第25回(by 白井英一郎)
「『ロデオの恋人』50周年!ロジャー・マッギンがグランド・オープリーのステージで弾いたギブソン・ダヴ!」
ギブソン社へ出張中のFinest Guitars店長の和田の代打として参上しました。Harvest Guitars店長の白井です。和田はギブソン・エレクトリック・ギターを担当しておりますが、Harvest Guitarsはアコースティック・ギター・セレクト・ショップですので、今回はギブソンのアコースティック・ギターを紹介いたしましょう。アイテムは独断と偏見でダヴです。
ダヴは1962年に登場したスクエア・ショルダーのモデル。ダヴ(鳩)の象嵌をあしらったピックガードがトレード・マーク。サイド、バックにメイプルを採用。スケールはJ-45やハミングバードの24 3/4インチより長い25 1/2インチ。力強くもミッド・レンジを抑えた歯切れの良い音色が特徴です。平和の象徴ダヴですが、その後ベトナム戦争が勃発するとは何とも皮肉でした。
さて、今年はバーズがロック・バンドとしては異色のカントリー・アルバム、『ロデオの恋人』をリリースして50周年です。そこで、『ロデオの恋人』を制作時のメンバーで存命のメンバー、ロジャー・マッギン、クリス・ヒルマンの二人が、故クラレンス・ホワイト役にマーティ・ステュアートを従えて『ロデオの恋人』のアニーバーサリー・ツアーをおこなうようです。バーズが『ロデオの恋人』発売後、カントリーのメッカ、グランド・オープリーに出演したとき、リーダーで私の師匠的存在のロジャー(ブログ記事参照)が弾いていたのがダヴでした。反戦の側に居たバーズが保守的なカントリーの世界に飛び込むにあたって「意思表示のためダヴを使用した」というのは深読みでしょうか。何はともあれ、『ロデオの恋人』50周年ということで、個人的にダヴ熱が再びこみあげてきたのです。
そして、何よりも、私がギターを弾き始めた頃に一番欲しかったのがダヴだったのです。正確に言うと、ダヴのコピー・モデルのキャンダG-303というモデルでした。当時日本のフォーク・シーンでは谷村新司、南こうせつらがダヴを使用していましたが、私はかぐや姫の『かぐや姫オンステージ』のジャケットで南こうせつが抱えていたダヴに憧れていたのです。結局G-303は買わずじまいでしたが、本家ダヴは今も「心のギター」のひとつです。
残念なことに、現在ダヴはレギュラー・ラインナップから外れてしまいました。しかしながら、リミテッド・エディションとして復活しました。それがこのDove ACです。ナチュラル仕上げのスプルース・トップとクリアのチェリー・レッド仕上げのメイプルのコントラストに見とれてしまいます。L.R.Baggs Element VTCピックアップを装備しており、ライブの即戦力になるのも嬉しいです。
J-45、ハミングバード、J-200の影に隠れがちなアイテムですが、ギブソンのアコースティック・ギターらしいキレの良いサウンドが楽しめます。是非一度手に取っていただきたいアイテムです。
さあ大いなるギターワールドの旅に出かけよう!
今回のご紹介商品
Gibson / Dove AC(Antique Natural/AC stain) 【Limited Edition 2018】 販売価格 468,000円 (税込)
白井英一郎(しらいえいいちろう)
1960年生まれ。吉田拓郎を聞いてフォーク・ギターを始める。その後イーグルス、オールマン・ブラザーズ・バンドなどのアメリカン・ロックに傾倒。エレキ・ギターも弾くようになる。ギター、スティール・ギター、バンジョー、マンドリン、ウクレレ、三線を弾くマルチ・プレイヤーとして演奏活動をする現役ミュージシャンであり、音楽誌や楽器専門誌のライターの肩書きも持つ。1970年代のファッションを好み、音楽のあるスローライフを実践するロハス・ピープル。入門者からベテランまで、お客様の音楽スタイルはもちろん、ライフスタイルに合った商品を提案する楽器のコンシェルジュ。










