Dead Heads Festival ( by A, Shirai / Ishibashi Music )

98年4月16日、渋谷オン・エア・イーストで行われたデッド・ヘッズ・フェスティバルへ行ってきました。 ちなみにデッド・ヘッズとは、もともとは「グレイトフル・デッドのおっかけ」の意味です。 アメリカではこの言葉に「浮浪者」的要素を多分に含みますが、 日本では「良識ある中産階級の不良野郎」って感じです。 ジェリー・ガルシアの死去から2年たっても、彼らは増殖傾向にあるようで 平均年齢は20代半ばくらいでしょうか。年齢が下がっていることは確かです。

当日のメイン・アクトは デイヴィッド・ネルソン・バンド。知る人ぞ知るバンドです。 グレイトフル・デッドから分かれて出来たニュー・ライダーズ・オヴ・ザ・パープル・セイジというバンドの 元メンバー、デイヴィッド・ネルソンが結成したサイケデリック・カントリー・ロック・バンドです。 前半はメンバー、バリー・スレスの鮮やかなペダル・スティール・ギターの演奏をフィーチャーした 大カントリー大会。後半はそのバリーがギタリストに変身しての大サイケデリック大会。 さすがバンドの知名度のせいか超満員とはいかない会場でしたが、 その場にいたタイダイ・シャツのデッド・ヘッズ達は最初から最後までのりまくりでした。 前座には日本のグレイトフル・デッド・コピー・バンドが登場しましたが、これがまたイカシテル!! ホンモノよりも上手いかな。休憩時間にはDJがお皿を廻して時間をつないでいましたが、 ネタがレゲエのボブ・マーレーからブルーグラスのピーター・ローワンまで幅広いのはデッド・ヘッズならでは。 音楽が何であろうが、皆さんとにかく踊りまくっているのですよ。

さてこういった若い音楽ファンがカントリーからサイケまで演奏するバンドに声援を送っている光景は、 世の中のほとんどの大人の人達には理解できないようです。 ひとことでは言い表せませんが、若いファンも(若いファンこそ)聴く耳を持っているのです。 かく言う私のバンドも以前はまさにサイケ+カントリーだったのですが (サイケデリック・ショップに良くチラシをおいてもらったものです)、 当時10代のデッド・ヘッズの一団がライヴに良く現れました。 彼らによれば、パンクからサイケに行って最終的にロカビリーやカントリーあたりに興味が向かうようです。 ブルースやレゲエとかも好きだったりします。 要するにシンプルでエモーショナルでグッド・ミュージックならOKなのです。

デッド・ヘッズに関して言えば、増えてきたと言ってもまだレアなケースでしょう。 しかし若いファンを音楽的にあなどれません。 僕と同じ世代かそれ以上の人は思い出してください。僕らが中高生の頃(1970年代半ば)は、 ロック・ファンといえば年齢に関係なく同じようなアーティストを聴いていたものです。 ジャンルの区分も今ほどなくて、ピンク・フロイドもツェッペリンもザ・バンドも一緒クタにして聴いたものです。 ベイ・シティ・ローラーズの時代になってキッズ専門のロック分野が出来てきました (おかげでロック人口も増えたました)。 そして、それまでのロックはいつの日か「大人向け」とされてしまったのです。

具体的にイーグルスを例にあげてみましょう。 今現在イーグルスのファンの中心は自分を含め多分オジサン、オバサンと言えるでしょう。 でも彼らが1976年に「ホテル・カリフォルニア」をヒットさせたときは、 当時のオジサン、オバサンが彼らの人気を支えていたわけではありません。 その頃学生だった僕達が彼らのレコードを買って、コンサートに行っていたのです。 そして今そういった人達がオジサン、オバサンになって、いまだに彼らを好きなだけです。 今の若いファンにも聴く機会さえ与えれば、良いものならどんな音楽でも受け入れるでしょう。 だいたい若いファンの方が純粋です。かえって大人の方が閉鎖的だったりします。 僕は「グレイトフル・デッド? イーグルス? オールマン? 若い奴がそんな音楽聴くわけない!」とか、 「どうせ奴等は本当の良さなんか分かっちゃいない」などと言うオジサン達が世の中に多いのにうんざりしています。 楽器屋サンの場合、売っているオジサン達がそういう考え方だと、 結果的に商品の販売チャンネルを狭めてしまうでしょう。 皆様もお気をつけあそばせ。 ( Written by A, Shirai )