イシバシ三銃士のスーパーギター列伝

第39回(by LUKE居波)

 メールマガジンをご覧の皆さま、今月も様々なギターの魅力をご紹介する「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」のお時間がやってきました。

 平成最後の投稿ももちろんフェンダーで締めたいと思います! 今回も私ルーク居波が素晴らしきフェンダーの世界に皆様をご案内します!

 私事ですが先日ジョン・メイヤーの武道館公演に行ってきました! この記事を読んでるフェンダリアンのあなたも中にも行った方いるんじゃないですか?私は武道館2日目(4月11日公演)に参戦したんですけど初ジョン・メイヤーの生ライブ、さすがの感動ものでした。私の一番好きな曲(Belief)が1曲目に演奏されたんですけど、鳥肌が立ちましたね。平成最後にジョン・メイヤーが見れて思い残すことはないです。あと余談ですがジョン・メイヤーのファンの方皆さん機材詳しいですね笑もちろん私は職業柄ある程度の知識はあります。ただ横の人も前の人も結構熱い機材トークしててなんだかうれしくなってしまいました!なーんだ! みんな楽器好きじゃん!

 さて本題に戻りたいのですが、ジョン・メイヤーのライブを見て心底思ったこと、それはやっぱりストラトキャスターっていいなって事なんですよ。だから平成最後のこの記事ではストラト紹介しようと決めていたんですよ! そう思って店内物色していたらなんと新製品入ってるじゃないですか!それでは早速ご案内しましょう!

 2019年もフェンダーは様々な新製品、新シリーズを発表しておりますね! そんな中ご案内するのは今後フェンダー社のラインナップでひとつの主軸を担うであろう「アメリカンパフォーマー・シリーズ」です。

 まずは概要をご紹介。

 MADE IN USA、カリフォルニア州コロナ工場で製作されている楽器の中で最もお手頃な価格帯での新登場。これまでロングセラーを記録してきた生産完了モデル、ハイウェイワン、アメリカンスペシャル・シリーズの後継的なポジションとなります。 ギター・ベースを手に取った「プレイヤー」を「パフォーマー」へと導くことがテーマとして掲げられており、新開発されたパーツ/ハードウェアや目新しいカラーバリエーションなど、Fender本家本元の魅力を存分に凝縮した内容に仕上がりました。

 今でもハイウェイワンやアメスぺの中古が入ってくるとすぐ売れるんですよね。根強い人気がありますね、そういう私もハイウェイワンのストラトを1本所有しているんですがサテンネックにジャンボフレット仕様で非常に弾きやすいんですよ、それでいてしっかりとUSAの雰囲気を持ってるんですよ!コストパフォーマンス的にも優秀ですしね。なので今回の新シリーズ非常に期待しております!

 まず特筆すべき点はやっぱりピックアップ、このシリーズの為だけに新開発されたYosemite(ヨセミテ)シングルコイルピックアップは名匠ティム・ショウ監修によるもので、きわめて多目的に扱える力強いサウンドが秀逸です。アルニコ4マグネットによるフラット・ポールピース設計で高出力を実現、全てのピックアップポジションで均一な出力が得られるよう設計されているのも驚きですが、このピックアップはさらにシェラック溶液でポッティングされており、フィードバックやノイズの抑制までしてくれるのです。

 さてここであまり耳なじみのないキーワードが出てきましたね。「シェラック」溶液でポッティングとは?ポッティングに関してはご存知の方も多いとは思いますが説明しておきますね。まずピックアップとはマグネットの周りをワイヤーコイルが幾重にも巻かれている構造なのですが、コイルに緩みや隙間があったりするとコイルが振動した際にノイズやハウリングの原因となります。これを抑制するためにコイルを特殊な溶剤に浸し、コーティングするポッティングという作業をする訳です。ただガチガチに固めてしまっても良くないようでコイルの適度な遊びが良い音の秘訣とも言われます。そう考えると個人でやるのは気が引けますね笑ティム・ショウ監修なら安心です。さてポッティングですが、パラフィンワックス(蝋)に漬けて行うのが一般的ですがこのヨセミテシングルコイルピックアップはあえて「シェラック」という溶液でのポッティングを採用しています。さてシェラックとは何か、調べてみました。

 シェラック:ラックカイガラムシ(Laccifer lacca)の分泌する虫体被覆物を精製して得られる樹脂状の物質である。

 このシェラック無味無臭で無害なので食品加工や化粧品でも使われているようで、天津甘栗の光沢材としても使われているんだとか、楽器では高級バイオリンや高級クラシックギターの塗料としても使われてますよね。ちなみにラックカイガラムシのラックという読み方の部分がラッカー塗料の名前の語源とのことです。さてこのシェラック、見た目はべっこう飴のような褐色の透明性のある固体で精製すると白色、透明になるようです。これをエタノール系溶剤で溶かしてシェラック溶液を作りポッティングしているわけです。

 ではなぜ今回のヨセミテピックアップでは従来のパラフィンワックスではなくシェラックを採用したのか、ティム・ショウによるとシェラックはパラフィンワックスに比べ、楽器の「息づかい」がよりナチュラルに伝わる特性があるように感じたといいます。シェラックを採用することがこのヨセミテピックアップの性能を最大限に引き出してくれるということですね。

 実際にサウンドをチェックしてみると確かに前に飛び出すような出力の高さを感じました。それでいて煌びやかな生々しさもあり、歪ませた時のノイズも全然気になりませんでした、まさにヨセミテ万歳!シェラック万歳!また、トーンを絞ったときに低音がこもるのを防いでくれるGreasebucket(グリースバケット)トーン・サーキットを搭載しているところも使いやすいポイントですね。

 このSSSのモデルではすべてのピックアップ・ポジションでフロント・ピックアップを有効にするプッシュ/プル・コントロールを装備。つまりフロントとリアのミックスやセンターとリアのミックスにさらにフロントを足すなんていう使い方も可能、これまで以上に音の幅が広く作られています。

 もちろん変わったのはピックアップだけにあらず!チューニングキーにご注目、見た目はよくあるスプリットシャフトのヴィンテージ・スタイルですが、ギア比を18:1にアップデートすることで、従来より滑らかで安定したチューニングが可能になっているのです。ナット締めによってヘッドに固定される構造なのでネジ穴も不要です。

 そしてやっぱりこのシリーズの系譜といえばココ。モダンCシェイプのネックグリップはもちろんサテン塗装、そして9.5ラディアスのジャンボフレットの22フレット仕様!やっぱりこの組み合わせが抜群の演奏性を発揮するポイントですね。ちなみに今回は看板商品であるHoney Burstカラーをご紹介しましたが新カラーのPennyや落ち着いた雰囲気のAubergineも見逃せない。

 いかがでしょうか、今回はストラトのご紹介でしたが他にも我らがジャズマスターやムスタング、はたまたムスタングベースまでラインナップされているので自分の好きなモデルから検討してみてはどうでしょう。ハイウェイワンやアメスぺファンの方はもちろん、初めてのUSAフェンダーをお探しの方にも大いに満足してもらえるシリーズかと思います。

 ジョン・メイヤー武道館公演の初日はエド・シーランがゲストに来てBeliefを二人で演奏したんですって…ああ両日行けばよかった。その数日後のクラプトンの武道館公演のゲストにはジョン・メイヤーが出て二人でcocaineを演奏したんですって…ああこっちも行けばよかった!

 ともあれやっぱりストラト弾きはみんなカッコいいですね!次は令和でお会いしましょう!

 さあ大いなるギターワールドの旅に出かけよう!

 今回ご紹介のギター:

Fender USA / American Performer Stratocaster Honey Burst Rosewood フェンダー【S/N US18040392】【池袋店】

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ルーク居波

ルーク居波(ルークいなみ)

横浜店勤務時代はデューク工藤に、渋谷店ではスターキー星に師事、現在池袋店にてフェンダーを担当。海外買付なども行っており、2人のフェンダーDNAを引き継いだ若きホープである。彼自身、多数のフェンダーギターを所有しており、中でもジャズマスターにかける愛はイシバシ随一! ちなみに彼が身につけているメガネもフェンダー製なのは言うまでも無い。 フェイバリットミュージックはオルタナ、ポストロック、シューゲイザーなど現代的なものから70〜90年代のロックまで幅広く愛聴している。常にお客様の立場に立ち、独自の視点で最高の1本を探すお手伝いをさせて頂きます。