もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回紹介するアルバムは奇才TODD RUNDGREN率いるUTOPIAが1977年に発売した「RA(邦題/太陽神)」です。なんで邦題が“太陽神”になったのは定かではありませんが、やはり70年代のアルバムタイトルには不思議なものがいっぱいです。 TODD RUNDGRENのデビューは60年代後期でありますが、当初はソロとして活躍をしていました。70年代も中期にさしかかる頃、時代はプログレッシブ・ロックのブームになっていました。そんな中結成されたのが、TODD RUNDGREN'S UTOPIAです。ピンクフロイドやイエスの様などっぷりとプログレではなく、ポップ色が強い、今でいうミクスチャーっぽいプログレであったと感じてます。 数枚のアルバムを出したのちバンド名をUTOPIAに変更し、1977年にこのアルバム「RA」を発売した流れです。もともとTODD RUNDGRENが居れば全てと言う感じですので、ハードロック界でリッチー率いるレインボーのようなものと感じていただければ良いと思います(笑)また、メンバーにはどこどこの誰が在籍していたなどという事はないのですが、唯一キーボードのロジャー・パウエルはUTOPIAの音楽性に十分貢献していたと感じるのです。 そしてこのアルバムも更に好きなところはコンセプトアルバムだという事。“Overture”から始まっていく曲の展開は素晴らしいものがあります。特に1曲目の“Overture:Mountaintop And Sunrise〜Communion With The Sun”はこれから何が出てくるのと言うような期待感タップリの構成であり、6曲目の“Hiroshima”は正に名曲中の名曲! 文字通り、原爆を題材にした曲であるが実によく出来た曲であるのです。 また、TODD RUNDGRENはプロデューサーとしても有名で、1973年にGRAND FUNKが発表したアルバム「WE'RE AN AMERICAN BAND」は全米1位を獲得するロック界の超名盤となってます。このほかにもTHE BANDの「STAGE FRIGHT」やTOM ROBINSON BANDの「TRB TWO」、XTCの「Skylarking」など数多くのヒットアルバムを手掛けているのです。その反面自分のバンドではTOP10に入るような成績を収めていないのが皮肉なところですね。 TODDのギターサウンドもまた味のある物で、その独特なコーラスのかかった様なサウンドはとても心地よいのです。そしてなぜかフェンダ−・ムスタングのイメージが強いのです。ムスタングと言うとCherというイメージですが、私の中ではTODDというイメージがかなり強いのです。不思議なものですね。 そして、今年なんとそのTODDが日本にやって来ました。フジロックへの参戦でしたが、UTOPIAなんか演らないんだろうな〜。79年の来日公演以降見たことはないが、UTOPIAとして来日してくれれば是非にでも見に行きたいですね。とにかくこの一枚を聞け!! バックナンバー |