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白井貴子ロックコラム「ROCK TONIGHT」 VOL.3
暑中お見舞い申しあげます!
「青空が大好きな珍しいロック歌手、白井貴子です!」
実はこのキャッチフレーズ、96年からNHKの「ひるどき日本列島」というお昼の
旅番組に3年間レギュラー出演していた時、番組のオープニングでよく挨拶に使っ
ていた言葉です。
出演当初の頃は「今、出ているのは、あの!ロックの白井貴子さんですか?」
とか、「あれは本当に白井さんですか? それにしても歳が若すぎるような気が
するんですけど?・・・」とか、そんなビックリマーク満載の問い合わせが
めちゃくちゃ多かったそうです。
そうですよね〜。80年代のロックだけのイメージからすると、ああいった番組
には出るはずがない!と私だって思います。
でもだからこそ、時は巡って「そこが面白い!」って私思ったんです。
だって「あたりまえのことなんて、まだまだ早い」私だもん!"あれっ!どっかで
聞いたことあるフレーズ?"(笑)
でも私が出演したい!と思った一番の大きな理由は、あの時期(・・・・という
より今もですが)TVの音楽番組が少なくて、あったとしても「ベスト10」に
入ってなくちゃ出られない番組か、あとは演歌系ばっかり。
そんな日本のポピュラー音楽の在り方に半ば私は頭にきてた!(笑)
「こんな画一的な安全パイ、利益優先の考えしかない現代だから、文化水準が低い
のよ!」なーんてね!
そんな時、誘ってもらったNHKの「ひるどき〜」だったので、よーしこれはいい
チャンス!と「是非、一週間に一度は歌わせてください!」とお願いして、OKを
いただいたのが始まりでした。
3年間で旅した場所は150箇所。イヤー場所はいとわず、どこでも歌ってきまし
た。海、山は勿論、温泉や畑etc・・・。最初の頃、何百万人という人が見てく
れているところでの弾き語り生ライブは、自分が言い出しっぺのくせに実は心臓が
口から出そうなくらいのドキドキで、少しでも楽しく歌えるようにと早朝から旅館
のカラオケルームや食堂で大声でリハーサルもしました。
歌う場所もツベコベ言わず、音楽番組もへったくれもない!
とにかく「日本の人に"自分の歌と詩と生きることを楽しんでいる私"が届けばいい!」
っていう思いで正に全国ネット生放送ライブにチャレンジしていました。
そんな中、気づいたことがありました。「私は外が大好きだ!」って・・・。
「海、空、大地、山、川、もっというなら地球好き!」歌はそもそもこの空の下から
始まったんだと気づいたんです!
人生かけて一番やりたいことは「地球の上に生きて(正確には生きさせてもらって)
ご飯食べて(正確には貰って)曲を作って、そしてただ歌いたいだけなんだ!」って。
87年、ロンドンのレコーディング先で出会った、私の運命を変えた花。
空を見上げ元気に大地の力をもらいながら生きていたあの「野生のマーガレット」を
イメージして生きはじめていたあの頃の私にとって、番組の中で全国津々浦々の日本
の皆さんの素朴な生活に直に触れながらのこの発見はもの凄く大きいものでした。
毎日コンサート会場から会場へとか、スタジオからスタジオへとなりがちな音楽の世界
だけにいたらまず体験できない「人としての一番大切な基本の生活、幸せ」を番組を
通じて日本の皆さんから教えていただきました。
そんな中、そろそろ私達(93年クレイジーボーイズのギター、ホンチと結婚。・・・
なのでWEなんです。)も皆を見習って家を持って、ちゃんと地域に根ざして生活しよう!
ということになり土地を探しはじめました。
最初「理想は湘南」という思いで探していましたが、探せど探せど私達に手が出る
場所はどこも真四角に囲まれた自然のない土地ばかり!
ここも違う!これはとても買えない!を繰り返し、とうとう知らない間に伊豆にまで
南下していたんです。そこで巡り会ったのが約3000坪の森でした。
「いやーこれはちょっと大き過ぎるんじゃーないの?」って最初はドギマギでしたが、
7・8年かけてやっとめぐりあった自然が沢山の素晴らしい環境だったので、かなり悩み
はしましたが勇気を出して購入。
それから早5年、もうとっくに家があるはずなんですが、建てる所に制限がない分、
色々なプランが出過ぎで、その内「どうせ建てるならエコロジックハウスにしよう!」
と方向が決まり見積りを出したら、めちゃ高かったりで「これこそエコじゃない!」と
また取りやめで今日に至っています。そうまだ柱一本建ってないんです。
そんな中、この5年間、時間ができるたびにロンドン時代から乗り継いで5代目のキャン
ピングカーを転がし、もっぱらその森でキャンプをしていたんですが、先日この森で
やはりNHKの番組で毎週日曜日の午前11時30分に放送している「食彩浪漫」という番組で
「白井貴子のキャンプ生活、目指せ自給自足!」って感じの番組を収録してもらいました。
(9月3日放送)
この森を私はあの日出会ったマーガレットにちなんで「マーガレット・グラウンド」と
名づけました。この10数年、動きは小さいながらも全て自分達で何もかも運営して頑張っ
ていたのでもの凄い忙しさだったんですが、この森があったお陰で私達は沢山の自然を
体感し、また疲れている時は何度も心を癒してもらいました。
パチパチと炭のはぜる音を眺めながら時には歌い・時にはとことんホンチとこれからを
話し合い・時には読書をしたり・曲を作ったりと、森に包まれながら過ごす時間は贅沢な
時間です。不思議ですね〜人間って、炎を見ているだけで何もしなくても落ち着くんですョ。
先日、ベストアルバムの宣伝会議があり、ありがたいことに私の25周年プロジェクトの
スタッフがどどどーーっとソニーのGTという、今、私がお世話になっているセクション
に集合してくれたんですが(こんな勢いはGT始まって以来だと、ソニーの人も驚いてい
ます。サスガ!「ロックの女王」を生み出したスタッフ達)
そして皆から「これからプロモーションがいっぱい入ると思います。忙しくさせてもらい
ますよー!」と言われました。でもたとえどんなに忙しくなっても、きっとあの80年代
の時のように根こそぎクタクタになることはない!大丈夫!って今思える、
全く不安がないのはきっとマーガレット・グラウンドがあるからだと思ったんです。
帰る場所があるっていうのかな?勿論帰る場所といえば実家もそうですが、でもまた両親
とは違う意味で、「地球に帰る」そんな感じかな?それだけでも森を手に入れてよかった!
と感謝しています。
そしてこれから TAKAKO& THE CRAZY BOYSの復活を通じて、より多くの皆さんに出会うた
び、ファンの人と、またその子供達に私が今体験している自然の驚き!尊さを大好きな
ロックミュージックに乗せての人生かけて伝えてゆけるチャンスにまた再び恵まれている
ことが、本当にうれしいです!
もしも私がツアーに出られないくらいおばあちゃんになったとき、森でライブができた
らいいな〜!と夢見てますが、まだまだ神様は私に忙しく動き回れ!と「再びロック命令」
を下されているようです。先日完成した25周年のアルバム「NEXT GATE 2006」もお陰
様でスタッフやレコード会社の皆にも大変好評で、サンプル版も完成し、すでに少しずつ
ラジオでかかり始めています。合言葉も「WE LOVE ROCK'N ROLL!」に決まり、今回のバン
ド復活劇で私の周りはますますロック好きが集まってくる気配ムンムンです!
この10数年だって、私は私なりのやり方で頑張ってきたつもりですが、でもひとたび
「白井貴子がバンドをまたやる!」というだけで私の世の中がどんどんと丸く大きく収ま
ってゆくのが見えるようで、私自身つくづく「やっぱり白井貴子はロックってことか!?」
と最近、再び腹をくくりました。
「なーんでそんなに皆ロック好きなの?家でゆっくりお茶でも飲んでればいいじゃん!」
なんてホンチがいつものジョークを言いそうな感じですけど、でも正直、皆が望んでくれ
ているロックショー。それを私達ができるというのが何よりの喜びです。
前回お話した「CHANCE 2006 HAPPY STEP Version」は、9月13日アルバムと同時に発売され
るシングル「みんなに知って欲しいこと」のカップリング曲として収録されていますが、
たとえどんなに忙しくなってスタジオにこもっていても、たとえ60階のビルの上にいても、
「地球に生きる自分、足元の自分」を忘れないように!と願いつつ鳴らしたHAPPY STEP
でした。
18年前にバンドを止めてでも、たどり着きたいと羨望した精神は、こんなドシッとした
安心と自信をもっている「自分の心」だったのかもしれません。
ここまで来ればあとは「ロックで遊ぶだけ!」
先日、ライブチケットも発売になりました!是非皆さん、遊びに来てくださいね!
合言葉は「WE LOVE ROCK'N ROLL!」地球のパワーを沢山吸い込んだ
「ソーラーエネルギー満載」のロックショーをお届けします。
TAKAKO SHIRAI
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