり規模を大きくしたくない。とかそういうのがあるのかな。英国人の職人気質として。とにかく中国製品は、あまり評価してないよね。

――そのあたりアメリカと違いますよね。アメリカはある程度大きくして、誰かに会社を売って、あとは南の暖かいほうに行ってのんびりするみたいなイメージですが(笑)

そうだな。イギリスって、あんまり大きな楽器メーカーってないもんな。マーシャルや、オレンジがあるか?でも、オレンジも一回死にかけていた会社を、誰かが入ってマーケティングが成功したのか、今、復活しているかんじで、大きくし過ぎないのが英国の会社のいいとこかもね。

――オレンジは、モダンへヴィーから、ブリティッシュ系までギター、ベース共に人気ありますよね。イギリスのミュージシャンって、やっぱりオレンジ、マーシャル、VOXって自国の楽器良く使いますよね? そういう意味では、Sirポールがメサなのは驚きですけど(笑)

そうだな。メサ/ブギーはアメリカだな(笑)

――では、また話しが戻りますけど、海外ツアーの想い出とかないですか?

がははは(笑) そりゃお前、どうしようもなく色々ありすぎてさ(笑)

――ですよね。最後の中国は、実のところどうだったんですか?

あれは、当時、尖閣諸島などの問題が起きていたんで、相手に何度も確認したんだよ。でも、大丈夫だ。大丈夫だ。っていうもんだから行ってみたら、前の晩に「ちょっといいか?」って呼ばれて「どうしても当局がOK出さないから明日はできない」って言うもんでさ、「だから、確認してくれって何度も言ったじゃないか?」って押し問答があって、で何ともならなくて、「来ているのがばれても困るから、会場にも現れないでくれ」みたいな話しで、結局もらうもんはきっちりもらったけど、みんなでマッサージして、レストランで美味しい中華料理食べて帰ってきたというね。中国の貴陽(クイヤン)っていう山奥まで行ってね。あれは、後にも先にもない凄い経験だったな。長い歴史の中でもね(笑)

――さすが凄い話しですね。自分も北京で似たような話があって、前のオーナーと、現オーナーのトラブルとかで、開場して本番10分前くらいに、楽屋の扉を蹴破って40人くらいが殴りこんできて、メインの電源をハサミで切り落とすは、PAのINPUT抜き始めるは、照明のトラスは下がってくるわで、身の危険を感じて、暗闇の中、機材をパッキングして脱出したことありますけどね。220V来ているメインの電源をハサミで切るなんてね。2本一緒に切っていたら感電ですよね。そこは冷静だったのかな(笑)

言ってたなそんな話しも。そう考えると、事故とか、機材が盗まれたりだとか色々あるよな(笑)

――ま、正確には機材を人質に取られ、その後、売り飛ばされたですけどね。今となっては、どちらも笑い話ですが(笑) 話しが飛びますけど、楽器店さんの企画なんで、今のエレハモ取り扱い製品で、押しものとかありますか?

最近出たB9(※注10)や、C9(※注11)あれはいいと思うぜ。使いようだとは思うんだけど、実際自分がライブで使うとなると、ギターがオルガンになっちゃうんでなんだけど(笑) ギターが二人いるとか、他の楽器がいるバンドとかは面白い使い方できそうだな。あとRadial製品(※注12)だろうな。最近はDIを中心に、アコースティックでも欠かせないし、あとベースで評判いいのはTaurus製品(※注13)かな。

――タウラスっていうと、足鍵のあっち思い出しますが、どこの製品なんですか?

あれはポーランドだよ。

――また、珍しい国から探し出してきましたね。

今は、その辺が人気ありますね。あとTwo Notes(※注14

――スピーカー・シミュレーターですか?

これ、最近アメリカで人気爆発しちゃったみたいで、来年の春まで入荷待ちなんだよ。

「アメリカ人が買いにきて、倉庫のやつも全部買っていったんで、一所懸命作るけど、春まで待ってくれ」って。

――凄いですね。これはフランスでしたよね。

写真そうそうフランス。あとは、俺の発明品で、ていうか発明でなく、企画なんだけどPOWER TANK(※注15)ね。これは便利でいいと思うんですけどね。楽器用の9Vってことで、けっこう今年は売れてますね。

――本人のボードでも、ステージでノイズがシビアな時に使ったりしていますよ。

おや、そうなの?

――でもACつないだまま使うと、やっぱりノイズのりますね(笑)

そう。それはダメだよ。電池はけっこう持つと思うけどね。あとdiagoで出しているアイソレーター(※注16)とか使うと、デジタル機器なんかにはいいと思うしね。

――電源は深いですね。本人の機材も、電源やら、ケーブルやら精度があがりすぎてきて、小さなノイズが増幅されるみたいな、逆転現象も今は悩みの種ですもんね(笑)

電源は行く先々で変わるし、リハスタとかライブハウスじゃ酷いとこあるもんな。

――そういう意味じゃ、最近はやりのケンパーとかをステージ袖に置いて、それだけでできれば、ノイズの干渉も少くいいのかもしれませんね。ACCEPTがケンパーなのには驚きましたが。。。

そうだな。けっこう初期からあいつは使っているんじゃなかったかな? 開発とかにも関わっているかも。あと、フラクタル。あれも品薄になるほど人気みたいだな。どれも30万とかけっこういい値段するけどね。

――でも、昔はヘッドがそれくらいの値段でしたもんね?

まあな。でも今いいヘッドがあっても、運ぶのには重いしな。ヘッドで一番人気なのは、やっぱりフリードマンだな。でも、あれもホゼや、リー・ジャクソンの改造アンプと同じで、アンプは音の流行りすたりがあるから、けっこう時代によってトレンドが変わりますよね。昔はベース・アンプでもEDENが一番売れてとかあったけど、最近聞いた話だと、ダントツで売れているベース・アンプとかないみたいだな。昔はトレースエリオットとか、アンペグだ、古くはアコースティックってあったじゃない?まあ、アンプの宿命だろうな。

――そうですね。では、ここらで今後のLOUDNESSに期待することお聞きしたいんですが?

そうだな。やっぱりもっと海外に向けてアピールしていってもらいたいね。多くの人に見せてあげたいね。タッカンもそうだし、LOUDNESSとしてもだけど、もうこんな時代なんで、バンドでいつも動いてなくても、タッカン1人でどんどん世界に出て行って欲しいね。色んなコラボもしていったらいいと思うし、バンドってやっぱり動くとなると所帯も大きいし、ツアーしなきゃとか経費的な問題も出てくるけど、1人だと身軽だしね。そういうのも期待しちゃうな。為替的にもいいわけだし、どんどん外貨を稼ぎにいかないとね。例えば、昔1本$10,000のギャラが80万だったから経費的に行けなかった。でも、今じゃ120万って考えたら行けるしねえ。

――そうですね。「どんどん海外に出て行こう」ってミーティングも重ねていますし、メンバーのケツもたたいて頑張ります。あと、これ楽器小売店の記事なんで、楽器ユーザーにもメッセージもらえますか?最近、他のメーカーの方とかと話していると、バンドは増えているんだけど、楽器にこだわりがない子供たちが多いので、もっと自分の音を追求するようになってくれれば、楽器業界も景気いいのに、みたいな話しも良く聞きます。

そうか、今どうなんだろうな。「自分の音は捨てている」っていうのでも困るけど、昔みたいに「誰かみたいになりたい」とかっていう、ギター・ヒーロー願望みたいなのも夢に見られにくくなっているし、それよりもゲームの音楽を作るみたいな、クリエーター思考の方が多いのかな。やっぱりさ、儲からないと、その商売自体が夢のない話しになるわけでさ、ミュージシャンもいつもかつかつな姿まで見せちゃっているとさ。俺なんかは、こうもっとフラッシ―に、うんと儲かるような奴が出てくるといいと思うよね。いるにはいるんだろうけどさ、あまり表に見えてこないというか、今日もニュースでみたんだけど、FX為替で10数億儲けているとかさ。個人でそんなことできるの? みたいな。俺が若い頃にギター弾いてなかったら、ああなりたかったんだろうなみたいなさ(笑) 当時は、ロック・スターになったら、いったい幾ら儲かるの? みたいな感じだったからね(笑) まあHERO不在の時代だな。そういう時代は、もう終わったのかも知れないし。まあでも楽器がなくなるわけではないし、いい楽器を求める人もいなくなるわけではないので、少子化の時代にしょうがないんだろうし、ネットでポチっと買える時代に、我々含め、小売店も売り方を考えて活路を見出していくべきなんだろうね。昔はさ、店員から説明受けて、音出して、値引きしてもらって、その店員から買う。みたいなのがあったけど、今は、価格を比べるサイトがあったりさ、エフェクターなんか、レビューだけ読んでそのままみんな買っちゃうんだもんね。まあ、文句だけ言っていてもしょうがないんで、我々も考えて対応していくしかないでしょう。売り方を研究しないとね。欲しい人はいるのに。

――そうですね。今日はどうもありがとうございました。ジョージさんと知り合って、もう30年になりますし、我々の備忘録として活用します(笑) 年明けは、NAMM、メッセと海外出張も続くので、お身体にはお気をつけくださいね。

注1:electro-harmonix / Ravish Sitar

注2:electro-harmonix / POG Polyphonic Octave Generator(2型)

注3:electro-harmonix / RTG Random Tone Generator

注4:electro-harmonix/ Small Clone EH4600 Full-Chorus

注5:electro-harmonix / Small Stone EH4800 Phase Shifter

注6:ROGER MAYER / RM6550 Power Amp

注7:ROGER MAYER / Axis Fazz

注8:ROGER MAYER / Axis TC

注9:ROGER MAYER / RM58 Limiter

注10:electro-harmonix / B9 Organ Machine

注11:electro-harmonix / C9 Organ Machine

注12:Radial engineering
カナダ発の音響関連機器メーカー、DI、Reampなど代表機器も多数。

注13:Taurus
ポーランド発、ペダル型アンプヘッドなど独自の視点のペダルなどが人気。

注14:Two-Notes AUDIO ENGINEERING
フランス発、Torpedoをはじめとするスピーカー・シュミレーターで人気爆発。

注15:POWER TANK/ RECHARGEABLE POWER SUPPLY

注16:diago/ Isolator Adaptor

2014年12月末都内某所にて

インタビュアー

隅田和男
17年ぶりにマネージャーに返り咲いた、現マネージメント/カタナミュージック代表。
山下とは「友グレFC」の会長と書記だった事も(といってもサッカーではなく、もちろん釣り倶楽部)酒と食と楽器収集癖で世界を奔放している。