イシバシ三銃士のスーパーギター列伝

第45回(by LUKE居波)

 メールマガジンをご覧の皆さま、今月も様々なギターの魅力をご紹介する「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」のお時間がやってきました。

 今年初めての投稿は私、ルーク居波が務めさせて頂きます。2020年も素晴らしきフェンダーの世界をご紹介させて頂きます!さて、昨年も数々の新製品の発表があったフェンダーブランド、私の記事でも数多くをご紹介してきましたが正直製品数が多くて追いつきません笑。この記事を書いている最中もNAMM2020がアナハイムで開催されており様々な新製品情報が飛び交っています。

 ただ今回は昨年発表されたラインナップ、AMERICAN ULTRAシリーズの紹介をさせてください、なぜなら今一番売れているシリーズだからです!

 AMERICAN ULTRA(アメリカンウルトラ)シリーズは前シリーズのアメリカンエリートの後継機種にあたります。流れとしてはアメリカンデラックスシリーズ、アメリカンエリートシリーズ、そして今回のウルトラシリーズです。

 簡単にこのシリーズの特徴をまとめるとフェンダーのラインナップな中でも特にモダンなシリーズに位置します。プレイヤー向きの演奏性を重視したスペックや最新の技術の投入など、現在のフェンダーが考える最高の1本というのがコンセプトになります。そのシリーズの最新作、ウルトラシリーズが2019年の11月に発売されたのですが、はやくも売れてます!売り切れ、品切れが続いているのです。それでは一番人気のウルトラストラトキャスターのスペックを見てみましょう。

 現ラインナップはストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスター、プレシジョンベース、ジャズベースの4機種、ストラトにはSSS配列とHSS配列が、ジャズベースには5弦のモデルが用意されています。

 AMERICAN ULTRA STRATOCASTER

 ウルトラシリーズで前作エリートシリーズより進化を遂げたのは大まかに4箇所。それはネック、ボディ加工、ピックアップ、電装パーツです。

 まずネックですが「Modern D」シェイプネックという新しいネックを採用しています。ゆるやかなDシェイプネックは握りこみスタイルでも親指を後ろ側に置くスタイルでも違和感なく演奏が可能です。またエッジ部分が丁寧にロールオフ加工されているのですが、これがすごく優秀で運指のしやすさを格段に向上させています。指板は前作同様ナット側から最終フレットにかけて10 ~ 14インチに変化するコンパウンドラジアス指板なので弦高を低くしやすく、ミディアムジャンボフレットのおかげで運指や押弦も楽です。

 次にボディですが、ネックジョイント部、つまりハイポジションでは驚異の演奏性を誇ります。試奏されたお客様は皆さんその加工に驚きます。今までもヒールレスカットはデラックスやエリートでも採用されてきましたがウルトラシリーズではさらに進化、角が丸く落とされているのはもちろんのこと、ヒール先にいくにつれてジョイント部が斜めにカットされているのです。さらに1弦側のカッタウェイにもコンター加工を施しハイポジション演奏時のボディへの干渉を出来る限り防ぐことに成功しています。ここの部分は実際にみると3D的加工がすごいです!まさに最新技術の結晶といった感想です。

 次はピックアップです。ピックアップはこのシリーズではおなじみのノイズレスピックピックアップを採用していますが、エリートシリーズで搭載されていた第4世代ノイズレスピックアップがさらに進化、新たにウルトラノイズレスピックアップとして生まれ変わりました。第4世代ノイズレスピックアップの段階でもそれまでの籠った感じや抜けきらないサウンドはかなり改善されていましたが、今作のウルトラノイズレスは非常にクリアで透き通ったピュアなフェンダーサウンドを実現しています。それでいて無駄なノイズは防いでくれるのですからうれしいですよね! HSS配列のラインナップでは出力を高く設定したウルトラノイズレス・ホット採用されているのでドライブ系にも適しています。またハムピックアップにはウルトラダブルタップハムバッカーを搭載、シングルコイルとの音量差が少なく設計されており、ポジション変更による音量の違和感やバランスが改善されています。

 最後に電装パーツですが、個人的にはこれが一番うれしい変更点です。S-1 スイッチの機能が簡略化されSSS配列の時はスイッチを押すと常時フロントピックアップがONになります。HSS配列のモデルではスイッチオンでハムのタップが可能です。これデラックスやエリート使っていた方の中でもS-1のスイッチの配線複雑すぎて覚えられない! 使わない! なんていう方多いんじゃないですか?(全ポジションの配線が変わり計10種類のサウンドが設定できた。) 実際店頭接客をしていてもS-1スイッチの説明は結構大変でした笑。レコーディング時などはうれしんですけどライブなどでの瞬時の切り替えは大変でしたよね。なのでウルトラでのこの変更点は非常にプレイヤー目線だなと感心しました。さらにシリーズすべてにトレブル・ブリード回路を搭載。トーン・バランスを崩すことなく音量を絞ることも可能です。細かい変更点ですがウルトラシリーズからトーン1でフロント/ミドルトーンの調整、トーン2でリアの調整に変っています。

 ボディ材はアルダー/アッシュ、同じく指板もメイプル/ローズウッドをラインナップ。ちなみにエリートシリーズでは途中からローズウッドモデルが廃止され代わりにエボニーシリーズに変更されたこともあり、このシリーズのローズウッドモデルを探していた方も多いのではないでしょうか。個性豊かな新カラーリングやジャズマスターが初めてラインナップに入ったことも話題です。現在の一番人気はHSS配列ウルトラストラトキャスターのコブラブルーカラーモデル。すでに数多くの雑誌で掲載されているのを目にします。大人気のあのアーティストが使っているのも要因の一つでしょう!

 池袋店でもウルトラシリーズを展示中ですので是非その手で試してみてください!フェンダーの最新技術を詰め込んだ1本、ヴィンテージユーザーでもモダンユーザーでも絶対に気に入って頂けると思います。

 さあ大いなるギターワールドの旅に出かけよう!

 商品ページを見る

ルーク居波

ルーク居波(ルークいなみ)

横浜店勤務時代はデューク工藤に、渋谷店ではスターキー星に師事、現在池袋店にてフェンダーを担当。海外買付なども行っており、2人のフェンダーDNAを引き継いだ若きホープである。彼自身、多数のフェンダーギターを所有しており、中でもジャズマスターにかける愛はイシバシ随一! ちなみに彼が身につけているメガネもフェンダー製なのは言うまでも無い。 フェイバリットミュージックはオルタナ、ポストロック、シューゲイザーなど現代的なものから70~90年代のロックまで幅広く愛聴している。常にお客様の立場に立ち、独自の視点で最高の1本を探すお手伝いをさせて頂きます。