イシバシ三銃士のスーパーギター列伝

第55回

メールマガジンをご覧の皆さま、今月も様々なギターの魅力をご紹介する、楽しい「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」のお時間がやってきました。

私Finest Guitars 店長の和田が素晴らしきギブソンの世界に皆様をご案内します!

今回の企画はこちらでございます。

2020年製 Historic Collection ES-335とVintage 1963 ES-335徹底比較企画

がんばりました。

子育て、夕ご飯の準備、接客の合間を縫い、ほんとにもう、時間かかりました、、、、

しかし完成させました

今回比較したのはこちらの個体です

(左)1963年製 Gibson ES-335TD Cherry 以下「1963

渋谷店在庫

(右)2020年製Japan Limited Run 1963 ES-335 Block Inlay VOS Antique Viking Red 以下「2020

Finest Guitars在庫

見た目、カラーもかなり似ています。流石はカスタムショップです。完成度が高い?

でわ、上から順に調べて行きましょう

1.ヘッド

1963

2020

2019年にGIBSONロゴか変更され、“G”の角が取れ全体的に丸みが出ました(2000年代前半のロゴに近い)。アンティークフィニッシュの採用もあってかなり近づいております。

クラウンインレイのサイズも良くなり、手作業が多い頃なので個体差はあると思いますが、1963年製の方が少し位置が高いのが見えます。

トラスロッドカバー位置も、2020は上目に付いております。

2.ペグシャフト

1963:11.5mm

2020:10.5mm

ブッシュの形、シャフトのくびれ方も違います。

3.ヘッド厚

1963:12.0mm

2020:12.5mm

かなり近い数字です。

1963に関しては角が削れていたりしていますので、ほぼ変わらない仕様です。

1963:11.5mm

2020:14.5mm

ここは大きく違う所です。

1963は、ヘッド上から下にかけてシャープになる個体が見受けられますが、2020はなだらかに厚くなっています。

4.ヘッドバック

1963

2020

ヘッド裏に関しては、経年変化もありますが1963はエッジが丸くなっております。ペグ位置も2020と比べ少し外側に位置しております。「1.ヘッド」の画像の方が確認しやすいかも知れません。

5.フィンガーボード(インレイ)

1963:19.0mm / 3f

2020:19.5mm / 3f

1963の方は、アシスタントのジョニー柏崎さんのせいで少し定規がずれております。すみません。

しかし、縮みもあると思いますので、ほぼ変わらない結果。

1963:22.5mm / 12f

2020:22.5mm / 12f

すばらしい 同じです。

6.ネックヒール

1963

2020

ヒールからネックに掛けての削り、ヒールの大きさ、ストラップピン位置がかなり違います。

ストラップを付けるとなるとストラップピン位置が、2020の方が遠い分、手への干渉がなさそうです。

しかし、1963は、ヒールの削りが、なだらかな分弾きやすそうです。

7.カッタウェイ

1963

流石の貫禄、ピックガードネジ位置もそうですが、ガードの大きさが違いますね。

2020

少し外周がぼてっとしてますが、だいぶシャープになりました完成度高いです。

まだまだ続きます。ついてきてくださいね。

8.ネックジョイント

1963 フロント

2020 フロント

2020はシールが貼ってあります。Japan Limited Run Modelだからでしょうか? 剥がしてしまうと、塗装も取れてしまうので剥がせません。

1963 リア

2020 リア

こちらも1963にはウレタンが増設されておりました。渋谷店の在庫となりますので、取り外しはしておりません。あしからず、、、

1962~64年よりリアキャビティーの1弦側が大きく開いている個体もございますが、同年でも、1958~62前期までと同じく閉じているキャビティーが混在いたします。

完全に大きく開くキャビティーのモデルは1964年製からとなります。

こちらの個体は1963年製造で、ザグリの感じなどかなり似ていますね。

9.Fホール

1963

2020

1963

2020

2020はシャープですね。この際ですので、測ってみましょう

1963:28mm

2020:27.5mm

そんなに変わりませんね。

1963

2020

こちらもほぼ一緒でした。

10.ピックアップの距離

1963:61.5mm

2020:60mm

この誤差は、ピックアップマウントリングの縮みでしょうか

11.ボディ


1963:236mm


2020:226mm

あれ?Gibsonさん? あれれ?

見なかったことには出来ませんので、説明いたします。

ESシリーズは、アーチトップでかなり個体差が出ます。アーチ形成で、湾曲させた時に、平たく戻そうとする力が加わります。それによって個体差が出るわけですね。

ヴィンテージの同モデルのくびれを測定すると違うのも納得です。

12.コントロール

1963

2020

すばらしい完成度、フィニッシュも似てるし、バインディングカラーもそっくりです。

13.ボディ厚

1963:42mm

2020:39mm

2020の方がボディ厚は薄いが、ヴィンテージも個体差があり、40mm前後が基本となってきます。日本製だと、全部きっちり作ってそう、、、

USA製の雑み、お国柄かもしれませんが、この個体差で大きくサウンドが変わるのも面白いところです。皆さんヴィンテージギターご購入の際は、いっぱい弾きましょう。玉数は少ないけど、、、

1963

2020

少し分かりづらいかもしれませんが、2020の方はブリッジ角度が付いています。分かりづらい画像なので、もう一枚画像を貼って置きます。

テールピースとブリッジの距離に関しては1963は一度Bigsby B-7を乗せた痕跡がありますので、Bigsbyから戻す際に少しボディー下目にテールピースを取り付けております。

(左)1963、(右)2020

ブリッジ角度、違いますね。

ヴィンテージレスポールに関してはテールピースも角度が付いている個体もありますね。

私も、石橋楽器店 Gibson Custom Shop 責任者として結構前から、こう言う所を再現できないかとGibson Custom Shopに言っておりますが、来年当たり再現してみたりして、、、、

無いだろうな、、、、

かなり長くなってしまいました。最後までお読み頂きありがとうございました。

でわでわ、この辺で終わりたいと思います。Finest Guitar店長;スペシャリスト和田がお送りいたしました。これからもイシバシ楽器愛とGibson愛を、皆さんにどんどん伝えていきたいと思います。

それでは皆さん私と一緒に、大いなるギターワールドの旅に出かけよう!

スペシャリスト和田

スペシャリスト和田(スペシャリストわだ)

池袋店キャスト時代、エフェクター、アンプ、国産エレキギタ-担当。御茶ノ水本店でのGibsonフロア責任者、渋谷店でのサブマネージャー兼Gibson責任者を経て、現在御茶ノ水本店Finest Guitarsのストアマネージャーを務める。所有GuitarはVintage ES-335、HC 1959 Les Paulなど初めて購入したギターが、Gibson Les Paul Special TV-Yellowと、根っからのGibson好き。60年代のブルースやロックからテクノ、ジャパニーズロックまで幅広く愛聴。Gibson Factoryでの買い付けなどにも参加し、材料の選定から企画まで幅広く行っております。
Gibsonの事なら何でもご相談下さいませ。お客様のニーズに合わせた楽器をお選び致します。