スティーヴ・スティーヴンス 緊急電話インタビュー

10月11日の早朝に行われたスティーヴ・スティーヴンスの緊急電話インタビューをイシバシ・メールマガジンが独占掲載!

KNAGGSギター、機材の事は勿論、ビリー・アイドルのニューアルバム「逆襲のアイドル」の制作秘話まで大いに語ってくれました!

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■新しいブランドKNAGGSとの出会いは?

KNAGGSとの付き合いはかれこれ2年くらいになる。
KNAGGSはメリーランド州にある小さいブランドで、JOE KNAGGSはもともとPRSでカスタム・ショップを持っていたんだ。俺自身特にシグネチャー・モデルを作りたいと思っていたわけじゃなかった。
14年前にビリー・アイドルとまた活動をするようになってからレス・ポールをまた弾くようになって、80年代に使っていたワミー・バーのあるギターをあまり弾かなくなった。それで普通に満足していた。ツアーに出る時は、自分のお気に入りを持っていけば良かった。
そしたら30年来の知人でドイツでHaymanギターのディストリビューターをやっているPeter Wolfから連絡があって、「今はKNAGGSという会社で働いていて、凄く良質のギターを作っている会社なんで是非1本送らせてもらうので、感想を聞かせて欲しい」と言われたんだ。で、実際にギターを送ってもらって、俺は「いいギターだと思うよ。でも、俺が求めているものじゃない」と言ったんだ。そしたら彼が、「会社には9人スタッフがいるんで、要望を言ってくれたらその通りのものを作ります」と言ってくれたんだ。俺にとっては有り難い話でしかなかった。そうして、俺の要望に沿って作っていったんだ。
俺の要望というのは、シングルカッタウェイのギターで、既にイギリスのヒップカップを作る会社のBare Knuckleと共同で開発したピックアップがあったから、当然それを使いたいと言った。そうやって4つのヴァージョンを経て開発したのがSS-1だ。ただ、小さなブランドなんで完全にハンドメイドのギターだから決して安いものではない。だから「自分では気に入っているけど、果たしてどれくらいこれが売れるのかわからない」と俺は言ったんだ。「たくさん作って、全部在庫のまま売れなくて会社が倒産したら申し訳ないからね」ってね。だから「とりあえず100本試しに作ってみて、チャリティーを絡めたらいいんじゃないか」と提案した。で、実際Music Caresというドラッグやアルコール依存症を抱えるミュージシャンの治療やリハビリを金銭的に支援する団体を絡めた。良いやり方だと思った。100本限定で作ってみて、年の終わりにお互い顔も見たくないと思えば止めればいい。100本作って、それが人の役にも立ったということで良しとしようってね。でも幸い、関係はどんどん良くなっていった。来年にはSS-2という新しいモデルを出す予定だ。

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■KNAGGS シグネチャーギターの使い心地はいかがですか?

ハンドメイドのギターだから、手に持った瞬間その違いがわかる。バインディング一つをとっても細かい部分へのこだわりが凄い。バインディングにしてもフレットにしても量産ギターでは見られないきめ細かさがある。手にした時、ギターを肌身に感じる感覚になる。その分、弾いていて楽しいと俺は感じている。もちろん他のメーカーの工場で作られたギターも弾くよ。今でもLES PAULを弾くし、MusicmanのArmadaも凄く気に入っている。それらをどうとかって言うつもりはない。ただ、このKNAGGSのギターに関して言うと、シングルカッタウェイのギターの中では最高のものだと思っている。
俺はスタジオでレコーディングするにしても、ステージでプレイするにしても、何事にも煩わされることなく音楽を演奏したいと思っている。わざわざ扱い難いものを弾く理由なんてない。KNAGGSは小さい会社だし、報酬を貰っているわけでもない。もっとギタリストにとって魅力的な条件をいろいろオファーする大きいブランドは他にいくらでもある。それはそれでいいと思っている。ただ、往々にして感じるのが、その有名なギタリスト用に作ったものと、実際店で売られている商品が違うってことだ(笑)俺はそれを絶対に避けたかった。
KNAGGSのこのモデルは決して安くはないハンドメイドのギターだ。でも、店で買ったものが、俺が弾いているのと全く同一であることを俺が保証する。

■今回レコーディングのメインになった機材(Eギター、アンプ、ペダル、Aギター、エフェクターなど)を教えて下さい。

メインで使っているギターはKNAGGSのSS-1モデルだ。他にレコーディングに持参したのはLES PAULのGold Top reissue、つまり1ピースのブリッジがついている。昔のジュニアのようなwraparound bridgeだ。それはめちゃくちゃいい音が出る。俺は15本くらいLES PAULを持っているけど、このブリッジのお陰でこのギターは、チューニングに少し気を使わないといけないけど、音は格別だ。
それからMusicmanから貰ったArmadaも個性的で気に入ってるんで持っていったのと、クリーンな音を使いたい時用にJohn Suhrのストラトっぽいのを持っていった。
今回はロンドンのスタジオでレコーディングしたから、持っていけるギターに限りがあった。自分のギターを全部送るわけにはいかないからね。Eギターはそれで全部だ。あとはPedro de Miguelという人が作ったスペイン製のフラメンコ・ギターを持っていった。あとはトレヴァー・ホーンのスタジオに既に置いてあるギターのリストを事前に貰っていて、その中から幾つか使わせてもらったよ。

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■アンプはどうですか。

Rack SystemsのDave Friedmanと作ったシグネチャー・アンプがあるんだけど、ツアーはもちろん、この2年間レコーディングにも全てこのアンプを使っている。今作もそれをイギリスにキャビネトと一緒に送った。あとトレヴァーのスタジオにOrangeのRockerverbの50Wのアンプがったんで、それも使った。他にもCARRのアンプが置いてあって、初めて使ってみたけど凄いいい音だった。とにかくクリーンな音が欲しいと思った時はこのCARRのアンプを使った。おそらくコンボ・アンプだと思うんだけど。中に112か115が入っているんだと思う。あとトレヴァーが持っていたので、古い60年代前半のBarney Kesselがあった。GIBSONの大降りなホロー・ボディーのギターだ。イエスの『90210』のアルバムで実際に使われたギターらしい。だから、それも今回使わせてもらったよ。チビな俺がデカいギターを抱えて姿は笑えたよ。俺と同じくらいの大きさだった。でも音は最高だったよ。俺は特にヴィンテージを集めたりはしない。むしろ新しいギターのほうが多い。ヴィンテージ・アンプやエフェクトは集めてるけどね。それでもこれ(Barney Kessel)は本当に見事な楽器だったよ。素晴らしかった。あと彼のスタジオにはNashのギターが数本あった。それも俺が知らないメーカーだったんけど、テレキャスターっぽいのとストラトキャスターっぽいのがそれぞれあった。いいギターだった。
あと俺のCollings のアコースティック・ギターも今回使っている。実はこのギターはヒムロ(氷室京介)から貰ったものなんだ。もともと彼のギターだったんだ。彼と初めて一緒にレコーディングをした時だ。俺は自分のMartinを持っていったんだ。いいギターだと思ってね。それを使ってレコーディングしたら彼が「俺のギターを使ってみて」と言うんで、「そんな大層なギターなのか」と俺は思った。それがCollingsだったんだ。それまで名前を聞いたことがなかった。でも弾き始めた瞬間、「凄え!信じられないくらいいい音だ」って思った。そのセッションが終わって彼に「俺のギター気に入った?」と聞かれたんで、俺が「もちろん」と言うと、「君にあげるよ」と言ってくれたんだ。なんて親切なんだって思ったよ。今俺が持っているアコースティック・ギターで一番いい音を出すのはそのヒムロから貰ったギターだ。だからそれも今回持っていった。
アコースティック・ギターはそれと例のフラメンコ・ギターだ。これはどうやって手に入れたかというと、GERARDO NUNEZというフラメンコ・ギタリストのことを知ったのがきっかけだった。俺の中では彼はパコ・デ・ルシア以来、最高のフラメンコ・ギタリストだ。彼のアルバム『JUCAL』は俺が聞いたフラメンコ・ギターの録音で最もいい音だった。だから彼がどんなギターを弾いているのかネットで検索してみたんだ。そこでPedro De Miguelというギターだってわかって、早速カリフォルニアにあるクラシック・ギターの販売店に連絡して「取り寄せてもらえないか」って聞いたら、「実は店にあります」って言われたんで、そのまま店に行って買ったんだ。たまたま運が良くて直ぐに見つけることができた。

■今回使っているペダル、エフェクターはどうでしょう。

今回は小さなペダル・ボードを用意した。まあ、人は「小さくない」って言うけどね。でもビリー・アイドルのライヴで使うセッティングに比べれば小さい。そのボードにあるのは、ERNIE BALLノボリューム・ペダル、cry babyのワウ・ペダル。あとJohn Suhrの koko boostというソロの時に使うミッドレンジ・ブースター。これは要のペダルでもある。3つくり持っている。ライヴの時には欠かせない。
あとは何があったかな。名前は忘れたけど、Strymonのエコー・ペダルがある。Strymon製のディレイ・ペダルの一種だ。それと…、他に何を使ったかな。確か、イギリスにいた時にローランドに連絡しなきゃいけなくなったんだ。BOSSとエンドース契約をしているから、自宅のスタジオで作ったデモで使っていたものをイギリスに持ってきていなくて、BOSSに電話をして取り寄せたんだ。例えば「Postcards From The Edge」ではBOSSのSlicerを使っている。曲を聞くと、まるでシンセで弾いているように聞こえるけど、ローランドのSlicerを使っているんだ。ライヴでもMIDIに繋げて使っている。これを使っている曲ではドラマーもクリックに合わせて叩いている。他にもBOSSのペダルはたくさん使っている。BOSS Compressor, BOSS Fuzz。「Ghost In My Guitar」のファズはBOSSのFuzzペダルだ。あとBOSS Chorusも使っている。

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■今回作品を聞いてみて…スティーヴが曲作りに深く参加していると資料にあったが~パンクのカリスマでもあるビリー・アイドルの新作にバラードやメロウな曲調のものも多いのはアルバムを創る上で何か意図があったのでしょうか?

そうなったのは幾つか要因はあると思う。一つは、ビリーが自伝を書くことを知っていたから、このアルバムを彼が歩んできた人生の様々な場面のサントラのよう作品にしたいと思った。だから音楽を作る上でも、前作とはアプローチが違っていた。
以前は、例えばリフが出来たり、みんながノッてくる感じの曲が出来たところでビリーが歌詞を書いていた。でも今回は歌詞がきっかけで曲が出来ていくことが多かった。歌詞そのものでないにしても、あるエピソードや彼の人生のなんらかの時期をまず決めてから曲を書いた。例えば、彼が「始めてニューヨークに引っ越してきた頃のことを曲にしたい」と言ったり、或は「1977年のロンドンに住んでいた頃のこと」だったり。
「Kings & Queens of the Underground」は間違いなくロンドンの初期のパンク・シーンのことについての歌だ。そうやってテーマを決めて今回は曲を書いた。もう一つの要因としては、前作『Devil's Playground』で俺はあまり曲作りに関わっていなかった。あのアルバムでビリーはBrian Tichyと多くの曲を共作した。Brianはよりハードロックよりのプレイヤーだから、ああいうサウンドのアルバムになったんだと思う。今作のほうが本来のビリー・アイドルらしい作品に戻ったと思う。今作のビリーは本当に素晴らしいよ。まあ、ビリーの良さをちゃんと引き出すのが俺の仕事だけどね。あと、トレヴァー・ホーンをプロデューサーに迎えたことで、曲のアレンジにさらに幅が広がったのも確かだ。彼はイギリス人でビリー・アイドルの本質をわかっていて、多くのアーティストにこれまで携わってきていて、エレクトロニック・サウンドにも精通している。サウンドの幅を広げたいと思っていからこの作品にぴったりのプロデューサーだったよ。

■今日は貴重な時間、本当にありがとうございました。

協力:ソニー・ミュージック ジャパン インターナショナル

Knaggs Steve Stevens Signature Model

Knaggs Steve Stevens Signature Model

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Description:
・Steve Stevens Signature Model
Neck:
・Set Mahogany, special SS neck carve, pink binding, custom morning star inlays on Rosewood fingerboard
・Head stock: Black Gloss with pink ray gun inlay, pink logo, pink binding, beveled black gloss truss rod cover w/Signature
Body:
・Mahogany with carved Maple Top, finished in opaque Black with pink binding.
Hardware:
・Plating options: Nickel
・Tuning pegs: Grover Nickel
・Nut: Hand cut Bone
・Bridge: Knaggs Influence series two-in-one tail piece with Tone Pro bridge Nickel
・Strap Buttons: Strap lock ‐ nickel
・Strings: .010 to .046
Electronics:
・Pickups: Ray gun engraved Bareknuckle Signature pick-ups
・Switches: 3 way toggle
・Pots: Two Volume / two tones
・Knobs: Black “Top Hat” style
Case
・GWW-SS form fit case black with pink lining