Ishibashi Mail Magazine Vol.17 |
LIVE / URIAH HEEP
| イギリスのバンドにはよく”黄金期”という言葉が当てはまるバンドが多い。 ユーライヤ・ヒープは現在も活動を続けているようだが、このバンドにもしっかり 黄金期という時期がある。このアルバム「LIVE」発売時の1973年頃が丁度、絶頂 といえる時期なのではないかと思う。
71年にこのアルバム時のラインナップになり、衣装の派手さでは当時のデビッド ・ボウイをもビックリと言うヴォーカルのデビット・バイロンの声が最強である。 1曲目の「Sunrise」が始まる前にバイロンが、”ギターとMoogのチューニングを 合わせるから少し待って”みたいな話が聞こえる。これがこの時代を物語るラフさ では無いだろうか。現在のライブではアーティストがステージに上がって1曲目に チューニングを行うなどと言う事はないと思う。そのラフさがこのアルバムの グルーヴ感の源ではないだろうか。
当時、Moogを使用するキーボーディストはキース・エマーソンやリック・ウェイク マンなどハイテクニックな人が多かった。ヒープのキーボード、ケン・ヘンズレーも 当然使用しているが、音がナントもショボイ(失礼!)しかし、そのサウンドも非常 にヒープのサウンドにマッチしてしまうからこれまたビックリ。4曲目のヒープの 代表曲「JULY MORNING」は全てにおいて凄いグルーヴ感である。必聴だ!
しかし、このバンドのボーカル、デビッド・バイロンとベースのゲイリー・セインは 既に他界している。しかも二人ともオーバードラッグによるもの。ゲイリーに至って はステージで感電し、体調を崩しバンドを解雇されドラッグ漬けになって他界という なんとも当時よくあるアーティスティックな最後であった。 バンドはこの後、尊敬するベーシストのジョン・ウェットンを加入させ、活動するが ナントもイマイチの結末を迎える。さらにありえないほどのメンバー変更で現在も ギターのミック・ボックス一人がオリジナルメンバーで活動を続けている。
高校時代にこのアルバムのアナログ盤の中に入っていた豪華写真集を眺めながら あと少し早く生まれていたらヒープが生で見れたのになと良く思っていた。最近、 輸入版であるが、ヒープのこの頃のアルバム全てを紙ジャケで入手した。そしたら なんとこの写真集までコピーされ入っていたのだ。写真集といえるほど枚数は無い のだが、確実にあの頃にタイムスリップできた。このアルバムは本来2枚組みであるが 中には1枚物も発売されている。しかし、曲目が少ないので必ず2枚組の物を入手 した方がいいぞ。とにかくこの1枚を聞け!
BY JS
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