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山口峰人氏・インタビュー

Text by Sumida 2014/8/5

山口峰人

山口峰人氏
モリダイラ楽器 アーティスト担当。様々なアーティストの楽器のケアをし、業界にも顔が広い。最近酒に飲まれやすいという噂あり。休日は地元を愛車でポタリングする。

――まずは、山口さんの簡単なプロフィールをお聞かせください。

モリダイラ楽器一筋33年。今年で34年目になりますかね。

――おっと、81年入社? ラウドネスのデビューと一緒じゃないですか?

あっ、そうなの?

――こんなところにも縁というか、つながりがありましたね(笑)

はははは(笑)

――ラウドネスとの出会いをお聞かせいただけますか?

えっとあれはメサ・ブギー(※現在はキョーリツ・コーポレーションが代理店)だったと思うんですけど、確か当時のマネージメントのN下さんからだったかな「高崎をモニターにしないか?」みたいな話しで、六本木のマッドスタジオにアンプを持って行ったのが最初だったんじゃないかなと思います。で、結局、中野サンプラザでライブをやった時に、6スタックくらい並べたんじゃないかな・・・それで、そのあと樋口さんから「ゴングなんとかならんのかいや」みたいなアプローチがあって、これまた六本木のビルの6Fくらいにあったスタジオなんだっけ?

――今はなきSEDICでしょうね。「SHADOWS OF THE WAR」のレコーディングの頃じゃないですか? 確か、ブギーもその当時だった気がします。

そうそうSEDIC。で「50インチのゴングなんとかなりますか?」みたいな話しで・・・

――当時って、パイステしかそのサイズなかったんでしたっけ?

いや、既に他のも持っておられて、パイステを試してみたかったのかな?で、結局、買う買わないの話しになってしまって…(笑)

――ふふふ、いつもの感じですね(笑)

そうそう、それで、その時の話しはそれで御破算になりました(笑) これが二度目の出会いで、その後は、樋口さんからも何度か連絡貰うようになって、「REMOのドラムはどうなんや」とか、「パイステに移ったらなんぼくれるんや」みたいな感じでしたね。メーカーさんとのモニター契約の更新時期には、そうやって必ず連絡来ましたね(笑)

――大事ですからね。樋口商店はそのあたり商売上手でしたし、ある意味強引でした(笑)

ですね。あと思い出深いのは、AC/DCのオープニングでアメリカツアーに行った時に、マネージャーがトンズラしちゃって、楽器が戻ってこないとかいって、右往左往したことがありましたね。でも、結局戻ってきたのかな…

――ですね。本当に戻ってこなかったのは、僕が最後にいったアメリカツアーの時ですからね。ツアーキャンセルした肩代わりに楽器を売り飛ばされてしまって…今じゃ笑い話ですけど(笑)

ははは(笑)あったね。そんなことも…あと想い出深いのは、麹町にあるテレビのスタジオなんだっけ?

――日テレですかね?

それじゃなくて、神宮前のスタジオなんだっけ?

――NHK?

じゃなくて、どこだったかなTBSだったのかな、テレビの収録で、ブギーを持って行かないとダメなのに、間違えて麹町のスタジオに持って行ってしまって、AMPが大写しで出る企画で、マネージャーのN下さんに「持ってこいや」って言われていたのに、結局収録にも間に合わなくて、こっぴどく叱られましたね(笑)

――ま、人ですからね。ミスもあります。

この3つの出来事は、自分の中でもラウドネスとの出来事で思い出深いですね。あと、樋口さんがうちの地下スタジオで、個人練習よくしていましたね。夜は、私は逃げていましたけど(笑)

――そうですね。夜の飲み相手を探し始めますからね・・・領収証切れそうな人から(笑)

そう、飲みの相手をね。その当時、自分はR&Dという、アーティスト窓口をやっていたので、毎晩ライブや、レコーディングスタジオに顔を出していましたね。それから十数年して、また営業になったんですけど、まわりまわって、今年からまたアーティスト担当をやることになりました。

――そうなんですね。ラウドネスも、けっこうモリダイラさん取り扱いの楽器使っているので、これを期に、またいい関係を築けるとですね。そんな流れで、機材の話しを聞いていきたいんですけど、高崎の機材は、けっこうこちらもセレクトして、本人が試して気にいったものを使うスタイルでやっているんですが、山下のベースDI(※注1)はどんな感じだったんですか?

あれは、「山ちゃんDI欲しいんやけど」って連絡もらって、今も使っていると思うんですけど、彼は前のバンドの時からけっこうつながりがあって連絡もらったりしていました。

MXR M80――ブラッドサーカス? スペード?

スペードですね。

――シーズ所属でしたからねY井さんつながりだ(笑)

ははは。ですね(笑)

――ベースDIの推し所はどこですか? けっこう使っている人多いですよね?

今でも、月に100台以上売れているし、使いやすいし、プリアンプとしても使えますがクリップするのでディストーションとして使う人も多いです。あと、ドラムの方からは、アクエリアン(※現在はTMCが代理店)の注文は良く入っていましたね。

――なんでも試してみたいタイプでしたからね。外タレが使っているのを雑誌とかで発見したら、日本に輸入されてないやつでも「あれやないとあかんのや」っていうタイプでしたもんね。

アクエリアンのヘッドは気にいってもらっていましたね。

――あと、山下のタウラスもそうじゃないんですか?

あぁ、あれも売りましたね。

――「ちょうだいや言ったのに、高かったわ」って言っていましたよ(笑) 最近、また昔の曲とかもやるのでよく使っているんですよ。

ははは(笑)でも、もううち代理店やってないんですよね(※現在はKORG/KIDさんで取扱中)

――高崎の機材の話しもしたいんですが、最近かなりの頻度で使用されているのがMICRO FLANGER(※注2)ですね。80年代のLEDなしのも、デジマで購入したみたいですけど、現行のやつのほうがかかりもいいって、気に入って使っていますよ。

そうなんだ。けっこうフランジャー使うの? フェイザーはギタリストの定番な気がするけど、フランジャーって珍しくない?

――いや、ヴァンヘイレンとか、ラウドネスの過去の曲でも数曲あるし、ハードロック系の楽曲で、ここ一番に使う事よくあると思いますよ。ノブが4つついた、電源で取るタイプのフランジャーあるじゃないですか?樋口さんもドラムソロは、PA卓であれかけてフランジング効果出していましたよ。ソロの終盤でシンバルを連打するとことかでね。

そうなんだ。

――あのフランジャーも人気ありますよね。EVHモデルでも、フェイザーとならんで出ていますし。

MICRO FLANGERは、コンパクトで、セッティングもしやすいので、いいと思いますよ。

――本人も、足元で曲によってセッティング変えて使っています。あと、この前のツアーから、コーラスも変えてZWモデル(※注3)のコーラスも使っていますよ。

そうなんだ。

――ザックは、弦から、ワウ、オーバードライヴにフェイザー、色々出していますよね?

ザックはね、ジムと大の友達なんですね。凄く仲良いんで、もうファミリーみたいなかんじですね。何年か前のNAMMで、ギブソンのパーティーがあって、ジムと一緒に行ったんですけど、壇上にザックとか、コーンのギタリスト、今メタリカで、ジムダンでも弦を出しているトゥルージロとか、沢山ミュージシャンがいて、MCでシャロン・オズボーンが出てきて、壇上のみんなを1人づつ断罪していくんですね。「こいつは女癖が悪くて、いついつホテルにこんなやつを連れ込んで・・・」「こいつは酒癖が悪くて・・・」後になるほど、何をばらされるのか、みんなびびりあがっていてね、あれは面白かったなぁ(笑)

――シャロンの前じゃ、大物アーティストもみな形無しですね(笑)

まあ、そんなこともありつつ、ザックはジムダンロップ・ファミリーということですね。

――あと、小物関係だとDC BRICK(※注4)も使っているんですが、あれはどうですか?

これも売れていますよ。9VX8、18VX2ジャックがあり、2アンペアーの容量があるパワーサプライは、他にはないと思います。アクセサリー系最近はずいぶんやっていますのでね。もちろんオレンジや、ディーゼルなんかの大型アンプもやっていますけど、タッカンよりのアンプではないかもですね。

――あと、ジムダンロップ・ファミリーだとワウも使っているんですが、今、けっこうな種類でていません?

そうですね。クライ・ベイビーは15種類くらいあるかな。

――売れ筋とかあるんですか?

GCB95、あとはGCB95Fが売れ筋ですね。あとCM95、これはあっという間に売れて、今は品切れしていますね。クライドマッコイで、中味も全然違うんですよ。やっぱり、ワウと言えばVOXか、ジムダンかで人気を二分しますからね。

――高崎のもGCB95ですね。色が気に入って買ったら、かかりも気にいったっていって使っていますよ。後は、高崎が使っているのでいえばWAY HUGEのリングモジュレーターですね。

RINGWORM(※注5)買っていただきましたね。5つのモードの波形が選べるのは、便利です。WAY HUGEはMXRには及ばないですけど、売れてきていますね。最近ジェフ・べックが使ってるアナログディレイなんて全然入ってこないですからね。

――アクアパス(※注6)ですか? ジョン・メイヤーも使っていて、一時凄い人気でしたね。同じグループとして、カーボンコピー売りたいから、作ってないんじゃないですか?(笑)

ははは(笑) WAY HUGEはジョージ・トリップスっていう技術者がいて、彼が色々開発しているんですけど、去年来日して色々雑誌のインタビューなんかもうけていましたね。なかなかリングモジュレーターっていいのがないんですよね。

――NAMMでジョージさんは紹介いただきましたね。本当はモーガーフォーガーを勧めようと思ったら、モリダイラが代理店じゃなくなっていたんでね(笑) あと、去年ロスで、ウリ・ロスが使っているのを見たから個人的に気になっていて・・・

ありがとうございます。機材の話しはそんなかんじですかね?

JD CM95――はい。今後のモリダイラさんの推しものとか、ラウドネスに使わせたい機材とかありますか?

今のとこジムダンの新商品は全部入荷したんで、クライドマッコイ(※注7)は売れ筋になりそうで、カーボンコピーも順調に売れていますし、シンズのワウ(※注8)も、タッカン向きじゃないかもしれないんですけど、けっこう高いのに売れていますね。ダンブロイド(※注9)もアメリカは凄く売れていますね。

――まあ、ダンブロイドは自分も持っていますし、ヴォリュームペダルにつづく、シンズさんのヒット商品が生まれましたかね?

アメリカじゃ、ヴォリュームペダルは全然売れないんですけどね。

――高崎も使わないですし、自分もメタルってくくりで、ペダル使う意味がわからないんですけどね。使わないのに信号ロスするものつなぐ必要ないし、バックバンド的なギタリストにはマストアイテムでしょうけど。

とにかく、ヴィンテージを研究して作り込んだワウなんで、タッカンにもオススメかもしれないですね。あと、完全ハンドメイドで、全部手で削っているという新製品のピックがあって、それお勧めですね。ちょっと持ってくるね…(待たされること30分/笑)

――なるほど滑らかですね。NAMMで見せてもらったやつですね。

いいでしょ?

――今後のラウドネスに期待することや、メッセージいただけますか?

やっぱり、昔ラウドネスが流行っていた時期は、なんのかんのいいながらラウドネスがシーンを引っ張っていたし、今もやっているバンドいますけど、残した実績は圧倒的に違うので、もう一回、俺達の気持ちを燃え上がらせるようなアルバムを作って欲しいですね。そして、もう一回バンドやってみよう! って、おじさんたちも奮い立つようなふうになると、楽器業界は助かるんですけどね(笑) あと、若い子にも、こんな素晴らしい音楽があるんだっていうのを体験して欲しいですね。

――楽器ユーザーにメッセージをいただけますか?

昔はバイトして楽器を買って、楽器を大事にしていたので、みなもまずは楽器を大事にして欲しいですね。アーティストにあこがれて、同じ楽器を買って、同じフレーズを弾くような醍醐味を味わって欲しいですね。なんだかんだで、自分も500万は楽器につぎ込んだと思います(笑)

――今でも楽器弾くんですか?

弾いてないです。もうほとんど持ってないし(笑) 趣味を仕事にしちゃったから、逆に別の仕事についていたら、今もやっていたかもしれないですね。上で働いている社員にも多いんですけど、うちのS木っていうのも40歳になって先日バンド解散しましたし(笑) こんなかんじで記事になりますかね?

――いえいえ本日はどうもありがとうございました。続きは神田のガード下でですね(笑)

8月某日都内にて

MXR M80

※注1 MXR / M80 bass d.i.+

※注2 MXR / M152 micro flanger

※注3 Vigier Arpege V4ECC BRS MY

※注4 MXR / M237 dc brick Power Supply

※注5 WAY HUGE / RINGWORM WHE606 Ring Modulator

※注6 WAY HUGE / AQUA PUSS mk2 WHE701 Analog Delay

※注7 Jim Dunlop / CM95 Clyde McCoy Cry Baby Wah Wah

※注8 Shin’s Music / Delicious Vintage WAH

※注9 Shin’s Music / Dumbloid

インタビュアー

隅田和男
17年ぶりにマネージャーに返り咲いた、現マネージメント/カタナミュージック代表。
山下とは「友グレFC」の会長と書記だった事も(といってもサッカーではなく、もちろん釣り倶楽部)酒と食と楽器収集癖で世界を奔放している。