第23回(by 佐藤 俊太)
Q:この4月で新生活を始めて心機一転。これをきっかけにエレキギターを始めようかと思っていますが、どうやって選べば良いですか?
A:まず見た目とフィーリングで選んで下さい!!!
渋谷店佐藤です。
今回も実際に店頭で皆様から頂く事の多い(時にきわどい)ご質問に率直に回答させて頂きます。
4月と言えば入学、入社で新生活をスタートさせる方が多いシーズン。これを機に新しい趣味や活動を始めよう!という方も多いかと思います。店頭でもこれからエレキギターを始めたい!というお客様に
「どうやって選べばいいですか?」
「お勧めはありますか?」
「幾らくらいのものを買えばいいですか?」
・・・といったご質問を頂く事が多いですが、今回は私佐藤の独断と偏見も交え、はじめての1本を選ぶ際のポイントをお伝えさせて頂きます。
本メルマガの読者の方は、既に楽器を演奏されている方が殆どだと思われますが、今までベースやドラム、キーボードや管楽器を演奏されていて、エレキギターも始めてみようかな・・・ という方は選ぶ際の参考にしてみて下さい。
選ぶポイントその1:「まずは見た目で選んで下さい!!!」
ここに関しては私感が大いに出ていますが、譲れないポイントです。というのも、どんなに高額なギターであっても、どう頑張っても見た目だけは変えようが無いからです(変えようと思えば塗装のリフィニッシュ等が方法としてはありますが、最初の1本でそこまでしようとする方は殆どいらっしゃらないでしょう・・・。)。
やはり毎日自分の部屋に置き、触って練習するものですので、見た目が好みのものの方がモチベーションも上がりますよね。
という事で、ボディのデザインや色合い、木目等何でも結構ですので、最初はルックスで選ぶ!迷ったらとにかくルックスで選ぶ!を強く推します。
選ぶポイントその2:「好きなジャンル/演奏したジャンルにある程度対応できるものを選ぶ」
ギターにはそれぞれ得意分野があります。初心者の方向けのモデルの場合、それ程守備範囲が狭く癖の強いギターは無いのですが、それぞれのギターの得意分野を把握した上で選んで頂くのも大切です。
重要かつ初心者の方でも分かりやすいポイントとしては「ピックアップ」ではないでしょうか? エレキギターのピックアップ(音を拾うマイクにあたるパーツ)は、大きく分けると「シングルコイル」と「ハムバッキング」の2種類が存在します。
画像の通り、「シングルコイル」よりも「ハムバッキング」の方がサイズが大きいのですが、これは「シングルコイル」がその名の通りコイル1列の構造なのに対し、「ハムバッキング」の方は内部にコイルを2列備える為です(シングルコイルながらコイルの巻かれるサイズが大きい為一見ハムバッキングに見えるP-90のようなタイプや、ハムバッキングながらシングルコイルと同じサイズのHot Railsのような例外もありますが、今回は割愛します)。
そしてこの「シングルコイル」「ハムバッキング」は音の特性が異なります。非常に分かりやすく言うと「ハムバッキング」の方はパワーがあり図太い音を出すのが得意なのですが、一方でジャキっとしたキレの良い音、クリアなサウンドであれば「シングルコイル」の方が得意です。ご自身の演奏したい曲やお好きなミュージシャンがおおよそどちらのタイプを使っているか・・・というのもある程度参考にして頂くと分かりやすいかもしれません。
ちなみに、ギターによってはこの「シングルコイル」と「ハムバッキング」を両方搭載していたり、「ハムバッキング」の出力を落とし「シングルコイル」的な音も出せるような回路を備えていたりするような「いいとこ取り」なモデルも存在します。演奏するジャンルが決まっていない、色々やってみたいという方はこういった両方いけるタイプもお勧めかもしれません。
ただし、ピックアップはあくまでギターが持つ特性の一部です。ギターの得意分野的には多少ずれているかも知れないけど、ルックスが超好みのギターで好みのジャンルをガンガン弾き倒す! というのもロックですし、実際そういったミュージシャンも古今東西多数いる事も念頭に入れて頂くのも重要です。
選ぶポイントその3:「一度持って構えてみる。そして音を出してみる。」
ギターは小振りでスケール(弦長)が短い方が抱えやすくて弾きやすいかというと、一概にはそうとは言い切れません。プレイヤーによっては(たとえ手が小さい方であっても)あまりに短いスケールのネックやスリムすぎるボディの場合、「逆に弾きづらいなぁ・・・」と感じてしまう事もあります。
そういったミスマッチを防ぐためにも、是非選ばれる際はイシバシ楽器店頭で実際に手に取り構えてみてください。「いやけどギター弾いたことないし弾き方もわからないし・・・」全然OKです! 構えてみるだけでも持ちやすいかどうか、しっくり来るかどうか等が分かりますので、是非実際に手にとって「しっくり感」を確認して頂くのをお勧めします。
サウンドに関しても、是非アンプから音を出し、確認して頂く事をお勧めします。前述のピックアップの違いもはっきりと分かって頂けるはずです。弾き方がわからない方の場合は、ご要望頂ければスタッフが代わりに弾いて音を聴き比べて頂く事もできますので、お気軽にお申し付け下さい!
選ぶポイントその4:「値段はやや気にしながら、ただしあまり気にしすぎる事無く選ぶ。」
他の楽器同様、エレキギターも値段はピンキリで、新品で10,000円を切るようなものもあれば、マンションが買えるくらいの値段のものまであります。あくまで個人的な意見ですが、新品で40,000~50,000円前後のグレードのものから作りがある程度しっかりしたものが増えてくる印象です。良い音がするかどうか以前に、「ちゃんと調弦できてチューニングが安定しているか」「パーツの精度がある程度以上しっかりしているか」「極端に弦が押さえづらく弾きにくくはないか」といった、楽器としての基本的なクオリティがある程度以上のレベルにあるものを選んで練習を始めて頂いた方が、上達も早いし演奏していてストレス無く楽しめるかと思います。
また、細かい傷や使用感がある事に抵抗が無いのであれば、同じ予算でもワンランク上のものが手に入れられる事が多い中古品を狙うのもお勧めです。「予算が40,000円は用意できないけれど、ちょっと良いギターが欲しい・・・」という場合にも是非狙ってみてください。
値段に対して神経質になりすぎても疲れてしまうのですが、ある程度以上のクオリティを持ったものを選んで頂くという点は重要です。
選ぶポイントその5:「どんなに安いものでも良いのでアンプとシールドは一緒に買う。」
エレキギターはアンプが無いと音が出ません。アンプ無しでも練習はできるのですが、やはりエレキギターらしい音を聴きながらの方が、「自分がちゃんと弦を押さえられていて、ちゃんとした音で鳴らせているか」を確認しながら練習できますし何よりテンションが上がります。
「アンプを置く場所が無くて・・・」「集合住宅に住んでいるのでアンプから鳴らせなくて・・・」という方のために、コンパクトなヘッドホンアンプや、iRigに代表されるようなスマートフォンやタブレットに繋いでアンプに繋いだような音を聴きながら練習できる機器もあります。お手頃なものだとギター代+5000円前後でアンプ+シールドを揃えられるのではないでしょうか?
以上、独断と偏見も大いに交えつつ、初心者の方が最初のエレキギターを選ぶにあたってのポイントを紹介させて頂きました。色々なモデルが出ていて迷ってしまうかもしれませんが、何にせよ選んでいる時も楽しいものです。
因みに私の人生初ギターは中学生の時に購入したTakamine TSN-500(アコギ)でした。スロテッドヘッド仕様のニューヨーカースタイルの生アコだったのですが、スロテッドヘッドが「他のギターと違ってカッコええ!」触って音を出してみて「持ちやすくてシャランシャラン良い音がする!」みたいな感覚で決めた覚えがあります。ただ新品で買ったのですが何故かケースが付属しておらず、お店の方が「代わりにコレあげるよ」とWarwickの帽子をくれたのでした。当時は嬉しかったのですが、今考えるとかなり謎ですね(笑)! そうやって見た目とフィーリングで選んだTakamineは今も所有しており、未だに家で良く弾いています。
皆様がこれぞという最初の1本に出会える事を願っておりますので、お選びの際はお気軽に最寄のイシバシ楽器店頭でフロアスタッフまでお尋ね下さいませ。
大いなるギターワールドの旅に出かけよう!
佐藤 俊太(さとう しゅんた)
渋谷店リユースマネージャー。普段は渋谷店アコースティックフロアに籍を置きつつ、イシバシ社内のエレキやベース、アンプ等含めた海外でのヴィンテージ楽器の買付も担当、定期的に渡米し現地のディーラー/コレクターと直接交渉を重ね買付を行っている。特にアコースティックギターに精通しているが、プライベートではパンクやガレージロック、ダークなアンビエント等を好み、愛器は1970年製Guild Bluesbird、モディファイした近年製SG Special、自作のストラト・タイプなどなど。個人的にはヴィンテージ/近年製問わずアクの強い楽器が大好物。はじめての楽器選びから一生モノとなるとっておきの1本まで、皆様の愛器との時間が最高のものとなるべく、精一杯お手伝いさせて頂きます。



