Ishibashi Mail Magazine Vol.10

第10話 GIBSON L-6S 1977年製


1973年に産声を上げた、近未来型エレキは1978年まで生産されました。
L-6Sの”カスタム、デラックス、ミッドナイトスペシャル”3種類のライン
ナップがありました。3ピースのメイプルボディーに3ピースのラミネイト
ネックで、特筆すべきは当時としては珍しい24フレット仕様でした。
また、ボディー形状も、レスポールに比べ薄めに製作され、メイプル材のみ
だと重くなりすぎる事を計算し、また、ペグには信頼性と精度の高い
シャーラー製のペグが使用され、アクティブな演奏にも耐えうる構造を
目指しておりました。

ピックアップは、現在メジャーブランドとなっているビルローレンスが
設計し、6WAYのセレクタースイッチでフェイズやピックアップの選択が
できるピックアップが搭載されました。このピックアップは”スーパハム
バッキング”と命名され、セラミックマグネットを採用し、メタルでボビンの
出ていないフラットな平面が、見た目の特徴となっております。

#1.2ピックアップシリーズ配線
#2.フロントピックアップのみ
#3.2ピックアップパラレル配線
#4.2ピックアップパラレル配線のフェイズサウンド
#5.リアピックアップのみ
#6.2ピックアップのフェイズサウンド

当時、カルロスサンタナとアルディメオラはL-6Sのエンドースを結んでおり、
若き日のサンタナがナチュラルのL-6Sを弾いている写真も見たことが
あるのでは無いでしょうか。
6WAYスイッチと、このスーパーハムバッキングから繰り出されるサウンドは、
70年代のプログレッシブジャズに影響を与えておりました。70年代の後半に
入ると、古き良きギブソンの代表モデルに押し出される形で、残念なことに
生産終了を余儀なくされてしまいます。
ギブソンの革新的アイデアであった、RDシリーズやマローダー、S-1、
カーバスなども同時期に姿を消すこととなります。短命に終わってしまった
シリーズはコレクターの心を鷲掴みにし、最高のB級グルメとして君臨し、
近年のヴィンテージ高騰の影で密かなビザールブームとなっております。

まさにレジェンダリ〜!


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石橋楽器 渋谷店
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shibuya@ishibashi.co.jp


<プロフェッサー岸本:プロフィール>
平成8年入社。現渋谷店のサブマネージャー。
ヴェンテージギターに関しての知識はイシバシでNo.1!
プロミュージシャンもお得意様にとても多く、彼のマインドに惚れ込み
多数お店に通っていただいている。
また、英語力もまずまずの為、直接ギター工場のマスター・ビルダーと
話し合いする事も。彼自身のフェイバリット・ミュージックは
カントリーロック、ブルーグラス等。
「親切丁寧な接客」をモットーに、ヴィンテージギター、高額ギターの
ご相談等、いつでも渋谷店にてお待ちしております。


















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