第33回(by LUKE居波)
メールマガジンをご覧の皆さま、今月も様々なギターの魅力をご紹介する「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」のお時間がやってきました。今回は私ルーク居波が素晴らしきギターの世界に皆様をご案内します!
さて今回はフェンダーではありません、ただしフェンダーに負けないくらい遊び心の詰まったギターをご紹介しましょう。
2016年7月にイシバシ楽器のスタッフが米国メリーランド州スティーブンスヴィルはPRS Factoryを訪問、もちろん私ルーク居波も参加し、入念なミーティング、スペシャルオーダーを行いました。そして約2年と6ヶ月という月日を経て今年ついに完成、堂々入荷となりました。
オーダーコンセプトは、「クラシックホラー」。何といっても目が行くのはそのカスタムインレイ。これまでにPrivate Stockモデルとして製作されてきたギターの中には芸術品ともいえるカスタムインレイが多数存在します。ゾンビインレイや鯉が泳ぐインレイ、果ては惑星のプラネットインレイなど。
私も新たなカスタムインレイモデルに挑戦したく、その熱意をPrivate Stockチームへ伝えたところ、Private Stock最高責任者であるPaul Miles(ポール・マイルス)氏が以前より自身のEmployee Model用にデザインを進めていたカスタムインレイの案を特別に使用することを提案されました。
“Monsters”と名付けられたカスタムインレイはEbonyとPersimmonを使用し、吸血鬼やフランケンシュタイン、透明人間など世界中で知られるクラシックホラーに登場する怪物達のシルエットを表現。その細やかな業、デザインセンスはさすがPaul Miles氏とPrivate Stockチームであり、これまで製作されてきたオーダーモデルとは一味も二味も違う雰囲気を感じさせてくれます。
加えて、通常はカスタムインレイをオーダーする際に大幅なアップチャージが加わるのですが、今回Paul Miles氏の好意により、この"Monsters"インレイについてはほぼノーチャージで製作してくれました。
次に行ったのは“Monsters”のイメージやテイストに沿ったウッドマテリアルの選定。私がチョイスしたのがPS(プライベートストック)ルーム内に保管されていたZiricote材、その中でも今回使用したトップ材はほぼ一目惚れに近く、大きくウネリを見せる杢目と色味は“Monsters”のイメージを崩さず、不気味さや恐ろしさといったややダークな印象を与えるのに最適でした。このZiricoteをボディTopに使用するにあたり、懸念されたのがウェイトバランスと音響特性でした。比較的重量のあるZiricoteとの相性についてはPaul Miles氏と相談し、Walnutボディにチェンバード加工を施すことにしました。こうして懸念していたウェイトバランスもクリアし、低音から高音域まで各帯域がぼやけることないサウンドバランスを得る事に成功したのです。
ベースモデルは多くのユーザーにとって一番馴染みがあると言っても良いCustom24をチョイスし、ウッドマテリアルとのマッチング及びデザインを考慮しPickupには58/15を採用しました。あえてCustom24をチョイスしたのはこうしたベーシックなモデルとすることで、“Monsters”インレイやZiricoteトップがより一層存在感を放つことが出来ると考えたからです。その点においては完成品を目にした際に、「やはりこの選択が正しかった」と改めて実感することが出来ました。ヘッドストックのフクロウのデザインも最高ですしね。
今回のモデルはPrivate Stock最高責任者、Paul Miles(ポールマイルス)と共に私、ルーク居波が厳選に厳選を重ねて製作、何百枚、何千枚の木材よりピックアップしたマテリアルとPrivate Stockクオリティの技術、そしてなによりPaul Miles(ポールマイルス)とルーク居波の遊び心が詰め込まれた世界に一つだけの珠玉の1本に仕上がっております。
是非ご自身の手に持ってニンマリして頂きたいものです。
さあ大いなるギターワールドの旅に出かけよう!
今回ご紹介のギター:
Paul Reed Smith (PRS) / Private Stock #6672 Custom24-Chambered Natural 【S/N 18 257307】【渋谷店】
ルーク居波(ルークいなみ)
横浜店勤務時代はデューク工藤に、渋谷店ではスターキー星に師事、現在池袋店にてフェンダーを担当。海外買付なども行っており、2人のフェンダーDNAを引き継いだ若きホープである。彼自身、多数のフェンダーギターを所有しており、中でもジャズマスターにかける愛はイシバシ随一! ちなみに彼が身につけているメガネもフェンダー製なのは言うまでも無い。 フェイバリットミュージックはオルタナ、ポストロック、シューゲイザーなど現代的なものから70~90年代のロックまで幅広く愛聴している。常にお客様の立場に立ち、独自の視点で最高の1本を探すお手伝いをさせて頂きます。




















