Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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HUGHES THRALL / HUGHES THRALL


76年夏にディープパープル解散、トミー・ボーリンの死とグレンの活動は
マイナスへと向かっていた。77年に渾身のファンク・アルバム
「PLAY ME OUT」を発売するが、イマイチのセールスと才能が埋もれていく
のが非常に悲しかった。「PLAY ME OUT」も私的には非常に好きなアルバム
であるが、グレンの声質からして更にハードなものを演った方がカッコイイ
とも思っていた。

 81年にいよいよグレンがハードな路線に戻ってくると噂になり始めた。
それがこの「HUGHES THRALL」である。ツトム・ヤマシタ〜パット・
トラヴァース・バンドを経てこのバンドに参加したもう一人の立役者は
”パット・スロール”。ドラムはアルバムでは”ゲイリー・ファーガソン”等
も叩いているが、1stドラマーは”フランキー・バナリー”の様である。
(ライナー内のフォトに写っている)しかし、正式なドラマーという扱いでは
なさそうで、ロックなホール&オーツだと思ってくれれば良い。

 サウンドは1曲目の「I GOT YOUR NUMBER」からグレンのシャウト出まくりで、トラッピーズ時代の
名曲「COAST TO COAST」まで演ってくれている!しかし、ヴィジュアル的には裏ジャケに写っている
グレンは明らかに肥大しており、変なメイクがそれを更に誇張しているように見えるのだ。
しかし、その内容はパープル時代のゴッド・ヴォイスと何の変わりもないのが凄すぎる。
何故、この1作で消滅してしまったのか解らないほどの出来栄えであるが、その後のグレンの動向を
見ればそれも納得できるかもしれない。因みにこのアルバムの邦タイトルは「仮面の都市」。しかも
"都市”と書いて”まち”と読むようになっている。(訳わからん!)

 その、HUGHES THRALLが日本に1度だけやって来た事がある。82年の春頃だったと思うが、ライブ・ツアー
ではなく、アルバムのプロモーションで来日したのだ。当時、入社して2年目の私はオープンしたばかり
の新宿店に在籍をしていた。この日の朝、駅方面から出勤途中に紀ノ国屋書店の前を通ると、入り口に
”HUGHES THRALL来店”の信じられない文字が!プロモーションのため、サイン会を行う事となっていた。
開催時間が夕方だった為、当時の先輩に頼みこんで駆けつけた思い出がある。当時は当然レコードで
ジャケットにサインしてもらう時、震えまくったのも恥ずかしい思い出。

 私が歌っているグレン実物を見るのは、このことより十数年後になる。そして、最近のグレンは
レッチリのチャド・スミス、デイヴ・ナヴァロをレコーディング・メンバーに迎えアルバムも作った。
このアルバム「SOUL MOVER 」も非常にカッコいい。車で聞くとスピードが20kmはアップしてしまうほど
のCoolさである。こちらも一度聞いてもらいたい。

 このコーナーの第1回もトラッピーズのアルバムを紹介した。2006年最後のアルバムはこのアルバムと
決めていた。とにかくこの1枚を聞け!そして、来年も夜露死苦!
                       by JS




筆者宅の家宝!グレンとパットの直筆サイン入りアナログ盤。