もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回紹介するアルバムはカナダが誇る歌姫、SARAH McLACHLANが1991年に発売したセカンドアルバム「SOLACE(邦題:ときめき)」です。 日本ではあまりなじみのないSARAH McLACHLANですが、1997年にはグラミー賞・最優秀女性ボーカル部門を受賞しているグラミーアーティストなのです。残念ながらアメリカではもの凄い人気でありながら、日本ではまだまだというアーティストがかなりいますよね。SARAHと同じ母国のハードロックバンドのRUSHや、大統領への問題発言が話題になったDIXIE CHICKSなども、アメリカでは軒並みSOLD OUTにできるようなバンドでありながら日本ではイマイチの人気というのが実に寂しく思うのです。 しかしそのどのアーティストにも共通して言えることですが、“どこかで聞いたことがあるぞ?!”というようなスタイルではないということ。独自のスタイルを確立をしているところが聞いていて新鮮さも感じますし、“何が起こるの?”という期待感もあるのです。 今回紹介するアルバムはSARAHが大ヒットを生む数年前に発売したアルバムです。19歳でデビューアルバムを発売し、その3年後の1991年に発売したアルバムがこの「SOLACE」なのです。若干22歳です!凄いと思いませんか、まだ22歳なのに安定感ある透き通った歌唱力と表現力! 当然ではありますがすべての曲は本人が書いています。1曲目の“Drawn To The Rhythm”から安定感あるミドルバラードを披露してくれる。なによりも声のコントロールが非常に上手く、ファルセットで歌ったほうが感じが出るところを、ファルセットを使わない歌い方が良いところを微妙に変えているようにも思うのです。そんな感じが3曲目の“The Path Of Thorns (TERMS)”によく表れているように私は感じるのです。 そして、このアルバム発売から6年後にSARAHに大きな転機が訪れます。1997年に発売したアルバム「SURFACING」が初登場にして全米第2位になってしまいました! カットされた3枚のシングル曲はどの曲も大ヒットを飛ばし、そのうちの“Angel”はSARAHにとっての代表曲となりました。SARAHを知らない方でもこの曲はきっと聞いたことことがある曲だと思います。それはニコラス・ケイジとメグ・ライアンの大ヒット映画“シティー・オブ・エンジェル”の挿入歌になったことです。当然、この曲は同映画サントラ盤にも収録されていますのでチェックしてみてください。 そもそも私がSARAHを知った動機も意外なものでした。いつもお世話になっているギタリスト、西川進さんがサポートをしていた、アンジェラ・アキさんのライブを見に行った時のことでした。MC中にSARAHの話が出てきて、とても影響を受けていると言っていたのです。どんなアーティストかと聞いてみるとこれまたビックリ! その歌唱法やピアノを弾きながら歌うことが非常にアンジェラさんに似ていたことだったのです。 先日、SARAHのライブ・DVDを買ってみました。やはり期待は裏切りませんでした! 1998年に一度来日をしたことがあると聞いていますが、前記のRUSHやDIXIE CHICKS同様、なかなか日本に来てライブを披露してくれることはなさそうですね。でも希望を持ってその日まで、またCD聞くとします。とにかくこの1枚を聞け!! バックナンバー |