第21回(by LUKE居波)
メールマガジンをご覧の皆さま、今月も様々なギターの魅力をご紹介する「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」のお時間がやってきました。2018年一回目の投稿は私ルーク居波が務めさせて頂きます。
2017年の皆様のギターライフは如何でしたでしょうか。私は昨年を思い返すとやはりどっぷりとフェンダーという世界に浸かっていたように思えます。渋谷店にてフェンダー担当を経験し、現在の池袋店に移動して早5ヶ月が経とうとしていますが、フェンダーという良い意味で温め(ぬるめ)の温泉のような世界は常に新鮮でどこか懐かしく、いつまでも浸かっていたいという居心地の良い気持ちにさせてくれます。
さてくさい台詞はほどほどにして今回も素晴らしきフェンダリアンの世界に皆様をご案内します。 今回ご紹介するのは私が直接現地で買い付けを行ったある意味一目惚れに近い一本です。さっそくご紹介致しましょう。
2017年11月初旬にアメリカ合衆国はカリフォルニア、コロナに位置するフェンダーファクトリーを訪れました。その際に現地選定会にて競争を見事勝ち抜き、守り抜いた極上の一本。マスタービルダー、グレッグ・フェスラー製作によるストラトキャスターです。
グレッグ・フェスラーはフェンダー・カスタムショップの礎を築いた当時の総責任者ジョン・ペイジによって、その実力と才能を見出されマスタービルダーとなった人物です。2008年に亡くなってしまった盲目の超絶ギタリスト、ジェフ・ヒーリーのギター製作を担当していた事や、元マスタービルダーのジーン・ ベイカーの仕事を後継する形でロベン・フォードの専属ビルダーを務めたことが有名です。常に演奏する人の側に立ち、最高のクラフトマンシップを注ぎこむことに労を厭わない姿勢から、日本国内でも大変人気が高いビルダーです。
本器はラウンドラミネイトのローズウッド指板にトラジション・ロゴ、パーロイド・ドットポジションマークネックを採用した64年末頃を再現。ネックは薄めの65 Strat Cシェイプを採用し、7.25ラディアスとヴィンテージフレットのコンビネーションはこの薄めのネックとの相性が抜群です。弾き手はストレスを感じることなくプレイに没頭でき時間が経つのも忘れてしまうでしょう。ボディ材にはグレッグ自らが厳選したアルダー材を使用、重量3.46kgとバランスも良くリアピックアップにトーンが効くなど、グレッグのプレイヤー側に立ったクラフトワークが随所に見受けられます。
グレック製作のギターのひとつの特徴として生鳴りが非常に良いことが上げられますが、本器も同様です、ネック、ボディともによく振動しており、アンプにプラグインした時の期待感を膨らませます。ピックアップにはFender Custom Shop 65 Strat Pickupを搭載、もちろんすべてホセフィーナ・カンポスによる手巻きによるものです。2012年5月にフェンダーを引退した伝説のピックアップ・アーティスト、アビゲイル・イバラ女史、そんなフェンダーサウンドのすべてを知る彼女に師事し、その後を引き継いだ次世代のピックアップ・アーティストです。
満面の笑顔で日本のディーラーを迎えてくれた彼女は非常に温和な人柄で一つ一つ丁寧にピックアップをワウンドしており、カスタムクラスのピックアップがどれも個性的で他の追随を許さない理由はここにあるような気がしてなりません。その人の性格や人柄がサウンドを決定付けるのであると。
それではアンプにプラグインしてみましょう。ラウンドラミネイトのローズウッド指板によるクリアなジャキンとしたサウンドは最高の一言、全体的にエッジが立ったサウンドなのですが高音も耳に痛くなく、バランスも良いです。コード弾きやカッティング弾きにも最適で一音一音の粒がしっかりと揃っている印象を受けます。
カラーは鮮やかなFiesta Redを採用、ボディ、ネックにはJourneyman Relic(ジャーニーマン・レリック)という特殊なフィニッシュ加工が施されており、あたかも長年にわたって無数のライブで使用されつつも、丁寧にメンテナンスされ、大切に使用され続けてきた風格が、細部に至るまでリアルに再現されています。 金属パーツにはあえてゴールドを採用し、Fiesta Redとのマッチングも抜群です。
いかがでしょうか、私自身64年製を所有しておりますが、その手に吸い付くようなネックと切れ味抜群のサウンドは病みつきになります。一生ものの一本に相応しいマスターピースかと! 是非その手でご堪能くださいませ。
それでは皆様も良きフェンダーライフを!
大いなるギターワールドの旅に出かけよう!
今回のご紹介商品
Fender Custom Shop / Master Built Series 1964 Stratocaster Journeyman Relic Fiesta Red built by Greg Fessler 【S/N R88718】【池袋店】
ルーク居波(ルークいなみ)
横浜店勤務時代はデューク工藤に、渋谷店ではスターキー星に師事、現在池袋店にてフェンダーを担当。海外買付なども行っており、2人のフェンダーDNAを引き継いだ若きホープである。彼自身、多数のフェンダーギターを所有しており、中でもジャズマスターにかける愛はイシバシ随一! ちなみに彼が身につけているメガネもフェンダー製なのは言うまでも無い。 フェイバリットミュージックはオルタナ、ポストロック、シューゲイザーなど現代的なものから70~90年代のロックまで幅広く愛聴している。常にお客様の立場に立ち、独自の視点で最高の1本を探すお手伝いをさせて頂きます。













