今回はドラムペダルのパートⅡ、カムとビーターの話をいたしましょう。 まずカムとは何ぞや? カムとはペダルのチェーンがのっている半円状のパーツ をカムと呼びます。前回にお話したベルト・ドライブのペダルが時代と共に チェーン仕様になったと同時に、カムの形状にも各メーカー共、変化をつけて 今までよりプレイヤーが楽な状態で操作できるようになってきています。 基本的なカムの形状は真円タイプ(形状が丸)で動きとしては、ペダルの 踏み込みと同じ動きをビーターがするタイプである。近来、殆どのメーカーは この形状を使用している。もう一つのタイプがフットボール・タイプ(形状が 楕円)で、動きとしてはペダルの踏み込みのある一定の位置より、ビーターの 方が早く動き始めるタイプである。長所としてはビーターが早く動く事によって よりパワーを加える事が出来、スピード・プレイを可能とする。どちらが良いか という事ではなく、踏んだ時のフィット感で選ぶのが良いと思う。 カムの呼び名は各メーカー違うので、カタログを良く見るといいですヨ。 基本的にパール、ヤマハ等の廉価版は真円タイプで形成されているが、タマに 関しては廉価版に楕円タイプが採用されているのも面白いところで、限定版の ”クローム・コブラ”も楕円タイプが搭載されている。 また、パールのイリミネーター・シリーズ(P-2000C等)ではこのカム部が 交換できるようになっている為、あらゆるニーズに答えられる様になっており ツイン・ペダルにした時、聞き足でない足の非力さをカバーする事も出来る。
次にビーターの説明をしましょう。主にフェルト・ビーター、プラスチック ・ビーター、ウッド・ビーターの3種である。最近のペダルに標準装備されている ビーターはフェルトとプラスチックが両方ともついている2Wayビーターや4Way ビーターなどがある。フェルト・ビーターの音質としては太くて丸い音色が特徴で ヴィンテージ・ロック系の音色はほぼこれである。プラスチック・ビーターの音色は アタック音が非常に強く再現出来、輪郭のハッキリした音になる。これにパワー を加えたのがウッド・ビーターと思ってもらってよいと思います。
お薦めとしてフェルト・ビーターとしてはダンマーの「206」。通常のフェルト・ ビーターよりヘッド比重が重く、輪郭をハッキリした音が再現できる為、ベーシスト にも喜ばれるビーターとも言われている。また、ウッド・ビーターでは同じくダンマー の通称”赤林檎”といわれる「205」が最強です。数多くのプロも愛用してますヨ。
余談ですが音色を変える方法としてバスドラムのインパクト部に「インパクト・ ヘッド」を貼るのも手法の一つです。輪郭もハッキリしますし、ヘッドも長持ちします。 昔、テリー・ボジオがインパクト・ヘッド代わりに薄い鉄の板を貼って、強烈に アタックの強い音を出していたという逸話もあります。ビーター、インパクトヘッド を駆使して好みの音を作って見てください。
これさえ解ればペダル知識は
マイペンライ!
ではまた。
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<マイペンライ永井 プロフィール>
昭和61年入社 池袋店、横浜店、サウンドメディア 津田沼店と渡り歩き、約2年前にお茶の水エリアに勤務。 昨年8月からロックサイドのドラムフロアーに就任し 現在に至る。 自らもバンド活動をし、熟年ハードロックバンド 「クラッシュ・グルーヴ」でドラムを叩いている。 タイ国をこよなく愛す、当社一のドラム博士でもある。
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 右がダンマー”205”、左が”206”
 毛羽立った面白ビーターも取り揃えています。
 真円タイプのカム(P-2000C)*チェーンの流れを見ると解りやすいヨ!
 楕円タイプのカム(P-2000C)
 TAMAの楕円タイプカム”パワー・グライド”
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